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「私が見たにぼしいわし—柔らかさと癒やしの世界観」浅見摩紀 『暇』2025年1月号

 その日、私は厚木市内の美味しくて有名な某お寿司屋さんにいました。
 厚木市内のどなたも知っているような素敵なお店です。お世話になっている皆さんとの年末の集まりでした。
「もうそんな季節? 1年は早いですね〜」

 そんな会話をしていると……。

「にぼしいわし優勝!」
「優勝???!!!」

 と一瞬にして店内、正しくはにぼしいわしさんを知る私たちのテーブル付近がお祝いモードになりました。

 私がにぼしいわしさんのことを知ったのは、さかのぼること数カ月。厚木市内で書籍編集をしている本誌発行人の杉本健太郎さんを通じて、その存在を具体的に知ることになりました。
 その後ユーチューブで検索をし、いろんな漫才やコントのネタを拝見しました。
 もともと関西育ちの私。お笑いが大好き。
 ゆっくりとしたテンポで、可愛らしい感じのにぼしさん。絶妙な突っ込みで場を一瞬にして笑いで包むいわしさん。
 女性の漫才ということで、お二人の何とも言えない時折の柔らかい空気感が、癒しを感じさせるところに私はとても魅力を感じます。

 今回のTHEWでの優勝までの過去のネタの中で、私がふふふと思ったのは、今回披露されていた「シャネル」のネタです。

 関西ではかぼちゃのことを「南瓜=なんきん」と言うのですが、他の地方でもそのように呼ぶところがあるのでしょ うか? 関西では煮る時のかぼちゃ(南瓜)は角切りに切ります。
 そんな細かな表現までさりげなくしっかり描写されていたのには感激と笑いが込み上げました。
 天ぷらの南瓜は、ネタのなかで体の動きを合わせて表現されていた通り、シャネルのロゴの形に切ります(笑)。祖母がよく南瓜と言っていたなぁと、懐かしく感じました。

 そんなにぼしいわしさんの優勝が決まったその日は、私はとある年末会合があり、番組も会合も両方とも楽しみたい想いが高まります。
 ふと、店内のテレビを見ると既にチャンネルがTHEWの日テレのチャンネルになっていました。
 ラッキーと思わず笑顔になります。
 テンポ良く番組が進んでいって、笑い声や歓声がテレビから聞こえてきます。

 ドキドキドキドキ……。

 あっという間に決勝が決まったその頃くらいから、あちらこちらのテーブルから「今日お笑いのあるよね?」「今やっている番組じゃない?」などと声が聞こえてきます。
 私たちのテーブルもとっても気になり始めて、テレビをチラチラ……。
 決勝が決まった時も「えー!すごい!! 優勝だね〜!」とすっかりにぼしいわしさんをみんなで応援していました。

厚木市内の寿司店で固唾をのんでTHEWを見る(2024年12月10日)

 杉本さんに教えていただいていなければ、もしかしたら出会えなかったかもしれないにぼしいわしさん。
 テレビで応援していた方がリアルタイムで優勝する場面に立ち会わせていただいたこと、とても貴重な経験をさせていただきました。

 にぼしいわしさん、これからも頑張ってください!

 と、ここで終わるはずでしたが、さらにユーチューブの「にぼしいわしの吹き溜まり」を拝見させていただきました。優勝の後、たくさんの映像があがっていて、いくつか拝見させていただきました。
 私が見たのはにぼしさんのルームツアーのもの。決勝が終わった後の振り返りのライブ配信のもの。いずれもとても素のお二人が映しだされていました。「にぼしルームツアー」では手づくりの物を贈り合ったりしていた仲睦まじいお二人の過去のやり取りエピソードが放送されていました。素のお二人のやり取りも、舞台で漫才をされているお姿も、共通して感じるのは女性らしい柔らかさと癒やし。どんな環境下にあっても人としての柔軟さ、柔らかさを持つことは大切なことですよね。にぼしいわしさんの優勝にまつわる一連の事柄を通じて感じました。

浅見摩紀(あさみ・まき)
 鹿児島県生まれ、和歌山県育ち。現在は夫と宮ヶ瀬湖畔の飲食店と地域を紹介する旅行業を営む。カンボジアを主として各国の教育・生活環境を支援するNPO法人の代表も。
 特技は車の運転と車庫入れ、お料理、英会話。異文化交流を通して、国も性別も年齢も関係なくお互いに人のあたたかさを伝え合う世界を作りたい。その一部になるための活動を日々行っています。


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