創作、今まで、お笑いと戯曲

　詩、戯曲、小説について、自由にやっていいという授業があって、春学期から履修しています。詩は提出しても、自分の能力のなさから、逃げの詩しかかけないことに気付いたので、やめました。心機一転、もう一回やろうと思ったけれど、朗読の授業で、作品発表した黒一色でオシャレな女の人が「私は、常に詩があふれてくる」とか「私は詩を音楽として作っている」だとか「全身が詩」だとかまじめに言ってて、ああ、やっぱりやだなあと思いました。リアル芥川賞作家も履修しているので、彼女ぐらいなら言ってもいいと思います。いや、サカナクションの山口一郎もこんな感じのこと平気でいってて、流せなかったのでやっぱりだめです。小説も同じことになるだろうと思っています。自分の文章でも、「本を30～40冊読んだ人の文章」の感が非常に気持ち悪くなったりします。全く読んでないひとの文ではないからなおさらキモイ。一回戯曲を書きました。戯曲はなぜかそういうことをあまり思わず作れます。実際にあったホモソーシャルなノリをリアルに描写したら、不条理演劇として昇華できるのではないかという算段のもとです。不条理性やフィクションを増すために、後半、警官の恰好をしたビートたけしが銃で全員撃ち殺し、フォレストガンプを批判します(ビートたけしが北野武であったということは明白である)。沈黙劇にはしませんでした。自分の中で、お笑いは芸術ではないと思っているので、コメディにかなり寄っていますが、戯曲だと思っています。この戯曲を提出期限をかなり遅れて提出したら、3か月無視され、今日、由緒ある劇作家に評価してもらえるっぽい連絡がきました。多分流されると思います。やんわり否定されると思います。例によって傷つくとおもいます。

　コントや漫才もたまにやるんですが、サークルのデビューライブは17，8組ぐらいいて、4位くらいでした。高校のネタを相方にみせたら、とても笑ってくれて、結果もまずまずでした。でも、大学に入ってから作ったネタは相方は一度も笑ってくれないどころか、ライブでも最下位を連発していました。70、80人観客がいて0票(3組まで投票できるのに)を取ったり、3組の対決ライブで、3番手の僕らしかみていない人の一票のみで最下位とったり、でした。そのあとは大体缶ビールを買ってうなだれて帰ります。ゆっくりとネタをする側からフェードアウトしていきました。これが1年の頃。このころはセックスばかりしていました。2年に上がり、コロナで家を出られなくなり、目覚めたかのように映画を見て年間で550本くらいみたと思います。その後に作るネタは明らかに過去とは異質なものになっていました。1つのネタに10個も20個も引用をするようになりました。少しだけ妥協点がみつかった感じです。それまでは、お笑いの見過ぎで、悉くベタを嫌ってシュールな作品になっていましたが、ベタは嫌いのまま、シュールも嫌という倒錯した感情がやってきて、一周回ってポップに突き抜けたいと思うようになりました。そう思ってから、永野が好きになりました。その後でたライブは2回あって、初めてコントをやりましたが、初出場で1位を取り、2回目は最下位でした。前者の1位のおかげで、「才能なし」から、「振れ幅がすごい」と言ってもらえるようになりました。とはいいつつ、「前者はコントの中で漫才をする」というメタ(一応大義名分のもと形式がそうなっただけですが)なので、逃げといわれたらぐうの音もでないですが。

　秋学期から大衆喜劇の対応もしてくれるとのことです。評価してくれる先生が「浅草の演芸場で…」なんて言うと、浅草キッドですが、おぼんこぼんですが、フランス座改め東洋館ではなく、浅草の小さな演芸場のひとです。私のネタを評価してくれるんでしょうか。漫才でもコントでもいいとか言われたけどさ…「小説、詩、戯曲、歌詞、大衆演劇」って並んでて、大衆喜劇など選ばないよね普通。ほかの分野のスラックは40～50人ぐらいいますが、そこだけ私含めて6人です。やる気が出てきました。表現したい慶應生は沢山いて、その考えを芸術だと認めてもらいたいひとはこんなにもいるんですね。私も依然それは残っています。私はいろいろやってきましたが、お笑いしかできないみたいです。「お笑いやるなら尊敬されてはいけない」というお笑いへの視点が昭和のジャズ喫茶おじさん(Youtubeで昔見た、昔やってたタモリのジャズ番組で林家正蔵が「コルトレーンしか許さんですね。」みたいなこといっててウザい)ぐらい頑なです。パンサーなら尾形が一番「粋」で、向井は「野暮」になりますね。なのに、きづけば向井みたいになって、尾形やあばれる君や狩野英孝にはなれません。どぶろっくにもなれません。自分の理念にやられてしまいます。ジェラードン―5GAP主義なんていうのがよくないですね。

　とりあえず、半年くらい温めていた、「SMプレイをしていたら、鞭の音がリズミカルなためにだんだんYMOのライディーンになってしまう」ネタをどこかでやらせて下さい。場合によってはすぐ諦めつくので。そのために、シンセサイザー奏者募集です。YMO弾ければ大丈夫です。なければ私がパンイチでサックス吹きます。