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ただいまと思う、冷たい空気の心地よさ。
「わ、雪だ」
朝起きて窓を開けると、今年初めての雪景色。
久しぶりに、手のひらに舞い落ちる白い雪を握りながら、去年の今頃を思う。
そういえば、いつかの私もこの場所で雪を見ていた。嫌で、逃げたくて、どこかの場所に頼りたくて、最初に来たのがこの場所だった。
いつだって、外に飛び出してみたい、もっと知りたい、もっと色んなことを教えて。
ねぇ、まだ出来るかしら、うん、そうね、頑張れるよね。
そんな風に思ってしまうのは、この国に来る度。
だいすきな場所。
そう言えるようになったのは、実のところ最近。
以前は別に、好きでも嫌いでもなかった。
ただ、好きになった人達がそこに住んでいる、その事実があっただけだったから。
けど、ひとりで飛び出してみたいと思って飛行機のチケットを取ったあの日から。
私はここを、好きだと言えるように、なりたかったんだと思う。
そしていつの間にか、こんなにも頻繁に訪れるようになってしまった。
だってここは、私の好奇心を、何度だって掻き立ててくれる。
たわいもない会話を、耳をそばだてて聞いたり。聞き取れる単語を、必死に頭の中で反芻して。勉強が楽しいと思ったのも、勉強あるのみと感じたのも、いつだって足を運んでこそわかるものの方が、ほとんどで。
勉強すればするほど、理解できる、会話ができる、目を見て話せる。
楽しくて楽しくて、そんな喜び知らなかったと、学生の頃を思い返す。
日本で暮らす私の世界にはないものをくれるこの場所に、今年は何度行けるだろう。
国同士の関係が、良くなればいいと思う。
どうか、出来るだけ、よりよい方向に。
好きなものを、普通に、好きでいられるように、と願う。
気軽に行ける距離なのだと、学生だったあの時に、知れたことが、私にとっては大きな財産だったようで。
あの時、この国行きのチケットを取ってよかったと思う、来る度に。
次はかき氷の美味しい夏頃に来ようか。
ワンピースを着て、軽い足取りで。