帆立の水煮のスパゲティ。
『2014年夏から2016年夏に撮られた写真から、当時の二年間の金沢生活を振り返り、想い出を記録に定着させる写真で二言三言。』
懐かしい一枚が出てきたのでご紹介するのが今回の一枚。
ここでは珍しく調理ネタである。
わたし自身はけっこう一人暮らしを拗らせた方なので、大学入学とともに都内に上京してから妻と巡り会い、同棲を開始するまで14年程度一人暮らしをしていた。
拗らせたのも一人暮らしをしてみて改めて解ったことではあるが、独りで暮らしていても寂しいという感覚を持ち合わせていなかったあげく、炊事、洗濯、掃除からボタン付けやパンツのちょっとした丈直し程度まで、なかなか独りでなんでも出来てしまうタチのだ。
特に必要に迫られて、料理は込み入った和食の煮物とか以外のモノであればなんとか作れてしまうのであるが、なかでもスパゲティ周りのレパートリーは結構持ち合わせが多かったのである。
そんな中で、かなり手っ取り早く作れて美味しいのが今回の一枚の『帆立の水煮のスパゲティ』。
レシピは確か、阿川佐和子のエッセイで知ったはずである。
用意するモノは帆立の水煮の缶詰。出来れば貝柱がバラされていない方が自分は好きだ。それと炒めるときのバター一切れに、味を調える程度の塩胡椒、あとはスパゲティだけである。
フライパンにバターを溶かして、缶詰の中の貝柱を軽く炒める。好みだが、わたしは貝柱の表面がほんのりきつね色になるくらいが好みである。
貝柱を炒めたところに缶詰の水煮の汁を投入してスープを作る。
この時注意すべきは水煮の汁の量で、全部入れるとかなり塩辛いので味を見ながら入れること。
ちょい薄めに感じる場合には塩胡椒で味を調える。
出来上がったスープに茹で上がったスパゲティを絡めでお皿に盛り、刻み海苔があれば載せて完成。
かなり手っ取り早く出来て、塩バター風味に帆立の旨みが加わってなかなかの味わいである。