千葉工業大学で非常勤講師として「技術者倫理」について講義してきました。
2023年5月で気づけばもう5年目の講義でした
2019年のある日、大学時代の先輩(当時はドクター。その後、教授に)から、声をかけられたのがきっかけで、その後2023年まで5年(5回)、「技術者倫理」の講義を年1コマだけ行っていました。
「技術者倫理」と聞いて、最初は何を教えたら良いのか想像もつかなかったのですが、どうやら、一般人からはわかりにくい専門領域における倫理(この場合は、技術者の倫理。他には税理士倫理や弁護士倫理などがあるらしい)について学ぶ授業ということのようです。
講義準備
というわけで、私のこれまでのIT企業での経験を総動員して
・技術者と事件
・技術者としてのキャリア
・求められる技術者とは
というアジェンダを考えて資料に落とし込みました。
毎年、同じ内容では面白くないのでコロナになってからは接触者識別アプリの「COCOA」や今年は、「ChatGPT」による詐欺の話など、タイムリーなネタも随時、追加していきました。
講義当日
お世話になっている教授の研究室にお邪魔して事前に軽く打ちあわせします。大変きれいな校舎でたくさんの学部と学科があります。
講義開始
ノートPC1台持ち込んでHDMIでプロジェクターにつなぎ、、スマホでテザリングしてGoogle Slideで資料を投影して準備完了。
生徒は100名くらいきているのでまあまあな規模の教室です。無くても声は届きそうですが一応、携帯マイクを付けて話します。
ちなみに講義時間の目安としては60分+質疑応答でした。
それでは簡単にどのような内容かをご紹介します。
技術者と事件
まずは技術者としての倫理が試されるこれまでの事件を事例として紹介しています。
・仮想通貨が盗まれた事件
・個人情報が漏洩した事件
・著作物(ゲーム)が酷似していて訴訟になった件
などの共有を行いつつ、「もしも自分が当事者だったらどう判断するか?」を考えてもらいます。
また、必ずしも常に事件になるケースばかりではなく、技術は常に発展し続けており、例としてアップル創業者の二人のスティーブは電話をタダ掛けできる機械を発明して売ることで大儲けしたそうですが、今やったら普通に犯罪ですし、はたまたそれの逆のケースもあります。
つまりは、技術者における倫理感も時代によってどんどん変わるということを学んでもらっています。
技術者としてのキャリア
そして技術者としてキャリアを積んでいくためには、どのような資格や、どのようなエンジニア向けの職種があるかを説明し、さらにはどのようにしたらそのようなエンジニアを目指せるのか?どのようにしたらなりたい職種が見つかるのか?
いわゆるITパスポートや基本情報処理技術者試験といった基礎的なものも抑えておくのは大事ですが、例えば、pythonの資格やAWSの資格など、新しいものはどんどん出てきています。
1つでも2つでも学生時代のうちから取得しておくのは良い経験になるかもしれません(と言いつつ、自分も大学時代に基本情報技術者試験(当時、第2種情報処理)の勉強をサボって落ちたことがあるので大きいことはいえませんが…)
求められる技術者とは
そして今はVUCAの時代と言われるように、どんどん新しいものが出てきて、未来は予測不能になってきます。
例えば、ガラケーでソーシャルゲームを開発できたら、当時はすごく稼げたかもしれませんが、到底、一生食っていくことはできないわけです。
それではどんな技術が求められているのか?
そのための情報源として
等を紹介しています(主に社会人向けですが学生時代から目を通しておいて損はないかなと)
まとめ
2点、大事な考え方を最後にシェアして講義は終了です。
・技術のトレンドや、何が正しいか?間違いか?の定義はどんどん変わる。
⇒チャレンジし続ける事が大事
・最新情報のキャッチアップ(INPUT)と、発信(OUTPUT)のバランスが大事
⇒アップデートされた情報が価値になる
おかげさまで、毎年、好評とのことで嬉しいです。
授業は一期一会。今日会った生徒は4年生なので卒業していくので、次にどこで会うかもわかりません。
そしてどうしてもだんだん生徒との年齢差も広がってきますが、自分自身の学生時代を振り返って、やはり退屈な授業よりは楽しい授業になるように心がけています。
学校でのデジタル系での講演や授業などのご相談、お待ちしております。
おまけ
お昼ごはんのタイミングだったので千葉工大の学食にいってみました。
いままで以上に、おもしろコンテンツ、お役立ちコンテンツを製作する費用に充てます!