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機械と人間の狭間で ―サイボーグ、AI、アンドロイド―

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『攻殻機動隊』を中心に、欧米、日本のSF小説、漫画を題材にして、機械の人間の狭間を考えます。全8回。(完結) ※文中のAmazonへのリンクはアフィリエイトではありません。
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#機械と人間

4.わたしは機械?(1)AIと人間を分けるもの

4-1-1.「ゴースト」という概念サイボーグ技術とロボット技術は不可分の存在である。そこに高度に発達したAIが加わったとき、サイボーグ=人間とロボット=AIの境界線は揺らぎ始める。 《攻殻機動隊》において最も重要な「AI」である「人形使い」はまさにそれを体現する存在である。「人形使い」は、もともと外務省が政治的工作のために作ったプログラム。ところがネット上であらゆる情報を収集していくうちに、「自我」に目覚めてしまう。そして自らを「AI」ではなく「生命体」だと主張するようにな