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マスを見ない。エクストリームユーザーを見よう!

デザイン思考の共感フェーズについて、深掘りしていきます。

共感は、言葉通りですが、とにかく対象としているユーザーに共感、理解することが重要です。さらに、理解した上で、本人では気づかないような内側に秘める感情や欲求を考え出すフェーズです。つまり、
「ユーザーよりもユーザーを理解する」
必要があります。
理解するために、概要で説明した通り、インタビューや観察などを行います。

対象はどういう人が良いか

では、インタビューや観察の対象はどういう人が良いか。
これはエクストリームユーザーであることが望ましいとされています。

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エクストリームユーザーは、文字通り「極端な」ユーザーで、両極端に存在します。よく聞く例ですが、例えば歯磨きであれば、

・数種類の歯磨き粉を使いこなし1日に何回も歯磨きをする人(ポジティブ側)
・1ヶ月に1回しか歯を磨かない人(ネガティブ側)

のようなユーザーのイメージです。もちろん数は少ないですが、インサイトを引き出すには重要な人たちです。その間に位置する多くのマジョリティ層は、周りに流されてその行動をしていたり、特に深く考えずに何かを購入していたりするため、インサイトを取り出すのが困難です。

ポジティブ側に極端なユーザーは、その行動に時間とお金をかけていて、未来を先見している可能性が高くあります。彼ら/彼女らが持っているインサイトをうまく引き出せれば、マジョリティ層に広く通ずるインサイト、全く新しいアイデアに辿り着けます

反対に、ネガティブ側に極端なユーザーは、全く周りに流されずに逆に頑なに拒み続けているため、そこには、圧倒的なペインポイントや、独特の代替手段が存在する可能性があります。既存のプロダクトやサービスなどを根底から覆すような新たなアイデアにたどり着く可能性があります。

マスを見るとそこはレッドオーシャン

一般的なマーケティング調査では、マジョリティ層に広くアンケートを取って統計的に課題や要望などを聞き取って、商品の改善などをしますが、これでは、どの競合も同じことを考えますし、レッドオーシャンの機能勝負からは抜け出せません

こういったユーザーに個別にインタビューしても、よく聞くような意見しか出てこないのは、彼ら/彼女らがマジョリティ層だからです。この場合、結局 "何か見たことあるなぁ" みたいなアイデアにしかなりません。
ワークショップなどで短時間で共感フェーズをこなそうとしたり、逆にとても大規模なユーザー調査をしようとしたりすると、あんまり良いインサイトに辿り着けていない感じがする時も、そのためです。その場合は、対象ユーザーに注意してみてください。

このように、デザイン思考における共感フェーズでは、一般的なマーケティング調査と違って、上記のようにエクストリームユーザーに対して個別に深く入り込んで、共感し、本質を探る作業であり、普段では考え付かないアイデアを出すのに適しています。
是非、エクストリームな方を見つけたら、その人に色々聞くか、観察してみてください。日常の中でも、きっと新しいアイデアが浮かぶはずです。

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