3バンド決闘戦・大阪の陣 〜「ONAKAMA 2021」@ 大阪城ホール 完全レポ〜
このタイトルを書いたら、少し語弊が生じるかもしれない。確かに、この日の大阪の一夜を一言でまとめるのなら「ガチンコ対決」というものが相応しいような、いわば決闘戦のようなものだった。
しかし、この日ステージに居た3バンドは、互いをリスペクトし合い、互いに高め合い、今に至ってるバンドである。この日のMCでも、互いのバンドに対する話をどのバンドも話していたくらいだったから。
つまり、決闘戦という言葉はどこか違うような気もする…?そんな感覚を覚えてしまうのです。
しかし、これを書くということは、どこかで背を向けてはならない問題があるような気がしている。事実、今の日本はウイルス感染抑制を目的とした緊急事態宣言が出されており、この大阪もその例外ではない。この時期に、何故ライブを開催したのか?そのことに対する賛否両論や意見は、絶えなかった気がしている。
今回、3バンドはそれに対するアンサーを、1組1組持っていたような気がしている。というか、各々のバンドの今が、必然とそれを証明していたような予感もする。
今から、大阪の夜を振り返っていこう。
2021年1月31日。
2021年のライブ始め
この日、大阪城ホールにて、
「ONAKAMA 2021」が行われました。
ONAKAMA 2021
この日、私は大阪城ホールにいました。
昨年12月のあいみょん以来、私にとって11回目の城ホは、もはや慣れ親しんだ大切な場所のひとつになりました。
城ホで開催されたのは、ライブイベント「ONAKAMA 2021」。今や、フェスやライブシーンの第一線で活躍している04 Limited Sazabys、BLUE ENCOUNT、THE ORAL CIGARETTESの3マンライブが大阪で開催されました。
この「ONAKAMA」は、2016年に同じ3バンドで行われたライブイベントのこと。「同じ窯の飯を食べた仲間」という意味合いを込めたこのライブは、同年に新木場STUDIO CORSTで開催。当時は、「最も勢いのある新人バンド3組が集まる」という形で、注目されたライブだった。
そして、時が5年経ち、今や3組はフェスの大型ステージを担う、日本のロックシーンを牽引するバンドにまで成長した。それぞれが違う舞台で活躍し、それぞれの場で唯一無二の存在感を放つまでに成長した。
そんな2021年、「ONAKAMA」がアリーナツアーとなって、帰ってきた。それぞれのバンドに所縁のある名古屋、大阪、福岡の3会場で行われるアリーナツアー形式で、今回は開催された。
実はこの日の「ONAKAMA 2021」が、私にとっての2021年ライブ始めの日でした。
年1発目のライブが大阪だというのは、2018年以来3年ぶり。思えば、その時はZepp Osaka Baysideでの04 Limited Sazabysのライブでした(Squall tourだったかな)。 なんか、年初めの大阪ってのが久々だったからか新鮮に思ったのです 笑
にしても… この3バンドのファンは熱心だなと思った。物販からして売り切れがそこそこあるんだもの。欲しかったもの、結構断念したからな… 悔しいからコーチジャケット、通販で良いもの買っちゃったよ。(本当は赤のパーカーと黒のコーチジャケットが欲しかった…)
こういう買い物もある大阪より。
まもなく、ライブの幕が上がります。
※今回のライブレポは、ライブの一部演出とセットリストを含んだ形で掲載しております。この後開催される福岡公演に向けて、ネタバレを避けたい方はここで引き返すことをオススメします。観に行った後で、「大阪はこんなだったんだ」って感じで読んでみても面白いかもしれませんのて!
観に行かれた方、行けなかったけどライブが気になるという方、ぜひご覧ください。この日の模様、少しながらもお伝えできれば、と思います!!
04 Limited Sazabys
今回のライブは、一般販売でギリギリ取れたこともあり、スタンドのステージ真横の席で観ていました。城ホはこれで11回目なんだけど、ステージサイドってのはこれが初めてだったから、なんか新鮮な感覚だったなぁ…
開演 16:30 終演 17:16
定刻16:30、ホールが暗転。
ステージ上のスクリーンに映し出されたのは、各バンドが今から登場するバンドに対しての印象を語ったVTR。THE ORAL CIGARETTESから「串カツみたいなバンドだ」と語られたのは、名古屋出身の4人組バンド・04 Limited Sazabys。
VTRの中でフロントマンのGEN(Vo./Ba.)は「3バンドの中でもスタイルが変わってないバンドなので、変わってないところで攻めて行こうと思います」と語り、ステージに4人が登場。
自分にとって、2019年のメリーロック以来のフォーリミは、いつも通りの通常運転なライブであった。それは、いつも圧巻でカッコいいライブを積み重ねた彼等の2021年を映し出したアクトだったから。
1曲目から「swim」とライブの定番曲で幕を開けたフォーリミのステージは、前半からフォーリミらしいポップながらもビートの激しいメロ系パンクが大阪を駆け巡った。「kitchen」から「My HERO」という近年のアルバム曲で攻めた序盤戦は、ライブハウスシーンを牽引する彼らの色そのものだった。4人は10分にも満たないたった3曲で、5,000人程居る城ホという大きいアリーナを、一瞬でライブハウスにしてしまった。
最初のMCで、先日の名古屋公演でのブルエン・田辺の捻挫や今日の楽屋で起きたオーラル・山中の火傷といったトラブルをいじりつつ、フォーリミにとって1年ぶりの大阪でのライブの喜びを語った。彼らにとって、最後に行った大阪でのライブは、イベント制限発令前に行われた「MYSTERY TOUR」のZepp Osaka Baysideでのライブだった。
「規制があるけど、声出せない分、身体動かして楽しんで下さい!」とGENが話したあと、次の曲に関する話題に。
「これからキラーチューン祭りですけど、着いてこれますか?」と話し、続いたイントロにGENは「なんか聞いたことあるな、これやらないよ?」と言いつつ、ファンを驚かせたのは、THE ORAL CIGARETTESのライブ定番曲「BLACK MEMORY」のカバーだった。
このカバーには楽屋にいたオーラルメンバーも反応したらしく、下手袖から覗く姿も見えたのでした 笑
「knife」と「Alien」と新旧のキラーチューンをドロップして、客席を揺らしたバンドは、MCの中で先程歌ったオーラルの曲のカバーをに対する感想を話し、GENは「あきらのベースが難しいの。だから、少しはしょった」と、オーラルの曲の難しさを吐露。
それと同時に、「オーラルの曲やってて気付いたのが、最後に前向きになりがちという。歌詞読んでて気づいたけど、最後の歌詞は前を向きすぎだろ」と、オーラルの曲の良さをGENなりに分析。ちなみに、この発言がのちに小さなハプニングを生むのは、また後で…
「次やる曲は最後に前向きになるような、そんな歌です」と続いたのは、インディーズ時代の名曲「midnight cruising」。続く「hello」と前向きになる感じの曲が連続する。この流れを見ている中で、次のMCが始まった。
「今日来たことを悩んだ人も多いかもしれない。でも、来たことを正解にするしかない。それでも間違うかもしれない。間違いながらも前に進んでいきたい。間違いながらも進んでいく、そんなバンドです」
この日、3バンドのMCに共通していた話題に、緊急事態宣言最中でのライブの意味というものがあった。はじめに触れたように、正式な開催決定が発表された時、それを賛同する声とともに反対する意見も数多く上がっていた。フォーリミも、ライブを軸に生きてきたバンド故に、昨年春の事態には、バンドの意味や自らの存在意義を疑う瞬間も多かったと話していた。
「ライブがない中で、自分が何者なのか、何をしたいのかわからなくなることがありました。そんな中でも、ライブができることがとてもありがたいことなんだと気付きました。一回一回噛み締めながらやってます」
それを聞いて感じたのは、「midnight〜」からの流れは、今のフォーリミなりの希望の提示の仕方であり、ライブに来た覚悟を受け入れて、その不安を蹴り飛ばすための、手札だったのかな、なんて思えてくる。「hello」なんか、彼らのYON FESでの演奏が印象的なように、大切なシーンを彩る曲がここから続いていたような印象を覚えた。
「何者にもならないで、自由になって、自分自身に生まれ変われ」と叫び、続いたフォーリミの定番チューン「Squall」と「monolith」は、ライブハウスを中心に生きる彼らだからこその意思表示だったように思えた。普段、1番の「きっと間違えられないな 揺ら揺らいだこの感触を 醒めない夢を静かに観たい」を変えて歌う「monolith」だが、この日はその歌詞を変えずに歌っていた。
そこには、前のMCにあったような「間違いなのか正解なのか分からない中を生きていく」という、バンドの想いをそのまま映したようなシーンだった。間違えられないけど、選んだものを正解にするように生きる。それを後悔しないように、進んでいく。それが、バンドの2021年のアンサーだったのかな、と振り返って思うのです。
「時間が余ってるのでもう1曲やります」と言ってドロップしたファストナンバー「message」でライブを締めくくったフォーリミの4人。5年経った今でも、ライブハウスシーンで輝く彼らだからこその、思いや希望を映し出した46分のアクトだった。
((写真は04 Limited Sazabys 公式Twitter、GEN公式Instagramより))
この日のセットリスト
01, swim
02, kitchen
03, My HERO
04, BLACK MEMORY (THE ORAL CIGARETTESカバー)
05, knife
06, Alien
07, midnight cruising
08, hello
09, Squall
10, monolith
11, message
BLUE ENCOUNT
私にとってフォーリミと同様に、この日が19年のメリロ以来のブルエンなんだが、他の2バンドと違うのはこの日ブルエンを観るのが2回目であること。前回が初めましてだったから、ライブに関する印象がそれほど強く身体に染み付いていないということがあった。
故に、この3バンドの中でほぼほぼ初めましてに近い状態でライブを観ることになったのだった。
開演 17:39 終演 18:25
ライブ前のVTRで「理性的で本能的なバンド」と語られたのは、熊本出身の4人組バンド・BLUE ENCOUNT。彼らも、16年以降の5年間で大きな成長を遂げたバンドだ。発表する新曲がドラマやアニメのタイアップに起用され、その注目を集めている。いわば、この3バンドの中で最もお茶の間に近いところにいる印象を私は覚えている。
VTRの中で、BLUE ENCOUNTのメンバーは「前回のとき(2016年のONAKAMA)は、控えめに行っちゃった気がするので、今回は闘争心バチバチに攻めて行きたいと思います」と語り、SEの「Break Down the Clock」が鳴り響いた。客席に手を振りながら登場した4人は、定位置に着くとフロントマン・田辺駿一(Vo./Gt.)は「みんな準備はできてる?踊れる人どれどけいるの?」と叫び、「バッドパラドックス」でライブの幕が上がった。
フォーリミがライブのキラーチューンでライブを始めたが、ブルエンは近年の攻め曲でライブの火を付けた。個人的な印象だが、「バッドパラドックス」って近年のブルエンの曲の中で、新たなイメージを定着させた1曲だなという印象を覚えていて。フェスでの盛り上がりの強い4つ打ちビートとエモーショナルなメロディが巧みなバンドって印象があったから、この曲のような縦ノリや横ノリも可能なグルーヴィーな曲は、ブルエンの新たな真骨頂に思えたのだった。そういう意味で、彼らなりのスタイルを序盤からいきなり提示したのだった。
2016年のONAKAMAでも披露した「Survivor」と続き、序盤から客席を暖めた彼らは、最初のMCで名古屋公演での肩のコンディションの無事を伝えながら、1年以上ぶりの大阪でのライブへの熱意を伝えた。セトリを悩んだ末に、ブルエンが選んだのは、攻めのセットリストだった。
「KICKASS」から「VS」と4曲続けて新旧の攻めのナンバーを立て続けにぶつけて、客席を揺らしたブルエンの4人。このパートを振り返ると、どこか彼らなりのメッセージがあるような気がしてきた。
不安の中で超えていこうと背中を押す「NEVER ENDING STORY」、悩みながらもなりたい自らを肯定する「ロストジンクス」と続く流れは、どこかこの日のライブに向けた客席への感謝やリスクがある中でもライブに来てくれたこの瞬間を受け入れる、ブルエンなりの思いだったんじゃないかなと思うのだった。
「VS」を終えたとき、田辺は汗が滴るまま客席にこのように話した。
「あなたの目を見て歌えてることが、どんな幸せよりも、幸せなんです。それが、大阪城ホール、ここならよく見えます。本当に、今日、勇気を持って来てくれてありがとう!(中略) これは自分のエゴかな?今、みんなより楽しいっていう自信がある。だから、もっと手をあげて反応して。この事態の中で勇気出して来てくれて、だからみんなのエゴをここでぶつけてください。かかってこい!!!!」
この日のライブを誰よりも楽しみにして、どんな不安の中で光を照らしてきたブルエンだから成せる、ライブと熱がそこにはあった。続いた「DAY×DAY」は、2016年にも披露された攻めのナンバー。1日1日を肯定しながら進むこの曲を歌い終えたバンドは、これほどにない自信とこの瞬間歌えてる喜びに満ち溢れていた。続く最後のMCに、この日にかけた熱の全てを明かした。
「みんなの前でライブができて、生きてまた会えて。規制ができてモッシュやダイブができなくなって、それがライブじゃないなんて言わない。みんなと生きてまた会える、それがライブなんじゃないかと思っていて」
続いて、この日のライブに対する思いを、言葉を詰まらせながらも、このように語った。
「色んな人に『緊急事態宣言の中でどうしてライブするんですか?』と聞かれて、それは3バンドの中で1番になりたいとかじゃなくて、エンタメシーンの希望になりたいとかじゃなくて、はたまたこの事態に一石を投じたいとかじゃなくて。雑誌やテレビの人に聞かれたんだけど、そういうことじゃない。それは、辛いときにイヤホンぶっ刺して聴いてくれる音楽が俺たちだったらいいなと思って、そう思ってみんなに歌ってるだけなんです。だから、これからもあなたと共に、俺たちは音楽を続けていきます。また、生きて会えたらそれだけでいいんです」
この瞬間、どこか身体のどこかに残っていたこの日に対する不安は全て消え去っていた。それどころか、この日に3バンドがライブをやろうとした意味をどこか垣間見た気がする。彼らは、誰よりも音楽を求めている。だから、鳴らす。そこに、今の全てがあるんじゃないかと。
続くラストナンバー「灯せ」を歌い切り、4人はステージを去っていった。事実、私にとってのこの日の大阪のライブのベストアクトだった46分は、この瞬間にあったのだった。
((写真はBLUE ENCOUNT公式Twitter、公式Instagram等より))
この日のセットリスト
01, バッドパラドックス
02, Survivor
03, KICKASS
04, NEVER ENDING STORY
05, ロストジンクス
06, VS
07, DAY×DAY
08, 灯せ
THE ORAL CIGARETTES
この日の大トリは地元といっても過言ではない所縁のある街のバンド・THE ORAL CIGARETTES(出身は奈良です)。
私にとって、オーラルのライブを観るのは、昨年12月の広島で行われたイベント「結びの夢番地」以来だったから、そこまでスパンは空いてなく、そしてライブの感覚が少しは身体に染み付いていたから、どんなライブをするんだろう?というワクワクの中で、その時を迎えていました。
開演 18:47 終演 19:51
ライブ前のVTRで「闇の中の救世主」と語られたオーラルは、「これが俺たちだぞ、っていうライブをしたい」と語り、ステージに登場。フロントマン・山中拓也(Vo./Gt.)は「俺らがトリかぁ… 地元やから最高にいい景色見せてくれるんやろな?」と客席に語りかけ、「容姿端麗な嘘」でライブの幕を切った。
その流れで序盤から「狂乱 Hey Kids!!」を披露し、いきなりキラーチューンで攻めるオーラルの4人。この日は大トリであり、3バンドの攻めに応えるような、オーラルの攻めでライブが進んでいった。
山中は、この日の大トリに向けて、気合を入れて自ら髪を切ってカッコつけて来たと語り(しかし、左髪が酷いことなってるらしく)、(セットした)ワックス剥がすくらいの熱気を客席に求めてきた。この日のオーラルは「ワックス剥がしてもらっていいですか?」という煽りで客席から手拍子やジャンプを煽ってた。
続く最新アルバムのリード曲「Dream In Drive」を披露したのだが、序盤の歌詞をど忘れしてしまい、曲を止めるハプニングが発生。これには山中も「歌詞なんやっけ、忘れた…適当にやってええの!?いまだに思い出されへん」と驚きを隠せない様子。先程のフォーリミのカバーに触れつつ「嫌な予感したのよね、GENちゃんがオーラルの歌詞な最後の光差しガチみたいなん言ってたけど、ほんまやめて!裏でそんなことないわって思ってたけど、セトリみたら、そんな事あった」と笑い、曲の歌詞を織り交ぜながら「逃れられないわ」と客席はこの日最大の笑いに包まれたのだった。
改めて「Dream In Drive」を仕切り直し、「リコリス」、「トナリアウ」とオーラル色の強い、アリーナ規模でも存在感を放つナンバーを披露した。
ここからにライブは後半戦に突入。
山中はフォーリミとブルエンの2組に対して、そしてこの日のONAKAMAに対する想いをこのように話した。
「5年前にONAKAMAやって、その後はそれぞれの道行ってやって来てたけど、その途中で俺、ブルエンの江口と喧嘩したから、ONAKAMAもうやられへんかと思ってた。だから、またやれてとても嬉しくて。(中略)フォーリミはアリーナでやり始めたりして、それ見て俺らも頑張らんとなって思えたし、フォーリミは、ライブハウスでも戦っててライブハウス守ってんなって。ブルエンは…ブルエンは田辺が『行列のできる法律相談所』出た時はちょっと意味わからへんかったけど、ライブを観て2周、3周、4周回ってやっぱかっけぇなって、思いました」
そして、山中はフォーリミ・GENやブルエン・田辺が語ったように、この緊急事態や1年間に対する状況に対して、自らの思いを伝えた。
「この時期に、何人死んだかわからへん、自殺を図ろうとした奴もおると思うもしかしたらこの中におるかもしれへん。このコロナ禍の中でそれをすごく感じました。そんな思いがわかってしまうほど、苦しく思いました。(中略) 誰もがみんな自分をもってそして1人じゃないよって、みんなが元気でありますようにそれぞれがしっかり生きれますように… 俺たちもしっかり生きる!」
そう続き、ライブは残り3曲だけだと伝え、バンドと客席は自らに残ったパワーをぶつけ合った。山中がタンバリンを持ち手を振った「ワガママで誤魔化さないで」、ヘドバンの波が客席で起きた「カンタンナコト」に続き、「本家やります!」と叫び、オーラルのライブの本編ラストとして「BLACK MEMORY」を披露し、4人はライブを締めくくった。
ここで山中はステージ上にフォーリミ・GENとブルエン・田辺を呼び、3人で曲を披露しようと提案。2人は先程山中の身に起きた歌詞のド忘れをいじりつつ、「さっき必死でうたネットで歌詞を予習した」と話し、オーラル4人+GEN, 田辺の6人でオーラル流の希望を詰め込んだメッセージソング「ReI」を披露し、ライブは大団円。
ステージ上にフォーリミ・ブルエンの他のメンバーを呼び、集合写真を撮り、ライブは無事終演。「すぐに家に、ホテルに帰るんだよ!」と客席に語り、互いの安全を確認しながら、客席に手を振り3バンドはステージを去っていっ
た。
約3時間半、3バンドによる熱いライブの三つ巴は、今のライブシーンへの希望や互いのバンドへのリスペクトが込められた、特別な1夜となったのでした。
((写真は THE ORAL CIGARETTES公式Twitter、公式Instagram、山中拓也公式Instagram、ONAKAMA 2021 公式Twitterなどから))
この日のセットリスト
01, 容姿端麗な嘘
02, 狂乱 Hey Kids!!
03, Dream In Drive
04, Dream In Drive (2回目)
05, リコリス
06, トナリアウ
07, ワガママで誤魔化さないで
08, カンタンナコト
09, BLACK MEMORY
10, ReI feat. GEN & 田辺駿一
ライブを終えて…
ライブを終えたとき、思えばステージのバンドの姿だけじゃなくて、この日は客席の様子を見るタイミングが多かったなと思っていて。
これって、この日の客席がステージサイトだから、アリーナやスタンド全体を見渡せたっての理由の一つなんだけど、自分の中では、一人ひとりの今が重なるから、ライブって成り立つんだよな… ということを、ふと感じていたわけで。
「みんなと生きてまた会える、それがライブなんじゃないか」という、ブルエンの時のMCを聴いた時に、自分もハッとしたわけだった。どこか、生で音楽が鳴り響いて、それを浴びることに面白さを覚えていた私は、それ以前の根本的なことをどこか見失っていたのでは、と気付かされたのだ。LIVEって英単語に「生きる」という意味があるように、生と生が共鳴することに、今ライブの価値ってあるんじゃないかな、と思えたのだ。
それこそ、イベント制限前の城ホを何度も観てきたから、それを感じるんだけど、アリーナスタンディングでもみくちゃになる景色を見たり、1万人の客席から音楽が広がる景色に悪感を覚えたり、どれもこれも素敵なものだった。だけど、今それができなくなった中で、残ったものは、全てがマイナスなわけじゃないんだよな、とやっと受け止めることができた気がします。
既存の価値が流し去ってしまったから、全ての本質がそこには残った。それが、ライブが行われる良さだったり、音楽が心の拠り所であり続ける意味なのかなと思っている。
事実、このライブが始まる前は、序盤にも書いたように、モッシュ&ダイブが当然のようなバンドだから、この日の景色が一体何になるんだろう?という疑問でいっぱいだった。
だけど、それでなきゃライブじゃない、というのは違うし、やはりどんな形で合っても、いい音楽がステージで鳴っていて、客席には人がいる。そこで思いと思いがぶつかり合う。この日だったら、客席の中にある楽しみと不安が、ステージ上のロック・ミュージックとぶつかって、景色が生まれたわけなんだけど、その瞬間に「生」が存在するんだよな、とこの日のライブを観ていたら、確かに感じることができたわけで。
ステージで鳴り響いていた希望だとか、今ある事態だとか、全ては確かに現実なんだけど、その現実をどう受け止めてどう今を生きていくのか? 「生」というものを、誰よりも確かに目の当たりにしている今だからこそ、この日のライブってとても意味のある… 言葉が正しいのか自信はないけど、確かさや間違いのない今をそこに刻んでいたんだろなと、思うのでした。
あと、この日どうしても行きたかったのは、この日実は約束してたことがあったからだった。本当は、友達と一緒に行こうと思って、チケットを2枚とっていた。だけど、緊急事態宣言が出た中で、その友達は移動や全体的なことを考えて行くのを見送ることとなって。結果、リセールに出して、私1人だけがこの日大阪に行ったわけなんだけども。
その友達が選んだ「行かない」という選択は、確かに正しいものだった気がする。だけど、それなりの対策を施しながら「行く」という選択をしたこの日の客席も、正しいことなのではと思うわけで。
これから、また会場の安全だとか、ライブシーンが復興していく中で、「行く」という選択を肯定できる状況が、少しでも生まれていけばいいのになと、どこかで思うのです。
大阪の夜は、この日は手拍子とジャンプで反応する客席で、ちゃんとルールを守りながら楽しむ人で溢れていた。もちらん、ちゃんと客席との距離を取る形で。
これが「正しい」という結論が出るのは、まだまだ先の話だけれど、きっと新しい希望が始まるのは、ライブを観ていたらわかることだった。少なくとも、私はそれを信じていたい。
そんなことを思いながら、思い出深い大阪城ホールでの思い出を、私の頭の中のアルバムの新たなページに刻んだのでした。
この日の大阪城は、とても綺麗でした。
美しい月も相まって、幻想的で、確かに凛としていて。大学生として城ホに行けるのは、この日がラストだったから、どうしても大阪城の景色を目に焼き付けたくて、終演後少しだけ大阪城の様子を眺めてきました(本当は電車の緩和を待ちたかったためで。その後は空いた電車に乗ってホテルに戻りました)。
なんか… 4年間色々あったな…
涙が出てきそうでした。
今の時期、眼を擦ることはよろしいことではないので、眼をパチパチさせながら、まるでシャッターを切るかのように、その日の大阪の街を目に刻んだのでした。
#Shiba的ライブレポ 2021年1発目でした。
今回も、最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!
もし読んでいて「面白いな」とか思ってもらえたら、TwitterやらInstagramやらなんかで記事の拡散なんかしてくれたら嬉しいな、なんて思います。よかったら、noteのいいね&フォローよろしくお願いします!
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