石油、ときどき水

歩幅をゆるめたところから
花が散り始めて
交わす約束は銅板になった
雨の日に、葉の匂いを強める植物と
部屋で場所をゆずり合う

緩やかに水は流れ 横に
底をまだらに残した湖が
わたしたちの足音を溜めていた

手紙が届くまで
眠る夜のあいまで雨が守る
匂いが届く頃
伝えに来る声が過去を洗う頃
手のひらの静脈に波が打ち寄せる

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