ブリティッシュな洋裁コンテスト『ソーイング・ビー』BBC
イギリスの裁縫コンテスト番組ソーイングビー(The Great British Sewing Bee)。映画好きの人に紹介してもらいましたが、これがすごくおもしろかったです。シーズン1から、男性も交えていろんな裁縫の課題にチャレンジするというもの。スタートはなんと布選びから!
そもそも、Sewing Beeっていうのは、第二次世界大戦中に銃後の女性たちが集まって、軍用品(代用品?)やらリサイクル用品を作ったときの名前のようで、シーズン1に説明がありました。最年長で最優秀だったアンおばあちゃんが、「戦時中を思い出すから、洋服のリフォームなんて大嫌い!」って言っていたのがすごく印象に残っています。
最初は、シャツとかドレス、ズボンなんかを3時間とか4時間で仕立てる幕間に、視聴者向けの簡単な洋裁の小物作りみたいなコーナーをやっていたけれど、すぐにイギリスの服飾の歴史紹介みたいなコーナーに変わって、私は毎回それがすごくおもしろかったです。
もちろん、番組の1番の醍醐味は予選を勝ち抜いた10人くらいの裁縫自慢たちが、短すぎる制限時間内に課題をクリアしていく手際の良さだったり、思いがけないアイデアだったりです。若い人、年配の人、男性、女性、イギリス人だけじゃなくて、いろんな文化的なルーツを持つ人達が一同に会して同じ課題にチャレンジするところがすごく刺激的で魅力的。
女性の下着みたいな課題が出ると男性たちが苦労するけど、逆に男性のネクタイみたいなものだと、女性たちが四苦八苦。新しい素材を扱うのは若い人が若い人とかが上手かったりするけど、古い時代のミシンを使う課題が出たり、60年代のデザインとかが課題だったりすると、年配のお姉さまにみんなが質問したりして、ライバルだけど助け合ったりするところもいい。
この番組を見て驚いたことは、イギリスでは洋裁趣味な男性が結構いて、コスプレ衣装とか自作するおじさまだけじゃなくて、若い男の子なんかも参加していて、そういうところがすごくいいなと思いました。日本もきっと、そういう洋裁好きなナイスガイもいると思いますが、仕事にしている以外に、趣味でやっている人は少なそうなイメージ。
シリーズ毎に、つい力を入れて応援したくなるような魅力的な老若男女がいますけど、1番おもしろいのは司会のクローディアでしょうか。盛り上げ方も楽しいし、審査員のパトリックとメイもユーモアたっぷり。今のところ、娘と二人でシーズン4まで楽しんでます。我が家はアマゾンプライム・ビデオで見ましたが、NHKでも放映されていたなんて知りませんでした。洋裁好きな人にも、イギリス好きな人にもおすすめです。