『パパと結婚しよう』
短いラジオドラマ用台本ですが、ボツ。
登場人物
・パパ
・女子大生 18歳
女子:子供できちゃうよ…
パパ:子供できたら一緒に育てよう
女子:パパはもう子供いるでしょ、たいきくん
パパ:ああ
女子:パパとあたしの子供って、なんか変
パパ:面白いじゃん
女子:いや、その逆だよ
パパ:ン?
女子:パパがパパになっちゃう
パパ:同じパパだよ、
呼び方変わらずでいいと思うけど
女子:いや、私の認識の中で重要な変化がおこる
の、わたしはパパが好きなだけだから
パパ:ああ、俺も好きだよ
女子:違う、もう現代思想が何にも役立ってない
パパ:え?
女子:わたしは、パパって呼べる関係性がすき
なの、つまりね、「ママ」と「パパ」で
シニフィエに違いがあるの、
だから、ママには母って意味しかない
けど、パパには父以外の危険な響きが
つく場合があるでしょ
パパ:その場合だよね、俺たち
女子:子供ができたら、
そのシニフィエが制限されちゃうと思う
パパ:その差は、
ママ活が浸透したら変わるはずだよ
女子:そうだけど、今の話をしてるの、
あたしはね、
子供ができたら削ぎ落されちゃう
シニフィエに永遠を感じてる
パパ:飛躍してるよ
女子:わたしの性癖かもしれない、
そうじゃなきゃ、こんなオヤジ。
パパ:私は贈与してるだろう、この前
旅行行った時も、お前に免税店で
ディオールを沢山買った、
あと一旦この話やめよう
女子:確かに、私も色々利用してるよ、
お金とか、知性的な部分?でも
パパ:俺は利用してない
女子:よくいえるね
パパ:結婚しよう
女子:え?
パパ:前から思ってた。ほら、これ
女子:ゼクシィ買ったの?
パパ:今日来る途中に買った
女子:だって奥さん
パパ:俺本気だから、今実は離婚協議してるから
女子:え、本気
パパ:結婚してもしなくても幸せになれる
この時代に、私は、
あなたと結婚したいのです
女子:急に何?
パパ:これ、そのゼクシィの表紙に書いてある
女子:ほんとだ、でも、問題は解決しないよ、
関係性が整理されたら、今までの関係は
続けられない、
さっきも言ったけど、
デリダとシックスナインが私の性癖
パパ:わかった、
お互いまだ疑問点が残るなら、
俺が刺青を掘るよ
女子:なんでそうなるの
パパ:ただの刺青じゃない、
手首にキティ―ちゃん
女子:それでふたりの問題点を止揚できるの?
パパ:零れ落ちていった「パパ」を
補えたらよいだろう
私たちが哲学談義をするとき、ちらと、
僕の手首からキティちゃんがみえたら、
君は興奮するはずだよ
女子:たしかに
パパ:大学教授が君だけのために
手首の裏にキティ―ちゃんを備えている、
ドンキにはいかないタワーマンションの
上層階の男がだよ
女子:それすきかも
パパ:それに、
手首にキティ―ちゃんの刺青が入った
男に完璧なパパのイメージはつかない。
勝俣州和が短パンなせいで一生、
ベストファーザー賞を貰えないようにね
女子:村上春樹みたい笑
パパ:どれが?
女子:『風の歌を聴け』
パパ&女子:フフフ
女子:続きしよ
パパ:いいよ
女子:あっ待って、電気暗くして、
パパ:…やだ笑、
女子:あ、あと!!
パパ:なに?
女子:クロミがいいかな
パパ:そう?
女子:うん、
キティより自発的な感じがしなくていい
パパ:ついでに
みんなのたあ坊とかもいれちゃう?
女子:あたしのためのたあ坊なのに?笑
パパ:勃起したらみえるように、
玉袋が最適だとおもうけど
女子:アリ♪でも痛いよ多分
パパ:それは痛みも伴うよ
みんなのモノを独り占めするんだから
女子:痛みを伴う改革だっけ
パパ:よく知ってるねそんなこと
女子:きいたことあった
パパ:そんなことはいいから続きしよう
オイラのちん坊が元気ないよ、ほら!
女子:キモ
(終)
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