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香港にて足るを知る

日本を出て香港に住み始めてだいぶ年月が過ぎたけれど、日本に一時帰国する度に日本の良さに度度気付かされる。

無い物ねだり、と言ってしまえばそうだけれど、それでも生まれ育った国の文化・習慣は時々恋しくなったりする時もある。

そこで、自分の気持ちとできるだけ客観的な見方を言葉にしてまとめてみた。



1. お風呂

香港のマンションははっきり言って不動産はとても高く、値段のわりに狭い。
この面積でこんなに高い家賃なの?!と驚くし腹が立つ。引越しの際は毎回物件選びに頭を悩ませたり。


土地が狭いので上に上に伸びる高層マンションが一般的。
しかもバスタブが付いておらずシャワーのみ、という家も珍しくない。
むしろバスタブなしの方が多いのでは?

そしてバスタブがあっても、日本のように肩までお湯に浸かれる深さのものは見たことがない。

以前住んでいたマンションにはバスタブがあったけれど、仰向けに体を沈めないと肩まで浸かることができなかった。
日本のような温度を調節したり追い炊きをしたり沸かしたりするような機能がなく、水とお湯を割って温度調節をするしかない。

お風呂に入って体を体を温める習慣がない香港だから致し方ない。

シャワースペースもやはり狭い。
中にはトイレの便器の上にシャワーが付いている家もある(想像できるかな?)
言葉だけでは想像しにくいと思うけれど、初めて目にした時はびっくりした。
スペースを有効活用法しようとする合理的な香港。


2.水道水の冷たさ

まず、水道水はそのままでは飲めず。
沸かしてお湯にしたものを飲むか、浄水器で濾過した水をやはり沸かして飲むか、またはミネラルウォーターを購入して飲むか。
香港人は冷たい水は体を冷やすから良くないと白湯を飲む場合が多いよ。

日本の水道水は、田舎は(東京でも割と)冷たく、そのままでも衛生的に美味しい水を飲むことができるけれど、香港ではぬるいし、衛生的にそのまま飲むことはしないよ。

そしてここでは飲み水云々を言いたいのではなく、水の温度について。
香港の水道水はあまり冷たくない。
茹でた素麺を冷たく冷やそうとしても、あまり効果がなく。
キンキンに冷えた水が欲しいのなら、氷を入れて冷やすしかない。

日本は綺麗で冷たく美味しい水に恵まれた国だと思う!

3.トイレの清潔さ

ショッピングモールでは、私が移住してきた当時より新しい綺麗なトイレも増えた。
人々の使い方も昔よりはマシになってきたように思う。
けれど、日本と比べるとまだまだだなーと感じる。
床が水浸しになっていたり、トイレットペーパーの紙が落ちていたり、便座に流した後の水が飛んで汚れていたり…。
日本のデパートのトイレは清潔で使った後も綺麗で、嫌な気分になることはなく気持ちが良い。

何故だろう?と考えてみた。
香港にはお掃除をするお掃除おばさんが常駐していてマメに掃除してくれているはずなのに、何故こうも違いが出るのか。

やはり「使い方」だと思う。
物を大切にして扱うという意識の違い。
そして、遡ると、小学校ー中学校の時に生徒自ら校内を掃除するという習慣があるからかな?と。

日本のファーストフード店やカフェでは、食べたり飲んだりした後は自分で片付けるスタイルですが、香港は違う。
やはり片付ける仕事担当のスタッフがいて、客はテーブルにそのままにして席を立ち、スタッフがトレイを片付けてくれる。

結果、綺麗にしようという意識もそこまで育たないのかな?と私は思った(あくまで私個人の意見)。


そういうわけで、トイレの使い方・清潔さにも繋がるような気がする。

4.気温と湿度と四季

日本は春夏秋冬と四季のある国だ。
春には桜が咲き、穏やかな気候で過ごしやすく、
夏は甲子園をはじめ花火大会、お盆休みや夏休み、海水浴、蝉の鳴き声、西瓜や夏野菜のおいしい季節
秋は紅葉、鈴虫が鳴きトンボが悠々と飛び、気温も徐々に涼しくなっていき運動と勉学と読書の秋と言われ、
冬には雪が降ったり、雪を見ながら露天風呂に入ったり、スキー・スノーボードを楽しめる雪山など。

季節毎に味わえる食材や楽しみなことがたくさんある(素敵!!)

日本を出て初めて本当に素敵な国だなぁと実感した。

昨今は気温上昇の夏や大雨、台風、地震と自然災害が増加しているけれど、四季は日本ならではで素晴らしいと思う。

香港は一応四季がある(と思う)。
秋は10月の終わり頃から11月いっぱい。
冬は短く、日本程寒い日は少ないので(最低でも10度くらいかな)、温風機能のついたエアコンは各家庭にない。まず売っていない(見たことがない)。
服を着込むか、小さな赤外線ヒーターなどで冬をしのぐ。

旧正月頃が一番だ寒くなり、短い冬を終えて3月辺りが過ごしやすい春で、4−5月頃にはまた夏が始まる(泣)

そしてこの短い冬以外は湿度が高く、じっとりと汗がふき出す過ごしにくい
夏になる(キライ笑)。


5.足るを知る

以上、ここまで今の時点で思い当たる日本と香港の違いをまとめてみた。
文化・習慣の違いやその土地の違いでしかなく、郷に入っては郷に従え、だなと。

気候は変えようがなく、不可抗力。
文化・習慣の違いもある中で、ではどうやって自分が満足できるように日々過ごすか?

答えは、自分の心掛け次第で、良くも悪くもなるよな、と。

「慣れ」も大きいし、多少のことには目をつぶり、無いものを憂いでも仕方ない。

それならば、あるもので工夫したり満足できるように割り切ったりすれば、気分よく過ごせるようになると思う。

例えば、普段はシャワーの分、一時帰国のお風呂や温泉、スーパー銭湯が人一倍満喫できたり、ありがたく思えたり。。
冷たい水ではなく、温かいお茶やハーブティーを飲むことにより、体を温めたり。
せめて自分は綺麗にトイレを使おうと意識したり、土地が狭いおかげで公共交通網が便利で移動がしやすかったり、フェリーやトラムなど色々な乗り物を楽しめたり。


その土地ならではの良いところを意識して過ごす努力も必要かな、と思った。


「足るを知る」という言葉を改めて考えてみた。


ここまで読んでくださりありがとうございました。

他にも香港に関する記事をいくつ書いています。
興味のある方は是非お立ち寄りください。

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