ダンスホール

ダンスホールの円環が
見えない煙を形作っている
誰が消えていなくなったか気付かない
しるしを踏んでひと回りした私

平行夜空に埋められたあかり
星を線で浴びて
蒼い渇きが身体の中を撫でる
反対へ回って また壁にぶつかる
ここは船着き場

汽笛の代わりに時間が鳴るよ
ステップが水面をさばいて微笑む方角を
誰も見てはいないのだろう

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