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酉の市はオトナの世界。

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』

祭りは見るモノでは無く、参加するモノだと思っている。
まだ子供が多かった時代に成長したこともあり、小学生低学年のころから町内の祭りとなると役割があり、低学年では子供小御輿に太鼓山車、高学年では大御輿に山車、大人になると10年に一回順番が回ってくる天皇番という特殊な御輿を担ぐことになる。
そんなこともあり祭りは役割があり、その合間合間に屋台でつまみ食いをするというのがわたしの祭りの過ごし方だった。

ただ、見る祭りというモノも存在する。
酉の市である。
神社の境内に屋台が建ち並び、町内の祭りと同じようにテキ屋の掛け声がやかましいが、ひっそりと薄暗く怪しい雰囲気が漂う一角が存在する。
見世物小屋だ。
小学生に上がる頃には一人前の『ムー民』だったわたしにとって、これ程テンションの上がるモノは無い。
ちなみに『ムー民』とは学研の月刊誌『ムー』を愛読しているモノのことである。

この怪しすぎて入って良いのかダメなのか解らない下世話な怪しさ。
その入口は触れてはいけないオトナの世界との結界のような見えない壁が立ち塞がっている。

少々大きくなると親の目をかいくぐって、友だちと示し合わせて勇気を持って入り込む。
その中の世界のなんとチープで御粗末なことか。月刊『ムー』で学会なみの知識を有する当時のわたしとしては子供だましもいいとこだ!と憤慨したモノである。


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