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市販の乾蕎麦は何を選び、どう食べるべきか
蕎麦が好きだ。
本格的な手打ち蕎麦だけじゃなく、機械打ちの蕎麦も好きだし、何なら茹で置きの立ち食い蕎麦だっていい。
蕎麦という穀物が好きなのだ。
そうすると自宅でも蕎麦が食べたくなる。
その時に何を選び、どうやって食べるべきだろうか?
暑い季節に蕎麦を食べ続け、一定の結論を得たのでまとめておく。
最も重要なのはツユだ。
安い蕎麦用ツユも売られているが、総じてカエシが薄く、旨味だけが妙に強い。
現在までのベストは、にんべんのツユの素ゴールドだ。
ネットで買わなくても時々置いているスーパーがあるし、何より風味のバランスが良い。
ただし、そのままでは少し甘さが強い。
にんべんのツユの素ゴールド3〜4に醤油1くらいと酢を数滴加えると、一気に旨くなる。
一度試してほしい。
醤油で生カエシの雰囲気を出し、酢で味にキレを加えるのだ。
そのままだと濃すぎるので、2倍くらいに希釈するといい。
僕は蕎麦を半分くらい浸して、ちょうどいい濃さにする。
酢の代わりに柚子などの果汁を使うのも目先が変わって楽しい。
食べ終わったら、ツユを蕎麦湯で割って飲むまでが蕎麦の楽しみだ。
僕は蕎麦湯が好きだから十割の無塩を選ぶ。
シャバシャバではない、濃厚な蕎麦湯が得られるからだ。
幸い、このツユはかなり伸びる(味が薄くならない)。
寒い時期でも、蕎麦湯を飲めば身体が温まる。
蕎麦を茹でた時の湯は捨てないようにしよう。
蕎麦湯を楽しむためには、なぜ無塩の蕎麦でなければならないか。
塩が入っている蕎麦は、蕎麦湯が塩っぱくなってしまい、蕎麦湯として適さないからだ。
結論から述べると僕が食べた中で十割蕎麦のベストはこれだ。
近所のスーパーマーケットでは550円くらいで売られており、プライム会員であればAmazonのほうが安い。
ゴワゴワした食感だが、蕎麦らしいザラつきがあり、ざる蕎麦で食べた時の風味の良さが出色。
100gを一食として、上記のツユと合わせると、300円弱で下手な蕎麦店よりも旨いざる蕎麦が食べられる。
なお、十割なのでかけ蕎麦には適していない。
後述するが、かけ蕎麦にするなら他の製品がいい。
乾蕎麦にしてはちょっと高いと考えるならば、同社の外国産蕎麦(おそらく中国かロシア)を使った製品であれば一袋300円以下で、割と多くのスーパーマーケットに置いてある。
実際のところ、これでも十分満足できるし、一食200円弱になる。
ただし、この会社の蕎麦は出雲蕎麦のようにゴワゴワモソモソしている。
そういうのが苦手な人であれば、比較的この製品がゴワゴワしていない。
とはいえ、比較的という話であって、ゴワゴワは弱まるが、モソモソしているし、ツルツル感はない。
そもそも、ツルツル感がほしければ、蕎麦ではなくそうめんを食べるべきなのだ。
小麦粉のほうが多い「蕎麦粉入りひやむぎ」はゴワゴワしていないし、コシもある。
しかしその製品にとって蕎麦は風味材料で、本質はひやむぎである。
そうめんやひやむぎも嫌いではないが、両者を混同して語るべきではない。
さて、温かい蕎麦ならばどうか?
乾麺よりも半生麺のほうが合うのでは?と思うが、半生麺は値段が高い。
また、辛汁(ざる蕎麦用の汁)ではなく、甘汁(かけ蕎麦用の汁)が必要になるので一層ハードルが高い。
カエシを作って寝かせ、ダシを引いて甘汁を作る必要があり、趣味でやるなら別だが、それくらいなら食べに行ったほうがいいし、専門店のテイクアウトもある。
自宅で安く手軽に食べられる温かい蕎麦はこれがイチ推しだ。
以前は袋に入ったインスタント麺バージョンがあり、僕は大変気に入っていたが、3年くらい前に販売中止になった。
代わりに冷凍麺バージョンが発売されたが、残念ながらカップ麺のほうが安くて旨い。
このカップ麺をアレンジするなら山かけがいい。
山芋をすりおろし、ダシを加えて味付けし、しっかり泡立て、完成した蕎麦の上をぴっちり覆うように上からかけるのだ。
ちょうど自然薯が出る時期なので、僕はそれを使って年越しに作る。
以前はインスタント麺で作っていたが、今は仕方がないのでカップ麺を使う。
温めた器に入れ替えれば、カップ麺とわからないくらいの旨さになる。
店で食べる蕎麦は別格だが、蕎麦好きならば自宅蕎麦ライフも合わせて楽しんでもらいたい。
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