会員制クラブだった空き店舗を、写真展の会場に選んだワケ~会場案内と合わせて~
いよいよ、10月30日からスタートする「わたしとつるが展-写真でみるハイパーローカルチャー-」。
「写真展をやります」というと「カグールですか?」と、普段利用しているフリースペースでの開催かと聞かれるのだが、今回の会場はカグールではない。
タイガースビル2階。地元の方でもパッとしない場所のようだが、今回の展示にはこの会場がぴったりだった。
写真展だけど写真展ではない
その主な理由としては、写真をみてもらうことが目的ではないということ。「わたしとつるが展」と題し、わたしやわたしを訪ねて敦賀に訪れた友人たち、言わば「よそ者の視点」を楽しんでもらいたいというのがこの写真展の狙い。
だからこそ、より敦賀らしさを感じてもらえる会場で開催したいという思いがあった。
メンバーズクラブ橘
会場となるタイガースビル2階は、かつて「メンバーズクラブ橘」という、お酒を提供するお店だったそう。
▲駅から氣比神宮へ向かう途中、「秋吉」に向かって3軒左隣くらいにある。
住所は本町1丁目ということで、県内で2番目の規模を誇る繁華街「本町」の一角にあたる。ここは、「かつては人にぶつからずには歩けなかった」と聞くほど賑わっていたエリア。今でも夜遅くまでネオンが光り輝き、夜の街として機能しているものの、地元の人は「昔はすごかったんだけど...」と口を揃える。
▲タイガーズビルの文字が目印。右の階段で2階へ。
なぜそんな繁華街が人口6万人程度の街にあるのかというと、やはり、エネルギー産業による多くの人流があったから。良し悪しは別として、その産業が停止したことでこのエリアが受けた影響はやはり大きかったそうだ。(それでもなお、今でもお店はたくさんあるし、私もよく繰り出している)
メンバーズクラブ橘もその一つ。停止から数年後にお店をたたむと、その後は空き店舗として不動産屋さんが管理する物件だった。今回は、港都つるが株式会社さんの紹介で管理をしている大宅創建さんを繋いでいただいた。
▲階段を上がると、「メンバーズクラブ橘」の看板が
会員制クラブらしい豪華な内装や、かつてはバーと喫茶店の2店舗に分かれていた物件を繋ぎ合わせたことで生じた少し歪な設計など、ここで人の営みや生活があったこと、敦賀のあゆみを感じさせる様子にビビッときた。
会場も展示会を構成する要素の一つ
冒頭で記述した通り、この展示会は「よそ者の視点」であり「敦賀のローカルチャー」を感じていただくもの。写真だけではなく、空間そのもので表現したいという思いから、この場所で展示会をすることにした。
(展示会をきっかけに、この店舗を使いたいと思うような方が現れるなんてことが、あわよくば起こったらいいななんて思っている)
展示会までラストスパート。皆さんに楽しんでいただけるイベントとなるよう、設営を頑張ります。
この場所がどんな空間になるのか、お楽しみに。