デザイン思考の3rd step:アイデア発想(Ideation)
デザイン思考の3つ目のプロセスであるアイデア発想についてです。
前段の共感、問題定義の話は以下を遡っていただければ幸いです。
https://note.com/xicunyou/m/m6842b58354f2
■多様かつ大量
アイデア発想は、「収束」ではなく「発散」のフェーズです。
前段で定義された問題を解決するための多様かつ大量なアイデアを出すことが必要です。
この「多様かつ大量」が重要なポイントです。
なぜ多様で大量のアイデアを出す必要があるかと言えば、自分の中に囚われている箱(思い込み)から抜け出すためです。
何かの問題に直面した時、お風呂に入ったときや、次の日になってみたら、新しい解決策が浮かんだような経験はありませんか。これは、考える視点が変わり、箱から抜け出したことで起きています。
以下の画像はイノベーティブ度と多様性の関係を表した図です(Scienceか何かの研究結果です)。
図のように、多様性が増えるほどに、ゴミのようなアイデアも多く生まれますが、その分たまにイノベーションの価値が高いアイデアが生まれているのがわかります。
多様でいろんな人がいるほど、ぶっ飛んだ意見も増えるので、このグラフには納得できるのではないでしょうか。
ですので、できる限りメンバーを多様にして、かつ可能性を高めるために大量にアイデアを出す必要があるのです。
ブレインストーミング
アイデア発想の方法については、様々ありますが、最も典型的な方法がブレインストーミングです。
ブレインストーミングには以下の4原則があります。
・批判厳禁:批判、否定をしない
・自由奔放:失敗を恐れず発言する
・質より量:多くの意見を出す
・便乗発展:人のアイデアに便乗してアイデアを出す
これらは、全て思考の幅を狭めないための施策です。
批判厳禁は、デザイン思考ではよく「Yes andの法則」と言われ、非常に重要視されています。
このように、複数人が集まって、ブレインストーミングの4原則を守りながら前段で定義した問題の解決策を考えていくと、きっと素晴らしいソリューションが浮かぶはずです。
斬新よりも最適
実際にやってみると、多様になればなるほど、先ほどの図でも示した通り、ゴミのようなアイデアもたくさん出てくるので、そこで萎えずに良いアイデアが出ると信じて考え続ける必要があり、苦しい時もあるかと思います。
また、デザイン思考プロセスの場合、前段のステップでユーザーの共感から入り問題を定義しますが、この時の定義した問題が既にユニークなものであれば、必ずしもソリューションアイデアが「斬新」である必要はありません。色々考えたけど、結局最初に出たアイデアが一番良いかも、となることもあります。あくまでユーザーが抱える問題に対して「最適」なソリューションを考えることが、このアイデア発想フェーズでは重要です。
ただ、パッと思いついたアイデアが本当に最適なのか、はわからず、もしかしたらもっと良いソリューションがあるかもしれないので、時間をかけて多くのアイデアを出す作業はいつでも重要です。
以上、アイデア発想について、簡単なポイントを開設しました。
引き続き、アイデア発想の方法や、選定方法についても投稿してきます。
■前回の投稿
・外出禁止/自粛をデザイン思考で解決しよう
・デザイン思考のプロセス
・デザイン思考の1st Step:共感
・デザイン思考の観察の事例
・デザイン思考のマインドセット
・デザイン思考の2nd Step:問題定義