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加齢と動脈硬化と野生のチカラ

83歳の母が脚の付け根の血管が詰まり
閉塞性動脈硬化の手術をしてから半年が過ぎた。

ある日急に足が前に出なくなってしまったのだ。  

「脳が指令を出しているのに足が前に出ないって、
金縛りの時みたいに頭は動いてるのに
身体が動かないってこと?」なんて聞いたら
抽象的すぎる質問で理解されなかったが。  

母は最愛の肉親だった姉を失った後
悲しみの中、精神的にぼろぼろで外に出れず、
一年ほどソファの上で起きたり寝たりが
中心の生活を送っていたら
弱い方の脚の筋肉が完全に落ちてしまい
大腿骨が見えるほどで
足が痺れたり
だるくなって長く歩けなくなっていって
そういえば指先が紫になってはいたの気づいていたが
もともと血管が細いと言われたことがあったなぁなどと思ったりしていたある日。久しぶりに外に出かけて道の途中から急に全く足が前に出なくなってみて、初めて事の深刻さに気づいたということだった。  

手術は良い方の脚の付け根の血管から柔らかい長い管、いわゆるカテーテルと呼ばれているものを入れて詰まりを取り除く方法だそうだ。

身体に少しでもメスを入れる時点で
完全に「手術」だと素人は思うのだが
病院の医師や看護師は
まるで箝口令でも敷かれているかのように
わたしが会話の中で「手術」と言うと
「あ、「治療」ですよね?」と言い直させるのが、すごく不自然で不思議に思った。  

後から感じたのは
このカテーテル手術を受ける患者さんは
一度受けるとその後もまた詰まって受けることが多いらしい。
「手術」という言葉が重くて精神的に軽くしようという意図もありそうだ。  

しかしながら医師側も患者が少しでも術後に
違和感を訴えようものなら、
まだ術後3カ月しか経ってないのに
満面の笑みで
「またカテーテル治療しましょうか🎵」と
言ってきたりして親子でそのノリの軽さに面食らったのをおぼえている。  

気をつけなくてはいけないのは、血管が詰まらないように血液サラサラにする薬は血が止まりづらくなったり、血管自体を柔らかくしてしまうこと。ということは管を入れて詰まりを開通させることが安全ではない人もいるかもしれない。

術後、 母は完全復活にはまだ遠いが
以前にも増して自分の身体に興味を持つようになり
今の自分の身体と心に向き合えている。  

あまりに普通にうれしそうにニコニコしながら
まるで季節のおすすめを勧めてくるスタバの人みたいに手術を勧めてくる若い医師に、元熟練看護師長の血が騒いだらしい。  

信頼していたのに
同じ側の人間だと思ってたのに
裏切ったな、若造!みたいな感じだったらしい笑  

病院の内情やらにも精通してるから
ムクムクと昔とった杵柄が、
「も〜かなしい〜誰かなんとかしてぇ〜〜」と弱々しく
なっていた彼女の野生を呼び覚ましたのか。  

というわけで現在は薬を飲みながら
様子を見てる状態。  

心配もあるし
母の年齢的にも私も悔いが残らないよう、
でも本来の母のチカラがまた出せるよう
出過ぎない程度に手伝うこともある。  

どっちがあたま?逆風フリコ


そんなある日、わたしも左脚に違和感。
比較的筋肉の少ない方の太ももの中あたり。  

思えば妊娠時に
お腹が大きくなればなるほど
脚の付け根が痛くなったし
お酒を定量以上飲むと
脚の付け根が心臓になったみたいに
拍動して痛んだ。
献血の時も普通の人より血管が細くて
時間がかかったんだっけ。  

遺伝子って精密だ。  

両親の体調から
将来気をつけた方がいい病気を知る。
ある程度の予防策も知れる。

身体を張って教えてくれてる
両親とご先祖さま、ありがとう。  

いっそのこと妊娠時に遺伝子検査をして母子手帳にデータを書き込むようにすれば、気をつけたいリスクが早めにわかり健康に意識を向けることが当たり前に小さい頃から出来ているのがデフォルトになる。

ポジティブな側面ではそれを基に仕事選びなどにしても効果的に能力を発揮しやすかったりするようになったり。

もちろん、遺伝子検査がどんどんハードルが低くなりつつあるから、これからが楽しみである。

太ももの筋肉というのは
加齢ごとに落ちて行くが
「下肢の血流を心臓にもどす大切な役割を目担う筋肉」なのだそうだが、年をとると筋肉を作りづらいのも
事実。食欲が落ちるからたくさんも食べられない。  

現在、母は投薬を続けながら自身のモットーである「医食同源」を実践している。なるべく旬のものを摂取すると心身共に歓ぶそうだ。 また筋肉をつくるタンパク質を運動後に意識的に摂取している。

また、膝を曲げる筋トレは一般的な高齢者には
逆に膝を痛めて歩けなくなるから
仰向けで寝た状態で空中で太腿に少しチカラを入れながら膝を屈伸するのが
いいようだ。  

わたしも母の工夫して健康を獲得していく様子を見習って
今から母の年齢である30年後を見据えた
うすら筋肉は備えていようと
映画を観ながらコツコツと
プチ筋トレしたり
意識的に階段を使ったり
効果的に食べものとその食べるタイミングなどを
選んだりして、元気なおばあちゃんを目指したい。

ありがとうございます(*Ü*)*.¸¸♪