十二月の橋を渡る

交互に眠る寝台が時間を止める
カーテンの隙間からさす光が
冬の鳴き声を拾う
あれはよくやってくる猫だった
去る季節の流れの中で
散歩する尾

マフラーをきつく締め直す
空気をのこさないよう
念を入れて
薬缶で湯を沸かす時間だけ休める朝方には
躰をたたんでいる

電車が一気に停車し
ドアが開く
ひらいた扉が作るうつろな道は
ホームを幾つも跨ぎ
光の道筋をしるし……

横断します
初めて降りる駅の懐かしい線路
ようやく
朝焼けの中に出ていく

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