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今は無き味の時計台新橋店。

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』

ラーメンの中では味噌ラーメンが一番好みである。
70年代にわかに巻き起こったどさん子ラーメンブームは北関東の一地方都市にまで波及し、どさん子直系ではない地元ラーメン屋にも札幌味噌ラーメンの味は継承され、その味がしっかりと味の記憶として染みついてしまったのである。

以来日々進化するラーメンの中で味噌ラーメンも様々な進化を遂げているわけだが、やはり一番好きなのは幼少の頃から味わってきた札幌味噌ラーメンの王道の味である。
とか言いながら、本場の札幌味噌ラーメンを味わったことはないのだが、札幌発の味に初めて出会ったのが以前は新橋で営業していた『味の時計台』である。

いまは閉業してしまったようだが、00年代くらいまでは週末になるとお台場から新橋に出て駅前の味の時計台で昼食を採ってから銀座をブラブラするというパターンが多かった。
たしかに今となっては他にも美味しい味噌ラーメンを知ってはいるが、昔ながらのこの味!というモノはなかなか舌の記憶から抜け落ちないモノである。

妻と結婚してお台場から引っ越して以降は新橋に立ち寄る機会がほぼなく、足が遠のいてしまったが、十年ぶりくらいに新橋に用事があり立ち寄った時には、なにやらなんでも提供する中華屋さんみたいなメニューになっており、こういう色んなメニューに手を出すようになったお店は危ない!?と思っていたら、案の定その後閉業に至ってしまったようである。
数少ない本場の普通の味噌ラーメンがいただけるところがなくなってしまったのは寂しい限りである。



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