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ワークショップを設計する方法2
前回の投稿でどのようにワークショップを設計するか、について書かせていただきました。
今回は、その続きです。
特にワーク設計のポイントとして書いた以下の2点。
・具体化フェーズか、抽象化フェーズか
・発散なのか、収束なのか
について、「どうやって具体と抽象、発散と収束を設計するのか
」について、話をします。
具体と抽象の設計
抽象化は基本的にはある事柄から別の事柄に転用する時に使います。デザイン思考のワークショップでよくある例で言えば、
前半のフェーズ
・エピソード(具体)→本質的欲求(抽象)→解決策(具体)
後半のフェーズ
・既存のアイデア(具体)→フィードバックで方向性を決める(抽象)→次のアイデア(具体)
のような感じです。
そのため、スタートとゴールの[事柄]が異なる場合は、抽象化のフェーズが必要です。
反対に、例えば、アイデアに対して事業性を詰めていくようなワークショップであれば、大きな事柄の変化がないので、ワークショップの大きな流れとして抽象化する必要はありません。
上記のように、デザイン思考体験ワークショップでは、具体→抽象→具体のように大きな流れとして山型で構成されています。
アイデアに対して事業性を詰めていくようなワークショップの場合は、大きな流れとしては具体側に下っていくような形で構成されます。
ここで「大きな流れ」と表現していますが、小さな具体→抽象→具体は、どんなワークショップでも存在します。
例えば、
・ブレインストーミング(具体) → グループ分け(抽象) → 選定(具体)
などがそうです。
発散と収束の設計
こちらはイメージしやすいかと思いますが、発散は「様々な視点から考えて、枠に囚われない発想」をするときに使います。
・色々なアイデアを考えたいとき
・誰も気づかないインサイトを考えたいとき
など、多様性のあるチームになって実施するワークショップの醍醐味です。
ただ、発散だけを繰り返すと、視点が定まらず、散らかっていきます。時間がかかりすぎてしまったり、本来ワークで考えるべきこと以外に時間を使ってしまったりします。そのため、収束を挟むべきです。
収束は、グルーピングや、特に気になったものをピックアップするなどです。
1つのワークの中で以下のように発散と収束が混在する場合もあります。
「気になったものをピックアップ→そこから考える」みたいな収束→発散や、反対に「グルーピングしたものから○○を考えて1つに絞る」みたいな発散→収束のような場合がそうですが、参加者が慣れていない場合は、短い時間でも良いのでワークを分けてしまった方が、今はどっちの時間なのかを明確にできて、スムーズに流れます。
まとめ
前回の投稿も含めて、整理します。
0. 目的、成果物を明確にする
1. 全体構成、プロセスの設定
★具体と抽象の大きな流れを設計する
2. ワーク内容の設定
プロセスごとの目的に沿って、具体的な方法論やフレームワークを活用して設定する。
★ワークショップの利点を活かして、発散を随所に使いつつ、間には収束を挟んで、メリハリをつけて設計する
と言ったところでしょうか。
以上、ワークショップ設計について、私が意識することでした。
少しでもお役に立てれば幸いです。是非、皆様もワークショップを自分で設計して、自分のコミュニティの中で実践してみてください!!