【歳時記と落語】鹿の角落とし
立夏を過ぎて、頃合いは初夏ということになります。新緑が萌えいでようか、蛙もそろそろ鳴き出そうかという頃合ですな。南の方ですと麦も穂を出しはじめます。
「鹿の角落とし」という言葉があります。これは春から初夏にかけての晴れた日に吹く南西の風を言います。鹿というものは、その風が吹くころに角を落として、その後にまた新しい角が生えてくるんですな。ちょうど今時分は鹿も角がないか、生えかけようかというところです。
さて、鹿といえば奈良の名物です。昔から奈良の名物は「大仏に鹿の巻き筆あ