水ようかんのおっちゃん

バイト始めて2ヶ月でバイトメンバー全員の先輩になった話をしたい。
今年5月、バイトを始めた。学校帰りに行きやすい場所で、時給高いところないかな〜って調べて見つけた時給1100円〜昇給あり、予約制の寿司と鉄板焼きのなんか凄そうな飲食店。即申し込み、即面接。始めてのバイトの面接で緊張してたのに、とりあえず書くもの書いたら、即採用。何も聞かれず、働く上での事務的な話をされてすぐ帰らされ、次の週からすぐ働くことになった。ちなみに時給は1000円だった。カス。(タンワークは当てにならない、てかそんなこといいのか嘘つきめ。)

ドキドキバイト1日目。キッチンにはおっちゃんが3人、店長が1人、アルバイトは……私1人?いやまあ、予約制のお店だから、仕事は飲み物聞くのと料理運ぶだけ。職場環境はおっちゃん4人にピチピチ19歳の女の子が1人の、一瞬危なさを感じる職場だった。とはいっても、おっちゃんは本気でおっちゃんで、19とはいえ童顔も相まって子供すぎる私は別に想像する最悪なことになることは無かった。といいたい。(後に話す)
4人のおっちゃんのうちの1人が、題名でもある「水ようかんのおっちゃん」この人はバイト先でできた始めての友達。30歳くらい離れた頼りになるおっちゃん。なんで水ようかんのおっちゃんなのかというと、バイト初日に料理で出すデザートの水ようかんをコソッとくれたから。あっ、これこれ、バイト中にコソッと食べるやつ!ってなって興奮した。(以降水ようかんのおっちゃんをようちゃんと呼ぶ。)ようちゃんは、私の面倒をとてもみてくれた。教育係は店長であるが、キッチンからいつも心配して声をかけてくれ、励ましてくれ、面白い話もしてくれた。
とはいえようちゃんだけでなく、4人のおっちゃんみんな優しかった。でも正直、顔で得をしてると思う。というと、何自惚れてるんだって思われるけど、可愛いからではなく、さっきも言ったけど19歳には見えない童顔さ、そして身長。下手すりゃ小学生でも通用するのではないか、と思ってる。(メイクもするし流石にそれは無いが)でも、仕事も80点くらいはこなし、歳の離れたおっちゃんでも普通に楽しく会話できるし、多分好かれてたと思う。だから私は職場環境べりーぐっどのバイトだった。

しかし、話は初めに戻る。
Q.なぜ私がバイトを始めて2ヶ月で先輩になったのか。
A.他全員辞めたから。

金土日は忙しいからバイトが2人になることがおおく、私は金土日全部入ってたので、結構みんなと絡むことがあった。
1人はインターンが始まるから、また1人は留学生で、国に帰るから。学生の理由はこんな感じで、他にも主婦の方などもいた。もう何年も働いていて、毎日ランチタイムに入ってるようなパートのおばちゃん達。全員だから、その人達も辞めた。
その理由は、なんと職場環境だったのである……。

店長を抜いて、キッチンのおっちゃんは3人。私対おっちゃん×3は良好な関係であったが、実はおっちゃん同士は三権分立状態であった。仲が悪いのは分かっていた。おっちゃんA(以降、オトウサンと呼ぶ)はようちゃんの悪口。またおっちゃんB(以降、海鮮巻きのおっちゃん、略してまきちゃんと呼ぶ。命名理由はようちゃんと同様)はオトウサンの悪口。ようちゃんは悪口を言わない。だから好きなのであるが、正直、最悪な環境であったのかもしれない。でも私からすると、おっちゃんらが揉めてようと、私に害はないし、なんならおっちゃん同士で私が誰担につくかで争って、めちゃくちゃ優しくしてくれるし、まあええかって感じだった。でも主婦の人達は長年働いてるのもあり、誰担か決まっていて(まあほとんど皆ようちゃん担だが)キッチンのおっちゃんと喧嘩することが多かったようで、堪忍袋の緒が切れて、全員辞めることになった。
そうなると、まあ大変。バイトがいないから回せない。店を閉める日も多々。バタバタと倒れていき、店長、オトウサン、まきちゃんも辞め、遂にようちゃんと私だけとなった。

こんな場所ヤバくない…?っていうかお給料入るよね。とか色々心配になってようちゃんに相談。すると東京本部から新たな店長と助っ人が入って、また一から建て直すことになったとのこと。まだどういう形になるか分からないから、とりあえず1回従ってやってみて、あかんかったらまた考えようや。その時は一緒にやめよな。って言われ、ようちゃんんんんん……!!となった。

そして東京から来た人達は、びっくりするほどできる人たちばっかりで、なんなら今までがダメダメだったんだなと思うくらい、しっかりしていて、最高の職場環境だった。今までのは仮初の最高だったんだなと思った。私も長く働いていたら主婦の皆さんみたいになってたんだろう。

そうだ、オトウサンの話を忘れていた。後に話すと言いながら、まとめに入るところだった。
オトウサンときいて、命名理由は?お父さんに似てるのかな?と思ったあなたは不正解。答えはパパ活してる人だったから。これはちょっと違う?オトウサンは真剣に付き合ってるらしいので。でも女の子側はパパ活のパパと思ってるだろう。と、思う。
「男はな、恋多い生き物なんだ。いや男だけじゃない女もだけどな、結婚してそれ以降恋愛しませんなんか、ありえないんだ。」
つまり、プリン🍮推奨派おっちゃんだった。そして付き合ってる女の子はみんな20前半の子。オトウサンはサプライズが好きらしくて、オシャンなコース料理のお店で、お皿の上に可愛らしいプレゼントの箱を乗せて運ばれてくる料理に驚く彼女の動画を数十回見せられた。(同じ動画もだが、別の女の子バージョンでも)
それだけならへー…だが、麻雀の話で盛り上がった時、「麻雀一緒に打とうよ。お昼じゃないよ、夜だよ。」って言われ、LINE交換をせがまれた時、本気でぞわわわわわわわわわってした。でもそこでも助けてくれたのがようちゃんだったのである……!!!
話せばオトウサンエピソードもようちゃんエピソードももっと沢山あるが、キリがないのでこの辺で。

と、まあ話はそれだが東京本部からの助っ人のおかげで職場は本当の最高、バイトメンバーも増え、お客も増え、順調である。
しかしそんなバイトを私は辞めた。勉強の忙しさや掛け持ちバイト等、辞めることを決断した。
厳密には辞めてなくて、というのも辞めさせて貰えなくて、月一でもいいし、なんならあおᒼᑋªⁿ‪‪❤︎‬今なら働ける!って時になったら連絡くれるとかでもいいから辞めないで、とのことで未だに名簿だけは1番上で残してもらっている。

それでも心残りだったようちゃん。「俺が辞めるまで辞めんなよ!!」って言われてたから。
辞めるか悩んでるという話をした時、「あおᒼᑋªⁿ‪‪❤︎の人生。人生1回限り、後悔しない選択をしないとダメだ」
本気で泣きそうになった。でもLINEはおじさん構文だった。始めてそれが愛くるしかった。

ようちゃん、半年くらい、本当にありがとう。また連絡するから演劇観にきてね✌️
ようちゃんがスプーンと巻物作る時の木の巻くやつ(名前分からない)渡して「これで即興劇やってみろ」っていってやった劇の数億倍いいもの作ってるからね。


P.S. おっちゃんが手出せっていつも握った寿司私に渡してくるから食うしかなくて、いやくっっそ美味かったけど、それのせいで結構太ったっていうのに、お前肥えたか?は怒る。
いや、別にデブちゃうで、ちょっとふっくらしたなって思ったとかいう配慮も要らんねん。

あと、もうひとつ。ようちゃんはイケメンです。イケおじ。



3000字ってなんだ。演劇日記より長いやん。

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