街角から消えゆく猫だまり。
『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』
片手に我が家の愛犬のリードを持ちつつ、カメラをぶら下げて池袋界隈の路地から路地を徘徊するようになってかれこれ5年の月日が経った。
当初は家の周辺くらいだったのが、今となっては北は板橋、東は雑司ヶ谷、南は目白、西は椎名町とかなりの範囲をウロつく怪しいおじさんと犬である。
毎回あてもなくウロつくわけではなく、回数を重ねるごとに猫だまりを発見していき、その猫だまりを結んでいくようにいくつかのコースが設定されるようになっていった。
しかし、池袋周辺は東京オリンピックに向けての再開発が数年前から始まり、ランドマークの整備がひと段落した後も今度は商業エリアから離れた住宅街にも再開発の波が押し寄せている昨今である。
この写真は徘徊当初に発見した駅前の猫だまりでの一枚であり、水天宮の本殿まえには常にこの錆虎さんが舌を出して佇んでいる姿。
残念ながらこの周辺は西口と東口を結ぶWE ROADの壁画を塗りなおすための資材置き場が設置され、この猫だまりはそんな状況が嫌になって離れたのか、保護されたのか、今となっては猫の子一匹も見当たらない。
まず猫だまりがなくなったのがここであり、その後も時間の経過とともに池袋の路地では再開発工事の進行とともに、次から次へと猫だまりがなくなっていっている。
逆に中には雑司ヶ谷三丁目のように地域で正式に地域猫の世話を積極的に実施しているエリアも出始めてきた。
以前の野良猫の生活に比べると若干今の地域猫の生活は向上してきたかもしれないが、まだまだ苦しい状況には変わりはないのだろうな。
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