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イノベーションは技術革新じゃない

前回の投稿で、イノベーションの種類と、成立条件について話しました。

今回は、方々で語られていることですが、この種類と成立条件に照らしながら、「イノベーションは技術革新じゃない」という話をしたいと思います。

イノベーションが技術革新だった時代

正確には、「イノベーションは技術革新「だけ」ではない」だと思います。特に10年くらい前までは、確かに技術革新がイノベーションを生み出してきました。

それは、「性能の劇的な向上がイノベーションにつながった」ためです。前回の投稿で話した、イノベーションの種類と、成立条件で説明します。

↓イノベーションの種類

イノベーションの種類の絵

性能の劇的な向上がイノベーションにつながった例は、上記の例で言う「革新的イノベーション」を差します。そして、イノベーションの成立条件は以下でした。

↓イノベーションの成立条件

画像2

つまり、技術革新によって成立した革新的イノベーションは、「既存のニーズの中で、今までにない劇的な性能向上を実現し、ユーザーを引きつけ、売れまくった」と言えます。

ここでのポイントは、「既存ニーズの劇的な性能向上がユーザーを引きつけた」という点です。
つまり、「ユーザーにとって今の性能が不十分なのはわかっているんだけど、それを実現する方法がなかった」ということで、ユーザーのニーズが明確だった時代です。日本企業が大躍進した、モノにあふれていない時代です。

テレビが箱型の白黒の小さい画面だった時、誰しも薄く大きくカラーで高画質のテレビが欲しいことは明確だったわけです。だから、カラーテレビが出れば売れたし、薄型液晶テレビが出れば売れたのです。

これは、技術革新による革新的イノベーションの良い例で、昔はこれでイノベーションが成立し、正に技術革新こそがイノベーションだったのです。

VUCA時代のイノベーション

現代はどうでしょう。現代は「VUCAの時代」と言われています。

V olatility(変動性)
U ncertainty(不確実性)
C omplexity(複雑性)
A mbiguity(曖昧性)

つまり、未来の予測が難しい時代です。世の中はモノにあふれ、生活の中である程度のニーズはほぼ満たされています。

この時代で、技術革新で性能を劇的に向上させても、そこにニーズがなければイノベーションは起こりません。

そんなVUCA時代に起こるイノベーションは、革新的イノベーションよりも、イノベーションの種類の図のように、誰も知らない価値を創出する「破壊的イノベーション」に注目するべきなのです。

新たな価値が必要なので、そこには「問題解決」よりも「問題発見」が必要です。

「白黒テレビをカラーにするにはどうるべきか?」という問題はありません。

既存ニーズなどなく、解くべき問題を定義するところから始めないと、VUCA時代に通用する破壊的なイノベーションは起こせません。

イノベーションの成立条件からもわかるように、その定義した問題が本当にニーズがあって、実現性があって、持続的なビジネスになって、初めてイノベーションになるので、イノベーションが難しい時代になったと言えます。

また、革新的な技術ではなくても成立できる破壊的イノベーションが必要になったことが、「イノベーションは技術革新じゃない」と良く言われる由縁です。

技術に価値がないわけではないよ

それじゃあ、技術に価値がないのか、と言われれば、そんなことはありません。

むしろ、新しいニーズを見つけ、イノベーションにつなげるのはとっても難しいながら、新しいアイデアを持つ人はご万といます。その中で、技術という実現手段を持っていることは大きなアドバンテージです。

ただし、イノベーションを起こしたいなら、上述の時代の変化と、イノベーションの成立条件を認識した上で、技術をビジネスに変えて、イノベーションと言われる領域に持っていかなくてはなりません。

それだけです。


まだまだ語りたいことはありますが、今回は以上です。
イノベーションは、それ自体を目的にするべきではないので、未来を創造し、新しい価値をどこまでも探究してください!!

少しでも、お役に立てれば幸いです。
自分も頑張ります。

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