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文字絵「きせんほうし」
デジタルで公開されている浮世絵をあれこれと眺めているうち、このような一枚が目に飛び込んできた。あの葛飾北斎が描いた文字絵である。
まず、画の全容を眺めよう。大英博物館蔵で、このリンクからデジタル精細画像にアクセスすることができる。
![](https://assets.st-note.com/img/1655262100513-aQbYH1Ukht.jpg?width=1200)
上段には、歌人喜撰法師の名前と、かれが詠んだ和歌。「百人一首」に収録され、広く知られたものである。
我庵は、みやこのたつみ、しかそすむ、よをうち山と、人はいふなり
この一枚の眼目は、歌仙絵に描き込まれた文字にほかならない。目を凝らして見つめれば、その答えが自ずと見えてくる。仮名で歌人の名前、「きせんほうし」である。最後の「し」は、「志」を字母にもつもので、いまの常用の字体と違うが、それ以外の五つの仮名はいずれもいまと形が変わらず、分かりやすい。
![](https://assets.st-note.com/img/1655262140914-UnLnnRosfP.jpg?width=1200)
この絵の読解で、いまだ不明なままなのは、六つの仮名を取り出したあとの残りの線である。なんらかの文字の一部だと想定したいが、答えが浮かんでこない。
念のため、GIF動画にも作り出してみた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80715711/picture_pc_a0f49b48acb9b69b0704c6f0747a1957.gif?width=1200)