はじめに (私のこと)
幼少期から何故か理由もなく不安と恐怖の感覚が鋭く襲ってきた。
突然に体の中にサイレンが鳴ると心臓は脈打ち、いてもたってもいられない恐怖が身体を覆い尽くした。走ったり歩いたり声を出して恐怖が過ぎ去るのを待つ。
度々起こるようになった。小さな私でもいよいよ自分自身に危険を感じ、親や友達に相談した。けれど誰も私と同じような体験をしていない。
私に起きていることは説明のしようがなかった。
─私はおかしいのだろうか?─そんなふうに思うようになり人に話すことが出来なくなった。
変わらず