帰巣
倒木は空を見つめている
地上の影を振りはらいながら
山のにおいを嗅ぎにいく
ここから帰れる気がしない
そう思い続けて
ぶら下がった香辛料が大きく見えるのは
酔いのせいだっただろうか
手と指を広げて
呼び込むざわめき
空中で舞う蝶の軌道
は胸の中
メキシコ料理屋のでこぼこした壁が
ゆらゆら迫ってきて
瞼が重くなる
どこからか
火の粉の欠片が飛んでくる気がした
倒木は空を見つめている
地上の影を振りはらいながら
山のにおいを嗅ぎにいく
ここから帰れる気がしない
そう思い続けて
ぶら下がった香辛料が大きく見えるのは
酔いのせいだっただろうか
手と指を広げて
呼び込むざわめき
空中で舞う蝶の軌道
は胸の中
メキシコ料理屋のでこぼこした壁が
ゆらゆら迫ってきて
瞼が重くなる
どこからか
火の粉の欠片が飛んでくる気がした