消滅した猫だまり。

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』

近所の猫だまりを散策して廻って久しいが、近年は池袋再開発やそれにともなう周辺住宅地の公園整備が進む中で、地域猫の猫だまりが一つ一つ消滅している。

特に周辺の住宅地の中にぽつんとある児童遊園と名の付いた小さな公園に巣くっていた地域猫は軒並み公園整備工事と供にいなくなってしまったのだが、変わり種としては池袋東口の商店街で暮らしていた猫だまりである。

もう3年くらい前だろうか？朝通りかかるとちょうど朝飯時だったようでお婆さんが猫に餌やりをしていた。
なんてことなく脇でその光景を見ていたら、『もうこの子たちに餌をやるようになって8年も経つのよ』とお婆さんが語り出したのだ。

この猫だまりには灰色と白の八割れに、写真にある三毛と黒白の八割れをよく見かけていた。
特に灰白八割れと三毛は毎週のように顔を合わせていたのだが、ある日札幌ラーメンのお店が廃業し、新しいお店のテナント工事が始まると供に姿を消してしまった。

以来この猫だまりも消滅して猫の子一匹見かけることもなくなってしまった。