短詩の風

緞帳から囁きを奪って
森の迂回路が生き始める
残された者の
残された星を見上げる速度を確かめてから
私は角砂糖を割る
かちあう前の音で森に投げ返す
(2018.2.25)

 

航空障害灯の点滅で散らばった呼吸を集めていく
数秒前に窃視した好意を
そのまま、そうしてそのまま
夜の底で並び替えた
隣り合うカードには手を伏せて
欠けていく糸だけがいつも優しい
(2019.2.23)

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