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【将棋】VSCC卵 予選 自戦記

こんにちは!
かなり久しぶりにnoteを稼働します!

ペケ子は現在、VSCC(Vtuber Shogi Challenge Cup)という、
Vtuber将棋初心者大会に参加させて頂いております。
VSCCとは、将棋初心者(基準的には将棋ウォーズ5級以下)のVtuber達16人が集い、将棋を勉強しながら競い合う、という大会になっています。

この大会には将棋の師弟関係のような「アニキ制度」というものがあり、出場者は主にアニキに指導を行ってもらい、将棋を勉強していく形となっています。
今回ペケ子はうーたアニキのご指導の下、この大会を戦っていくことになりました。

そして、9/28(土)、その第1回目の予選があり、私はその第1回目予選の出場者となりました。


・対戦者紹介

お相手は、かにみそさん、検察側の証人さん、ぽめさんでした。


予選はこの4人で総当たり、一番勝った人が準決勝へと進める仕組みとなっています。
組み合わせは事前に発表されていましたが、私自身は非常に厳しい戦いになると感じていました。
そこで、うーたアニキと相談し、相手の戦型を予測し、作戦を立てて戦っていくことにしました。

・VSかにみそさん

ペケ子は後手番でした。
お相手の戦型予測は四間飛車でしたので、四間飛車にはうーたアニキ直伝の「ミレニアム囲い」を用意していました。

予測の通り、四間飛車になりましたので、ミレニアム囲いをしていき、
ご相手の方も、四間飛車からの高美濃囲いに進行。
ほぼ予定通りの形にまでなりました。

手前/ペケ子  向かい/かにみそさん

45手目までに97桂といった手が混じる中、95角→94歩→77角となった局面。
77の地点に桂馬が効いていないのをヨシとみて、
46手目で角飛車交換に乗り出すために86歩と突きます。

桂馬が効いていないので77角成とし、銀と飛車に自身の馬を当てることができます。これが良さそうに見えたのでここで攻めていきました。

上手く攻めていたのですが、62手目の37銀はイマイチで、ここで少し悪くしてしまったなと次の手番で思っていました。
しかし待ったはできません、気持ちを切り替えてしっかり指していきます。

相手の囲いを崩したところで強く飛車で受けられました。
しかし、57角成とし、囲いを崩して飛車を馬の交換ができれば、そこから一気に寄せていけるかなと感じていました。

38の地点にいた銀を金で取り、王手としました。
同玉は48飛打からの詰みがあり、金は取ることができないことは理解してました。
同銀は39銀打、17玉と逃げた際に、35馬と回り込んで寄せれているかなと感じていました。

終局図

本譜は同玉からの48飛打からの詰みで終局となり、
第1戦目は無事に勝利することができました。


・VS検察側の証人さん

ペケ子は後手番でした。
こちらもお相手の戦型予測は四間飛車でしたので、「ミレニアム囲い」で行く予定でいました。

手前/ペケ子  向かい/検察側の証人さん

予測通り、四間飛車となりましたが、お相手の33手目、こちらがミレニアム囲いを組み切る前に、65歩と突いてこられました。
しかしこれにも準備していた手があり、84飛としました。
これは、横効きを生かして受ける手で、64歩には同飛とし、飛車交換をして相手陣に飛車を打ち込む手があります。
ミレニアム囲いは固いので、大駒が手元にあれば、基本的には相手の囲いを崩すのはこちらのほうが早いです。

54手目で79角打とします。
もっと早い段階で見えてればよかったのですが、なかなかこの手が見えませんでした。
14歩を指したり、うーたアニキから損にならない手として24歩という手を教えてもらっていたので、それを先に指して時間の消費を抑えながら、ようやくこの手にたどりつくことができました。

96馬とされてしまいます。
逃げても微妙になること、角2枚あれば高美濃囲いは崩せること、
飛車を1枚渡してもミレニアム囲いを崩すのは難しいと理解していたことから、ここは大人しく飛車角の交換に応じて、同龍としました。

66手目、68歩打ちとしました。
この手は読めていたわけではなく、同龍とした後に見えた手でした。
これで飛車か銀は必ず手に入る状態になります。

83手目、59香と打たれてしまい、かなり固く崩すのが大変だと感じていましたが、ミレニアム囲いのおかげで相手側にも成す術はなく、と金でゆっくり攻めることにしました。

お相手が歩を打ってミスを誘ってきてると感じていましたが、しっかり見切って、隙をついて48龍と入り込むことに成功しました。

終局図

入り込めば角を打ってほぼ詰みに行けると確信していましたので、一気に寄せて勝利することができました。


・VSぽめさん

・対戦までの準備

四間飛車にはミレニアムを以前から用意、練習しており、かなり指し慣れていたので、対四間飛車には大きく状況を悪くすることなく指せていました。

しかしぽめさんは居飛車、棒銀や、振り飛車に対しても、しっかり対策を講じており、更に読みも鋭い方です。
初心者大会と言えど、ほぼ全員の配信を見学し、みんな強いと感じていたのですが、その中でもぽめさんはトップクラスに脅威を感じていました。

そこで、うーたアニキと相談し、ある作戦を立てることにしました。

ぽめさんの得意戦法は棒銀です。
居飛車には必ず棒銀を繰り出してくると考えられましたので、
対棒銀作戦を実行することにしました。

参考にさせてもらった棒銀対策はこちらの宮倉杏(みやくらきょう)さんのnoteになります。

これを元に、何パターンかの指し筋を教えてもらい、そこから個人的に深く研究をしていくことにしました。
実際大会が始まる3日前くらいは、この研究を時間が許す限りほぼずっとしていました。

研究していた棒銀になるパターンは2パターンあり、そこから分岐がそれぞれ4つくらいあるのですが、その40手~50手くらいをある程度暗記していきました。

正直暗記するのは難しいかと思ったのですが、大好きな将棋の手順を暗記するのは苦にはならず、むしろワクワクと楽しい気持ちでいっぱいになって、すごく幸せでした。

また、相手が棒銀してこない可能性を少なくするため、最初は相掛かりで飛車先の歩を交換していく手順を必ず取るようにし、相手に棒銀を指させるよう誘導する手筋で指していくことに決めました。

・実践

ペケ子は後手番でした。
今回の作戦は後手番からする作戦だったので、もし先手番だった場合は端歩を突く等して1手パスする予定でした。

手前/ペケ子  向かい/ぽめさん

18手目まで、予定通り、角道を開けず、相掛かりに誘導していき、飛車先の歩を交換してお互いに銀を上がる形となり、同じ形だと先に銀を上がったほう有利(先手有利)となる状態にし、棒銀へ誘導してきます。

銀が上がってきたところで角道を開けます、これはすべて決めていた手です。
実はここで36銀と上がられると、次にしたい44角が出にくい為、その場合は33桂馬と上がり、銀を一時的に動けなくするところから始めて、真正面から戦う覚悟をしていました。

26銀と上がってこられました。
こうなるとほぼ確実に棒銀対策の2パターンに収まる形となりますので、こちらは44角と上がっていきます。

25銀と来られましたので、22銀と上がります。
ここで先ほど言った2パターンが出てきます。
それが34銀と歩を取る形、
そして24歩と歩を打って攻める形です。
この2パターンどちらで来られてもいいように、しっかり準備していました。

本譜は34銀と歩を取ってこられました。個人的にもこれが一番可能性のある形だと思っていました。
そこに33桂馬と跳ねて、銀を逃げられなくする形にします。
こうすることで、銀が下がると桂馬で取ることができ、最低でも桂馬と銀を交換させられることになります。
これが準備していた棒銀対策の作戦の一部になります。

ただ、ここで誤算が生じます。
52銀と下がってこられて同桂、同飛車となりました。
これは銀桂交換で優位に立てることは理解していたのですが、この筋はあまり研究していなかったのです。
実際、ぽめさんもこの手はうっかりで指してしまったようでした。
この部分の指し筋の正解はわからなかったので、とりあえず33銀とし、自陣に蓋をすることにしました。

ただ、ここからどのように指して行けば攻めれるかは研究のの範囲内で、
相手自陣に飛車を打ちやすく、飛車角を交換し、相手陣地に入れれば一気に寄せていけることは理解していました。

お相手は角道を開けてきたので、84飛車としました。
角交換も有利だったのですが、角道を開けたので角交換する可能性が高かったので、飛車で自分の角を受けてから、4筋に飛車が突撃する筋を見せて金で受けさせようと思いました。
こうすることで更に敵陣に飛車を打って攻め込みやすくなります。
この手は最終的に24飛とし、お相手の飛車と交換しようという手筋ですので、敵陣に飛車を打ちやすくしたかったのです。

何手か進んで、予定通りの形になりました。
飛車が逃げると29飛成が痛い、交換すると39飛打ちが痛いという形に持ち込みました。

本譜、数手進んで39飛打ちとしました。
こちらは銀も角も手元にある為、攻めやすいと感じていました、しかし、

35香打ち、あまり読めていませんでしたし、最高に痛い手でした。

これを見て、このままノーガードでぽめさんとボコボコに殴り合って、最後まで立っていた方の勝利になると覚悟しました。

56手目、25龍と回り込みました。
これは研究課程で見たことある手で、玉が逃げることができず、次の角で金を取る手が厳しいです。

ただ、ここでぽめさんに攻め返していく手があったようです。
それを指されていたらどうなっていたかは全くわからなかったです。

終局図

結果的には、私の攻めが上手くつながり、62手で、勝ちを得ることができました。

内容的には非常に激しい攻め合いの将棋になりました。
研究した将棋でこちらがわかりやすい局面に持っていき、ぽめさんに見たことがない将棋を押し付けて一気に勝とうという作戦でしたが、ぽめさんの攻めが適時正確すぎて途中どうなるか本当にわかりませんでした。
それでも、自分が知っていて相手の知らない将棋に持ち込むという作戦は成功していて、結果的には、作戦は成功したのかなと思いました。

最終結果

ペケ子は3勝することができ、準決勝へと駒を進めることができました。
見ている方はどう思われたのかわかりませんが、
ギリギリの勝負でちょっとだけ抜けることができたので、勝つことができた、というのが率直な感想です。
かにみそさん、検察側の証人さん、ぽめさんと、しっかりと大会までに将棋の内容を仕上げてきていました。
はっきりとわかっていることは作戦と研究が無ければ私は負けていただろうということです。

まとめ

私は、優勝したいという気持ちもありますが、この舞台で1局でも長く将棋を指したい、みんなに楽しんでもらえる将棋を指したいという気持ちが一番強く出ていました。
その上で、この初心者大会と名を打ってる場所で、対策・研究・作戦という手を取ることが本当にいいのだろうか、ここまでやるのは卑怯なのではないだろうか、という不安な気持ちも少し出ていました。
もちろん、将棋の世界で、研究・作戦を取ることは当然でありやるべきことであるということも理解しています。
そこから生まれるドラマも、面白さもあることを理解しています。
今思えば、そんなドラマや面白さを私自身が研究した将棋で生み出せるのかという不安だったのかもしれません。

結果的に、面白い将棋だったと言ってくださる方もおられたし、負けた悔しい気持ちから生まれるドラマもありました。
大会から日が経つにつれ、全力で将棋に向き合ってよかったと感じています。
そしてこう思えたのは、配信を見て声援をくださった皆様、教えてくださっているうーたアニキ、出場者の方やそのアニキの方々、運営の皆様もおかげだと思っています。
本当にありがとうございます。

負けてしまった方、そして今回出ることができなかった方の悔しさの分、私は頑張る、なんておこがましいことは言えません。
だから、私にできることは、この大会を盛り上げることで、次の大会の開催につなげてまたみんなチャレンジできるようにすることだと考えています。そして盛り上げるやり方は人それぞれだと思っています。
めいっぱい楽しんでいる姿を見せる、コラボしてたくさん将棋を指す等、誰にも知らない方法がいっぱい眠っているはずです。
私ができることは、良い将棋を指せるように努力して、大好きな将棋をいっぱい楽しむことだと思っています。
その為にも、最後まで全力で走り抜けていくので、大会、運営、全出場者に、たくさんの声援をよろしくおねがいします!

あとがき

私は現在、麻雀「Σリーグ」という私設の麻雀リーグの広報部に所属しており、そこで行われた試合の観戦記を書かせてもらっています。
その為、このような自戦記を書くスキルがあったというだけなので、出場者皆がこのように自戦記を書けるとは思われないよう宜しくお願いします。
あくまで、個人的に書きたかった為に、自戦記を書かせてもらった限りです。

また、観戦記を個人的に書いてくださっている方もおられ、大変わかりやすくて、書かれている私も嬉しい限りです。
是非そちらもSNS等で探してご覧になってください。
(※ご迷惑になる可能性もある為、今回は紹介を省かせていただきます)

これからもVSCCを宜しくお願い致します。

配信アーカイブURLはこちら
https://www.youtube.com/live/63FGtE3dSxY?si=Hp_eCaR6o7ZZIwU0

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