忍殺TRPGリプレイ【チェイス・ユー!】02
前回のあらすじ:ネオサイタマ、ヤガネ・ストリート。実際治安の悪いこの場所では、フリーランスのニンジャチームによる非道なサイバーツジギリが行われていた。だが狙われる側もアウトローの狂人ぞろいだ。危険なカラテジョギングを行うカラテカ・タダイシを、ニンジャが闇から付け狙う!
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「フンフンッ!フンフンッ!フンフンッ!」左拳!右拳!「フンフンッ!フンフンッ!フンフン、イヤーッ!」「「グワーッ!」」タダイシは通りすがりのゴスとプッシャーを殴りつけ、走る!「「アイエエエ狂人!」」タダイシの行く手には、ナード、ヤンク、DJ、別のゴス!このままでは皆殺しだ!
「へへへ……いるじゃねえか、カラテカがよ」タダイシの背後から彼を付け狙うのは、邪悪なモヒカンニンジャ・デッドリーチェイサーだ。彼の持つセスタスガンは、殴りつけると自動で火薬機構が働きゼロ距離射撃を食らわせて殺す非道な武器である。これでカラテカを殺せばボーナスがつくのだ!
戦闘継続
マップ
3ターン目
「ドーモ、そこのあんた」タダイシは背後からの声に振り向いた。そこにはモヒカン頭で筋骨隆々の、異様な男が立っていた。「殴らせてくれよ。俺はデッドリーチェイサーだ」礼節!「ドーモ、タダイシです。俺の木人になりたいとは殊勝な心がけだ!」タダイシはアイサツを返し、殴りかかった!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」タダイシの左右の正拳を見切り、両腕を繰り出す!クロスカウンターだ!SMAASH!「グワーッ!?」さらに手首の火薬機構が作動し、銃口からゼロ距離射撃を放つ!カブーン!「アバーッ!」ナ、ナムサン!タダイシの顔がマグナムで撃たれたように破砕され即死!
ムゴイ!タダイシは実際横暴であった、だが考えて頂きたい。ここまでされる謂れは「グワーッ!?」デッドリーチェイサーは衝撃力によろめき、たたらを踏んだ。やはり所詮は試作品、殴り方を間違えればこちらの手首もオタッシャ重点だ。そこらのモータルなら反動だけでくたばりかねない。
「クソッタレ!だがカラテカを殺したぜ!」デッドリーチェイサーは写真を撮影し、IRC端末で送信した。『よかったですね。もう一人ぐらい殺して下さい』「OK!」邪悪なニンジャは血に飢えている!「「「アイエエエ!?今度はニンジャ!?ニンジャナンデ!?」」」ナードたちは逃げ出す!
だが逃げようとした先には別の人影!「イヤーッ!」「アバーッ!」ゴスの眉間にスリケンが突き刺さり即死!ストリークはコバヤシノからの通信を受け、とりあえず他のニンジャの仕事のサポートにあたることにしたのだ。これで標的たちが逃げることは不可能!「「「アイエエエ!」」」無慈悲!
ストリートにいるのは、ナード、ヤンク、DJ。みな成人男性だがナヨナヨしている。セスタスガンで殴り殺せば1人につき万札3。しかしこの様子では3人殴り殺すのが限界だ。「カラテカで5、こいつらを3人で9。まあまあの稼ぎにはなるな」デッドリーチェイサーは邪悪に目を細めた。
◆
一方、南側のノビドメ・シェード。運河を見下ろす高層ビルの屋上に、スナイパースリケン・カタパルトを手にした女ニンジャ・マッドガンナーがエントリーした。「ヒートリー、コマキタネー」「……アカチャン!」「ミスージノ、イトニー」オレンジの光が揺れる黒い水面が遥か下に視える。
反響する広告音声のゼンめいた不思議な調和。ノビドメ・シェードの美しく貪婪な夜景を産業ビルの屋上から一望するが、驚くほどに心は動かない。「アカチャン……」「オッキクネー」「バリキトカ!」光のさざ波は遠い世界めいており、広告音声は油断ならぬサンズ・リバーの呼び声めいている。
マッドガンナーはスナイパースリケン投擲用のガントレットを黙々と装着する。コバヤシノからIRC連絡。『スタンバイ確認。屋形船から降りてくるホロヨイ・サラリマンを、そこからスリケンで狙撃して適当に殺してください』「これ、暗殺?」『実際グレーですね』「グレーなんてものは無いね」
女ニンジャは邪悪に笑う。彼女は最も収入が見込めそうな武器を真っ先に選んだのだ。「暗殺なら完全に違う料金体系でいただくわ。ケチはダメよ」『まあそれは取り越し苦労というもので、貴女そんな狙撃なんてたいして経験無いでしょ。投げまくって誰か一人でも殺してください』「シツレイね」
『使い易いですよ』「ここからサラリマンを殺すのはいいとして、写真撮影は?」『降りて行って近くで撮影して下さい』「ここから撮影可能よ。通行人もいるし」『貴女はニンジャでしょう?皆殺しにして下さい』「危険手当請求!」『わかりました。報酬にご期待下さい』通信終了。「ファック!」
あまりゴネても面倒だが、言うだけは言った。それに実際この武器に興味もある。彼女は屋上の縁に寝そべり、腕先を伸ばして固定した。ガントレットに埋め込まれたホイールを高速回転させ、スリケンを挟み込む。
何度か試し撃ちをしてバランスを確かめると、彼女は屋形船から降りて来た罪なきホロヨイ・サラリマンを狙った。「だいたい覚えたわ」ギュン!加速機構によって驚くべき勢いで射出されたスリケンが、遥か先のサラリマンに着弾した。「アバーッ!」即死!「アイエエエ!?」もう一人が絶叫!
4-6ターン目
「TAKE THIS!」ギュン!「アバーッ!」もう一人のサラリマンも脳天をスリケンに撃ち抜かれ即死!「「「アイエエエ!?」」」通行人たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ惑い、あるいは腰を抜かす!『ナイスショットです。目撃者も皆殺しでボーナス重点』「アイアイ」マッドガンナーは頷く。
マッドガンナーは無慈悲に通行人を射殺していく。ヤガネ・ストリートではストリークとデッドリーチェイサーが無慈悲にモータルたちを殺戮していく。おお、ナムアミダブツ……これも古事記に予言されたマッポーの一側面なのか!しかし、その時!「「イヤーッ!」」何者が屋上にエントリー!
???
ナムサン、ニンジャだ!それも2人!「ドーモ。俺はタケダチック・アガキ社のエージェント、バズキルです」彼は短いダガーナイフを抜いた。歯科医めいたモーター音が鳴る。刃が高速震動しているのだ。「曲者め!」
◆バズキル(種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 4
ニューロン 2 精神力 3
ワザマエ 2 脚力 2/N
ジツ 0 万札 5
攻撃/射撃/機先/電脳 3/ 2/ 2/ 2
回避/精密/側転/発動 3/ 2/ 2/ -
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
◆高速震動ダガー:近接テック武器、ダメージ2
◇ジツやスキル
◉忠誠心:タケダチック・アガキ社 体力と精神力+1
能力値合計:7
「ドーモ、エレクトリックイールです」彼の右手首から先は金属ロープになっており、鉤と思えた先端部はサイバネアームであった。「ヤナマンチ社の走狗か? 弊社のサラリマンを2人も暗殺するとは大胆不敵!」
◆エレクトリックイール(種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 5
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 5 脚力 3/N
ジツ 0 万札 5
攻撃/射撃/機先/電脳 6/ 5/ 3/ 4
回避/精密/側転/発動 6/ 5/ 5/ -
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品
▶生体LAN端子LV1:ニューロン+2、イニシアチブ+1
▶▶テッコLV2:カラテと回避+2
▷▷内蔵型電磁ワイヤーウィップ:ムチ、ダメージ1+電磁1 拘束攻撃可能
●過剰サイバネ(5個):精神力-1
◇ジツやスキル
◉忠誠心:タケダチック・アガキ社 体力と精神力+1
能力値合計:11
「チッ……ドーモ、マッドガンナーです」彼女はニンジャの掟に従い、アイサツを返す。ウカツにも狙撃地点にとどまりすぎ、殺し過ぎたのだ。サラリマンの死体はサイバネアイで遠距離から撮影し、コバヤシノに送信してはいるが……彼らの追跡から逃げ延びねばならない!一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
【続く】
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