わたしがパッツン好きになったワケ。
『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』
タイトルの通りの話を今回は書き留めておくことにした。
わたしの好みの女性の顔つきというものは、いつの頃からか決まっていた。
何がきっかけなのかがいまだに思い出せないのだが、以下のようなものである。
『色白、茶髪のストレート、お目めパッチリ、口がでかい。前髪パッツンいうことなし』
これが美人とか可愛いとかメンクイな基準を設けているわけではなく、あくまで気になるパーツの条件を挙げているだけなのに、なかなかこの理想にそった女性に出会うことがなく、30歳を超えても身を固めずに独身貴族を謳歌していたわたしの目の前に、ある日突然やがて妻となる女性が姿を現したのである。
ただ、惜しむらくは1stコンタクト時点の彼女はこの条件の4/5はクリアしていたのだが、最後の『前髪パッツン』ではなかったのである。
この時ほど自分のオタク気質を恨んだことはない。ここまで揃っていてなぜ残りの一つがっ!?
条件としては5つ挙げているが、おそらく本来は4つまでであったようなのだ。
というのも言葉のリズム的に色白、茶髪のストレート、お目めパッチリ、口がでかいの四つでひとまずリズムとしては句点が打たれるのだ。
その後の前髪パッツンいうことなしは言葉としても他より長いことから、後からわたしが付け加えた条件のように思える。
この最後の条件に関してはおそらく大学生時代に見た『ローマの休日』におけるオードリー・ヘップバーンの影響ではないかと思うのだ。
前髪パッツンくらいであればさほど特徴的なものでもないが、あの眉毛よりも上方まで切り込んだパッツンにわたしの性癖は反応してしまったのである。
話は戻るが、そんな唯一クリアできなかった課題も1stコンタクトから一週間もしないうちに、これまた突然前髪パッツンとなった彼女がわたしに『おはようございます!』とあいさつをしてきたとき、わたしの錆び付いた恋の運命はようやく回りだしたのである。