ドラスタルの魔騎
バオオオオオオン!
轟音。石畳の街道を、鉄馬が駆ける。黒く巨大な殺人バイクだ。
腕を組み、傲然と騎乗するは虹色モヒカンの巨漢。周囲に超自然の風を纏い、両眼をギラギラと輝かす。
「ヒャッハ!ヒャッハ!」
奇妙な掛け声をあげる主人を乗せ、鉄騎は猛然と進む。呪文だ。異界由来の蛮族ボウソウィに伝わる禁忌の魔術。巨漢がおもむろに両腕を広げるや、その背後に数十の鉄騎兵が出現する。隠匿の術だ。
「き、来たァ!」
部隊が向かうは鉄の門。柵が設けられ、槍や盾、弩や弓で武装した兵たちが待ち構える。
「射掛けい!」
関所の長が命じ、弩が放たれる。矢は逸れ、当たらぬ!
「ヒャッハ!ヒャッハ!」
巨漢は呪文を叫びながら、意にも介さず突き進む! 鉄騎隊が続く! 柵と陣営を蹂躙!
「ひいィッ?!」「ば、ばけもんだ!」
兵士らは算を乱し潰走!
「怯むな!囲め! あやつらを通らせるな!」
GWAAAAAAAN!!
鉄騎が門に激突! 凄まじい音と共に閂が砕ける!
【続く】
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