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袋麺と牛乳を使った熊本ラーメン
インスタントの袋麺に牛乳を入れて作ると旨い。
これは多くの方に知られるようになったと思うが、どんな袋麺が最も適しているのか、どのように作るべきか、どんな具材が適切かについては、あまり語られていないと思うので書いてみた。
まず、牛乳と最も相性がいいのは豚骨ラーメンだ。
店で食べる豚骨ラーメンは油脂が乳化して白濁し、それが深いコクを生み出している。
インスタントの場合、スープを乳化させることが現時点で不可能なので、ここに大きな乖離が生まれてしまう。
しかし、牛乳の白濁は乳化によるものだ。
牛乳を加えれば豚骨ラーメンの乳化を擬似的に作り出すことができるのだ。
だが牛乳はたくさん加えるとコクが出る反面、牛乳臭さが気になってしまう。
牛乳臭さを和らげる工夫が必要になる。
試行錯誤の結果、現状で最も相性が良かった袋麺はコレだ。
味のマルタイの熊本黒マー油とんこつラーメンだ。
最も重要なのはマー油が旨いこと。
マー油の香ばしさとニンニクの風味が牛乳臭さをマスキングしてくれる。
さらに麺が旨い。
生麺のようなしっかりした麺であることも嬉しいポイントだ。
作り方だが、まずフライパンに250mlの水を入れる。
本来は500mlなので半量だ。
一般的な片手鍋ではなくフライパンというところが重要。
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水が湧いたら麺を入れる。
フライパンの場合、細長い麺がそのまま入るので、少ない水量でも完全に浸すことができる。
そのためフライパンでなければならないのだ。
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時間を計って3分茹でたら、付属の粉末スープを加える。
写真を見てもらえばわかるだろうが、水分はほとんど残っていない。
底から1-2mmくらいしか残っていないが問題ない。
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水分が少しでも残っていれば、ちゃんと粉末スープは溶ける。
ここでしっかり溶かしておくことは大事で、粉末が残らないようにしてほしい。
粉末が残っているとダマになってしまうからだ。
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ここで牛乳を250ml加える。
最初から牛乳を加えると麺がおいしく茹で上がらない上、牛乳を沸かすとタンパク質が分離して舌触りが悪くなる。
必ず麺が茹で上がってから加えること。
ここで再加熱し、沸騰しない程度まで温める。
麺が伸びるのでは?と心配されるかもしれないが問題ない。
牛乳は水よりも浸透圧が高いため、麺が伸びにくくなるのだ。
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スープがしっかり温まったら、付属のマー油を加えて完成だ。
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あとは器に盛り付けて食べるだけだが、胡椒を挽いて加えるのは重要と思う。
僕の場合、玉子を加えているというのもあるが、僅かな牛乳臭さと玉子臭さを抑える役割を担ってもらうのだ。
上等な胡椒をペッパーミルで挽いてほしい。
青ネギはこのラーメンと好相性。
写真を撮った後、追加でこの3倍くらい加えて食べた。
チャーシュー、キクラゲ、紅生姜などを加えたい人はお好みで。
僕は料理としてこの時点で完成していると考えており、加えたことは一度もない。
店のラーメンと袋麺は別の料理なので、似せる必要を感じないのだ。
補足すると、素のラーメンよりも牛乳と玉子のタンパク質で大きく補強され、青ネギをたっぷり加えることで各種ビタミンが摂れ、繊維質もいくらか加わる。
玉子の黄身は半熟に仕上がるはずなので、食べている途中で黄身を割ると味変になるのもいい。
袋麺としてのカロリー数は338kcalで、そこに玉子(50g)76kcal、牛乳168kcalが加わり、トータルで582kcalになる。
元々この袋麺はタンパク質が多めで13.2gあり、そこに玉子6.2g、牛乳8.5gなので、トータル27.9gだ。
袋麺を使って5分くらいで作る料理だが、カロリー600kcalで30gのタンパク質が摂れるのは食事として悪くない。
女性なら一日に必要なカロリーの1/3で、タンパク質は1/2摂れる。
脂質がやや多めなので、低脂肪乳を使うのがオススメ。
ワカメなどを加えるとバランス的には理想だが、味が犠牲になるので僕はやらない。
買い置きの袋麺であっても、工夫次第で味的、栄養的に優れた食事に変えることができるのだ。
頭の片隅に置いていただき、何かの機会にお試し願いたい。
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