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夏休み舞台照明実験会 参加のお礼

どうも伊藤馨です。
この度は、夏休み舞台照明実験会(以下、実験会)にご参加いただきまして、まことにありがとうございました。


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写真について

写真はすべて、そらいろくらげ(@kurage_suzuki )から頂きました。
ありがとうございます。

はじまりのこと

久松さんと僕の二人でこぢんまりやってみようから、少しずつ幅を拡げていって、気が付いたら多くの方に参加していただき、誠にありがとうございました。
舞台照明をなんで選んで、それを楽しくやっているのだろうか。
(もちろん、楽しくない現場もあるにはありますが)
そういうシンプルな疑問と自分が今まで続けてきたことやデザイナーとしての感覚というのは、どこまで共感したり寛容に受け入れたりできるのか。
僕としては、非常にパーソナルな課題を持って、実験会をやろうと思いました。し、自分自身でも当日もそういう感覚をずっと抱えたままやっていました。

赤心を吐露すると、
「僕はここでの時間がめちゃくちゃ楽しいのだけど、みんなは本当に楽しいのだろうか」デザインのことを考えているときや説明しているときに、
「作品と自分との対話に興じて、クローズドな状態になっていないだろうか。」
そういう感覚が常が裏側にある状態でした。

自分がデザイナーとして関わっている現場

だいたい今回の実験会でのような雰囲気で照明の構造を構築することが多く、デザインしたものを実際に動かしてくれる人の手を経ることでデザインが一般化していくという感覚を持っています。
ちょうど昨日手伝ってくれた人たちとのやり取りは日常での現場のやり取りとなんら変わりがないことをしていました。

いつもならギャラを払いやってもらっていることをお金をもらって一緒にやるという不思議な感覚を味わうことが出来ました。

これは他者との関係性というものは、ある種の契約に基づいているものであって、どういう形でどのように集まるかによって、変わるものなのだということを強く感じました。
技術者としてやビジネスという側面は、決して常に一緒にあるものではなく、むしろどういう纏まり方をするのかということで変わるものなのだということなのだと思います。

「ギャラ」という対価が存在する世界で普段生活していると、どうしてもそれに対しての成果というものが発生していて、舞台照明そのものが持つ愉しさというものを徐々に忘れてしまいがちになるとずーっと考えています。
デザイナーの作品性や作家性というものがそのデザインを支える人たちに苦役を強いてしまうことがあります。それに対してのどう報いていくのかということを考えていかないと舞台表現の一つのセクションとしては完全性が損なわれると感じるからです。

舞台照明というセクション

舞台照明というセクションの独自性やブラックボックスになってしまいがちな部分を啓いた形に出来ないかという試みだと考えていました。なので、もっと専門性が強いものになると感じていました。
そして、そういう場に他セクションや舞台関係者以外の人が来た時にどう感じるのか、考えるのかということをとても知りたいとも思いました。
人は人の心の中にあるものの開示は他者からの強制を受けて行うことではないし、それこそが他者の人権を守ることだとも思っているので、あまり深くは聞くことが出来ませんでした。
みなさんはどう感じたり、どう考えたりしたでしょうか。また、どこかのタイミングでDMやらメールやら、Twitterでオープンに会話やら、スペースやらを開けたりすると思いますので、思い思い発信してもらえるとものすごく喜びます。

当日の運営について

当日現場にいらしていた方だけでなく、おそらく配信をご覧になっていた方も含めて、なんで「いとうけい」はあんなにバタバタするような仕組みにしたんだろう。という疑問もあると思います。
配信をやり、機材を持ち込み、デザインして、打ち込み、オペをし、話をする。
しかも、配信の画質や音はそこまでよくもない。なんなら監視カメラ程度。ということになっています。
これにはいくつか理由があります。
その一番の大きな理由としては、セクションとして関わる人を増やしていけばいくほどに、プリミティブなものから遠ざかると感じていて、この実験会で出来ることの上限を自分の手が回るところまで。という形にとどめたかったというのがあります。
しっかりした形のあるものを目指せば目指すほど、出来ることやりたいことの幅を拡げることになってしまい。本来やりたかったことから離れて行ってしまうと感じたからです。あくまでもライブである舞台表現を中心に据えたかった。

久松さんというデザイナーや衣装家の須貝さんや、ダンサーの福永さんと、参加しくれたみなさんで場を作り、共有していく。
コンパクトでミニマルな構造の中で行う実験会にしたかった。
たった二人で企画して、ちょっとした大人の遊びをしようよ。
から始まったものがここまでの感じになるとは思いませんでした。

二人で劇場を借りて

、二人で明かりでもちょっと作って、感想聞いたりしようか。程度の軽い気持ちだったのに、前夜祭から実験会まで、多くの人が気持ちを寄せてくれたり、足を運んでくれたことで、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
最後になりますが、皆様本当にありがとうございました。

それでは、よい明かりを。


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