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社寺散歩|四天王寺庚申堂|大阪|庚申信仰発祥の地
人生で“徹夜”というものをした記憶がありません。私の中の三尸の虫は休む間がなくさぞや大忙しのことでしょう!?
三度の飯より寝るのが好きなxicano(しかの)です。こんにちは。
今回は日本の“庚申信仰発祥の地”といわれる、四天王寺庚申堂を散策します。
四天王寺 庚申堂
大阪市天王寺区堀越町2-15
![](https://assets.st-note.com/img/1738625971-aDFS84I3wZCRPvnN2hfmr0Ml.jpg?width=1200)
もとは四天王寺境内の塔頭のひとつだった庚申堂。
疫病が蔓延した白鳳時代、四天王寺の僧豪範が一心に祈祷を続けていたところ、大宝元年(701)正月7日庚申の日に現れた帝釈天の使いの童子から青面金剛童子像を授かり、これをお祀りしたところ疫病が鎮まったという伝承があるそうです。
そのことから60日に一度巡ってくる「庚申の日」に息災を願ってお参りをする『庚申まいり』が始まったといわれます。
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本堂
ご本尊:青面金剛童子(秘仏)
60年に一度、庚申の年にだけ御開帳されるという秘仏。次回は2040年だそうです。
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昭和20年(1945)大阪大空襲で焼失した庚申堂。
現在の本堂は昭和45年(1970)に開催された「大阪万博」で全日本仏教会が来場者の休憩室兼茶室として建てた『法輪閣』と名付けられたパビリオンを閉幕後に移築したものだそうです。(建築施工は金剛組)
三猿堂
![](https://assets.st-note.com/img/1738630722-KUd93ZcP2q6sRuOxTSBb18Vh.jpg?width=1200)
加持を受けると痛いところもたちまち治る!!
本堂と向かい合うように建つ三猿堂。
『見ざる🙈言わざる🙊 聞かざる🙉』
庚申尊の使いとされるお猿さんは庚申堂とは切っても切れない仲ですね。
ところで...。
庚申尊って...?
庚申信仰って...?
庚申待ちって...?
なんにも知らない無知なxicano(しかの)です😅
庚申信仰
中国の不老長寿を目指す道教の教えのひとつ「三尸説」を起源とする民間信仰。
人のからだの中には生まれた時から「三尸」と呼ばれる3匹の虫がいて、60日ごとに巡る「庚申の日」の夜、寝ている人のからだから三尸の虫が抜けだして、その人の悪事を天帝に報告しに行きます。その結果、悪事の数だけ天帝がその人の寿命を削っていくのだそうです。
三尸の虫
頭の中にいる「上尸」、お腹の中にいる「中尸」、足にいる「下尸」の3匹がそれぞれの場所で病気を引き起こす。
長生きしたければ三尸の虫が体内から出ていかないように庚申の日の夜に寝ないで過ごす『庚申待ち』という習慣が始まったとか。
この民間信仰がやがて日本の仏教や神道と結び付き、仏教では青面金剛を、神道では猿田彦を庚申尊としてお祀りするようになったようです。
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ご本尊:立江地蔵尊
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時間をかけて丁寧に隷書体で書いてくださりました。
令和7年(2025)庚申詣り 日程
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大阪市無形民俗文化財に指定されています。
今回私が訪れたのは1月22日だったので、境内は私ひとり静かでしたが、庚申詣りの日はたくさんの参拝者で溢れるそうです。
庚申詣りの日には境内に「北向こんにゃく」のお店が出て、「庚申こんにゃく」が販売されます。(3個入300円、ご祈祷を申し込むと1個無料券がいただけます。)
三尸の虫はこんにゃくが苦手!!
北を向いて黙ってこんにゃくを食べると願い事が叶うそうです。
庚申昆布
また、庚申詣りの日には開運・厄除の願いをこめて昆布を食べる風習もあるそうです。
当日、お参りに来られない人にお土産として持ち帰ると参拝したのと同じご利益があるんだとか。ありがたい!!
※
日本三庚申
◇ 大阪 四天王寺庚申堂
◇ 京都 八坂庚申堂
京都市東山区金園町390 金剛寺
◇ 東京 入谷庚申堂
現存せず小野照崎神社へ遷祀
東京都台東区下谷2丁目13-14
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京都 八坂庚申堂 Instagramより
![](https://assets.st-note.com/img/1738626063-uGgWEHocTmJa4fdSZY5Ohtq9.png)
参詣日 2025年1月22日(水)
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ならまちを歩くとよく目にする、軒先に吊り下げられた赤い『身代わり申』。庚申さんのお使いの申が災いを代わりに受け取ってくれる。と言うのは、奈良だけの風習だとこれまでずっと思い込んでいました。
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https://naramachi.co.jp/
高田崇史さんの『猿田彦の怨霊』を読んで、四天王寺に庚申堂があることを知り行ってきました。