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声優養成所はビジネスだという話

声優になりたい人は養成所や専門学校に通う方が多いと思います。
目指すにあたってタイトルにあるように、

声優養成所や専門学校はビジネスである

ということは紛れもない事実です。
ここを踏まえておいたほうがいいです。

では、どういったビジネスなのか解説していきます。


声優事務所は養成所での利益がないと運営が難しい

先日、声優プロダクションの「コトリボイス」が解散を発表しました。

コトリボイスの代表が声優プロダクション事業について所感を述べています。

また、養成所やワークショップの経営には手を出さないと決めていました。出演料による売上ではなく声優志望者から徴収するお金で事業を支える風潮が業界にはあり、それに挑戦したかったからです。最後まで貫きましたが、やはり声優プロダクション事業単体で十分な利益を得ることは困難でした。

https://kotori-voice.jp/


ここに記載されているように声優業界は

事務所の運営は養成所やワークショップの利益が大きく関わっています。

声優業界の収入というのは色々あるのですが、ここではわかりやすくアニメのギャラのうちのランク制度での収入で話していきます。
アニメ出演による収入相場は、ランク制に基づいた場合、1本の出演につき15,000円~45,000円となっています。
芸能界の中でも少ない方だと思います。

このうち、事務所の利益は多くて3割程度でしょう。
なので、出演料だけではほとんどの事務所の経営ができないのです。

現に「コトリボイス」は解散となってしまっています。


養成所のビジネスの仕組み

声優養成所は1年間が1タームとなっているところが多いと思います。
半年間のところもありますが、1年間を基本に考えていきます。

料金としては安く見積もっても大体1年間で40万円程度かかります。

1生徒につき40万円の利益になるわけです。
殆どの養成所が1クラスに20人程度、5~6クラス程度あるかと思います。
なので、1年間で100名程度入所するわけです。

40×100=4000 なので1年間に4000万の利益となります。

生徒が集まれば集まるほど利益が出る仕組みです。

そりゃ多くの事務所が養成所を運営しますよね。
もちろん人材発掘が目的ではありますが、正直ビジネス面での目的が主たるものであると思います。

こちらの記事で書いたように

一つの養成所の1年間で声優になれるのは多くて2人程度です。

つまり、養成所に通う人間の殆どがビジネスの餌食になっているということです。

養成所のビジネスに関しては、声優の関智一さんの著書「声優に死す」でこう書いています。

養成所は人材発掘の面はありますが、事務所の経営を安定させるためのビジネスでもあるということです。当たり前ですが、生徒が集まれば集まるほど利益が出る仕組みになっています。(専門学校も同様です。)
その結果、多くの一般応募の生徒が養成所のビジネスの糧になっている現実は否定できません。実際、一般応募から声優になって売れている人は、業界全体としてレアケースなのです。

関智一 著書「声優に死す」より

養成所に行くならビジネスであると知った上で挑め

養成所ビジネスってクソじゃんって思った方、正解です。
養成所ビジネスはクソです。
なので声優を目指すのを辞めましょう。

この現実を知った上で、それでも声優を目指す方はビジネスであると知った上で戦っていきましょう。
ここを意識してるのとしてないのとでは雲泥の差が出ると思っています。
ビジネスの側面が強いですが、人材発掘が目的であるのも事実です。
自分が見出されるように努力しましょう。


戦い方については今後書いていきたいと思います。

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