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義母色の強い実家で
この2か月半前に聞いたことで、ときどきモヤモヤすることがあって、
義母さんとのことで、学んだことや気づきなどをシェアしなさい
ということなのかなと思って、今回も書くことにします。
前回書いたnoteです。
***
夫の家族との付き合いは、私がイギリスに移住した2003年にはじまりました。
移住する前にも数回会ったことがあったんですが、そのときには特に気づかなかったことが、段々とわかってきました。
すぐ気づいたのは、実家の雰囲気が義母色が強いなーと。
義父との長年の結婚生活の中で、大変なこともたくさんあったようで、夫婦にしかわからないこともたくさんあったと思います。
義父も義父なりに頑固なところがあるらしく、義母は「こうしたらいいのに。。」と思うことでも、頑なに自分のやり方でやって、たくさん失敗したり(仕事面のことで)、そのせいで生活が厳しかったり、義母にとってもかなり精神的に負担になってたようです。
義母が大きな病気をしたときにも、手伝ってもらえなかったとか、義母が義父に抱いていた長年の積み重ねの不満は、相当な量でした。
それで、義母が義父に小言を言うのが、日常的になっていました。
夫や夫の兄弟たちも、小さいときからそういう環境で育っていたので、慣れっこになっていたというか、免疫力がついていたというか、義母が声を荒げても、全く動じることなくスルーしていました。
そんな環境に不慣れだった私は、義母が義父に対して声を荒げるたび、身体がキュッとこわばって、心臓がバクバクになっていました。
しかも、実家に行くたび、毎回のことで、声を荒げるのは1回や2回ではないんです。
子供たちの前で怒られるのも恥ずかしいと思いますが、孫がいる前でもです。
家族みんなが集まる場で、怒っている人がいると嫌ですよね。
家族みんなの前で、周りかまわずにキーキー言ったり、旦那さんを𠮟りつけたり、しかも毎回毎回のことだったので、「義母の精神は正常ではない」と思いました。
なので、家族の集まりに参加するのが苦痛でした。
集まるたびにもちろんみんなで食事もするわけで、料理が大嫌いな義母が無理して料理しているのもわかったし、キッチンでキーキー言いながら1人でせかせかと動いているのが、見ていてもかなり居心地が悪くなりました。
私が来た当初は、義母が1人でキッチンでキーキー言いながら料理しているのに、他のみんなはリビングルームのソファーに座って雑談したり、テレビ見たりしているのが信じられなくて、夫に
「ねー。誰も手伝わないの?お母さん1人で大変そうだよ。」
と、言って、私がキッチンに入って
「手伝いましょうか?」
と言ったり、はじめのころは「ううん。大丈夫。」と断られていたのが、少しずつ手伝わせてもらえるようになって、夫と手伝うようになりました。
でも何をするにも、義母のやり方があったので、その度に確認しながらやっていました。義母のキッチンなので、義母のやり方を尊重したかったし。
「料理をするのに何の意味があるの?野菜の皮をひとつひとつむいて、切って、煮込んだり、って時間がかかるのに、特に〇〇(義父のこと)はペロっと短時間で食べちゃうし。」
ということもよく言っていました。
食べるのが好きではなくて、しかもストレスを抱えるとご飯を食べなくなる拒食症気味の義母だったので、体力も使って時間をかけて料理する意味が見いだせないようでした。
それなのに、家族の集まりがひんぱんにあって、少し矛盾してもいました。
料理がそれほど負担だったら、料理をしないで、できあいのもので済ませたり、別にご馳走を作らなくてもいいじゃないですか。
でもストレスになりながらでも作るんです。作り終わると疲れ切った表情でぐったりしていたし、そこまでして手作りにこだわらなくても。。と思いました。
いやいやながら料理をした人が作る料理って、悪いなーって思いながら気を使って食べるので、楽しんで食べれないのもストレスを感じました。
何年か経ってからは、家族で集まるたびに、私と夫が中心になって実家で料理をするようにはなりましたが、義母が「2人に料理させて、私は座っているのはフェアじゃない。」と言い張っていたので、時間をかけて説得させるのには相当な時間がかかりました。
***
イギリスに来た当時、まだイギリス英語に慣れていなかった私は、正直家族が話していることについていけないこともよくありました。
イギリス英語独特の表現、そして発音もアメリカ英語とは違っていたし。。
慣れないイギリス英語、慣れない実家のピリピリ、キチキチした独特の雰囲気にかなり戸惑いました。
家族の集まりが多い上に、しかも、超夜型人間な義母の時間帯に合わせてなのか、集まるたびに帰る時間は夜中の1時を過ぎていました。。ときには2時を過ぎることも。
一応私も夜型人間だけど、あんな雰囲気の中で夜遅くまで過ごしたら、精神的にも体力的にも疲れるのは普通だと思うんですが、私だけでしょうか。
毎回、長期戦だったので、私も実家にいる時間を何とか乗り切るために、工夫するようになりました。
なるべくみんなとソファーに座って過ごすようにはしていましたが、飲み物を取りに行くついでや、お手洗いに行くついでに、みんなのところにはすぐ戻らないで、しばらく1人で静かなところにいて、乱れた波動を整えようとしていました。
でも義母の声で
「あれ?Daisyは?」
って、みんなに聞いている声が聞こえたりして、
「何で?トイレに行ってもダメなの?」
って泣きたくなりました。しかも毎回そう言ってた(涙)
それからしばらくして、「あれ?Daisyは?」って言われるのも嫌だったので、なるべくその場から離れないようにみんなとソファーに座って過ごすようにして、精神的に負担を感じはじめたら、眠いふりをするようになりました。それから本当に目をつぶって、誰かに話しかけられたらぱっとすぐに目を開けてまた話に参加したり。。でも、本当に寝てしまうこともありました。
「Daisyまた寝てる!あははは!」
と家族の数人が笑っている声もちゃんと聞こえていたけど、精神的にも肉体的にも疲れているときって、第二か国語の理解力相当落ちるって。
しかも夜中だよ?
疲れすぎているときって、どんな顔をしていいのかもわからなくなるし。。
第二か国語で生活したことがなくて、英語しか話せない家族みんなには、私の立場なんて、これっぽっちもわからないだろうな。
実際に、全く分かってないようでした。
義母は、飲み物は行き渡っているかとか、そういう表向きのことには気が利く人ではあったんですが、家族みんなが集まっている場で、自分が旦那さんに怒鳴ったり、ストレスでキーキーしたり、ぴりぴりしたりすることで、周りに与えてる影響には全く気付かない人でした。
困るのは、周りの人に同意を求めることでした。
今の家に越してくる前のこと。
その前に住んでいた家が早めに売れてしまって、数か月住むところがなくなったことがあって、その間の3か月ちょっと、実家に居候をさせてもらったことがあったんですが(あのときのことはあまりにも精神的に辛すぎて記憶も飛び飛びになっています(笑))、仕事で海外出張が多かった夫は、その実家で居候させてもらった期間も、出張がよく重なって家を空けていることが多くて、その間にも私はかなり困ったことがありました。
義母と義父と3人で家にいたときに、毎回私の前で義母が義父にぐじぐじ小言を言って、突然声を荒げたりして、そして、義母が私に「旦那はこうこうこうなんだけど、あなたはどう思う?」と聞いてきたり、同意を求めたり。。。夫婦二人のことは、2人だけにしかわからないこともたくさんあるし、1人の言い分だけ聞いて、私が口出しすることでもないし、毎回困りました。。しかも義父本人も同じ場にいるわけだし。
***
日常的に体調が思わしくないこともあり、家族で集まる以外には、もともと出かけることがほとんどない義母でしたが、家族以外で会うとしたら、年に1,2回大学時代の友達数人に会ったり、それからむかし行っていたサークルで出逢った友達が車を出して一緒に出かける感じでした。
そのサークルで出逢った友達とも、義母が亡くなる数年前に仲がこじれて、その友達から連絡を絶たれてしまっていましたが。。
義父側の家族とも、折り合いが合わなくなって、会うことを拒んでいたので、自分で創り出した、小さい世界で暮らしていました。
自分の価値観や意見が合わない人のことは、受け入れられなくてすぐにカチっとくる質(たち)だったので、ずっと家で過ごしていました。
他人に言われたことでカチッときても、その場では言えない小心者(小心者って言っていいのか。。)で、自由に自分を表現できる家が居心地がよかったんでしょう。
自分の価値観や意見が合わない人というのは、たとえそれが国民性の違いだったり、文化の違いでもそうでした。
それぞれの国には、その国にむかしから根付いている独特な文化や風習があるじゃないですか。
それさえも、自分のフィルターにかけて、自分の価値観や考えに合わないものは、
「これは信じられないことだ」
とか
「~をするのは間違っている」
などと、理解を示そうとはしませんでした。
国も違えば、言葉も違うし、文化や風習も違う。
そこに、「いい」「悪い」などないと思うんです。
自分と違う価値観や考え方があってもいいじゃないですか。
「私はそうは思わないけど、そういう考え方もあるんだね。」
とか、それでいいじゃないですか。
世の中には白黒で決められないこともたくさんあると思います。
義母は「こうすべき」「こうじゃないといけない」というルールをたくさん持っていて、そのルールに反する人を本人の前ではなくて、陰でとても批判していたので、家族もそのルールに染められていました。
***
それから、被害者意識が強い人でした。
小さいときに、6歳下の妹のことで我慢させられたことにはじまり、結婚してからは旦那さん(つまり私の義父)のせいで人生が台無しになり、
「私は運に恵まれていない」
「私は何をやってもうまくいかない」
と日頃から言う人でした。
いつも周りのせいにしていた。
楽しそうに、幸せそうにしている人を、ひがんでいるようにも見えました。
それとは逆に、大変な思いをしながら苦労をしている人、必死に頑張っている人、可哀そうな人、辛い思いでいる人などへの同情心が強く、そういう人たちに対して、仲間意識を強く抱いていました。
私の夫のことも、仕事が忙しくて大変そうなので、日頃から
「可哀そうな息子」
と言っていたり、
「息子(私の夫)は私に似て運に恵まれてないからねー。」
などとよく口にしていました。
私はそれを聞くたびにとても嫌な気持ちになりました。
「いやいや。一緒にしないでー。」
と思うと同時に、私と結婚して家庭を築いている夫に対して「運に恵まれてない」と思っているなんて、なんて失礼な人なんだろうとも思いました。
***
でも、精神状態が普通ではない人だと思っていたので、自分の中で割り切って考えようとしたり、でも義母の悲痛の叫びを聞いて心も痛みました。
悲観的で、自己否定ばかりしていて、~は大嫌いなど、強い言葉を使ったり、固定概念が強くて。。。
義母がこのままの状態で生きていくのは、あまりにも悲しすぎる。。と思った私は、何度か夫に、
「ねえ。お義母さん、カウンセリング受けたほうがいいと思うよ。」
「家族のみんなは、あのお義母さんの状態に慣れっこになっているけど、正常ではないよ。」
などと言って、義母にカウンセリングを進めるように、促したこともあったんですが(もちろん、私が言ったとは絶対に言わないでと夫に口止めした上で)、義母は聞く耳を持たなかったようです。
義母は、自分は正常だと信じ込んでいたのです。
本人の意思がないと、カウンセリングなど受けられないことになっているらしく、結局カウンセリングを受けることはありませんでした。
(続く)
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