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体は屍でできている【Buriedbornes2】

はじめに

 『Buriedbornes2』というゲームがある。ジャンルはコマンドRPG/ハクスラ。価格は無料で販売先はSteam、Google play、App Store。 
 とても気に入ったのでBuriedbornes2ってどんなゲーム?という方のためにnoteでゲーム紹介をする。
※このnoteはver.1.0.10A:2024/02/11現在のバージョンを元に書かれています。

 「最も古く忌まわしい予言」に知られる古代の覇王が蘇り、地上世界を混沌に陥れた。覇王の侵攻に人々は協力し抵抗を見せるも苦戦。特に屍の四肢を繋ぎ合わせて生み出された"死せる者ども (Buriedbornes)"と呼ばれる死者の軍勢に苦しめられ、多くの英雄の命が奪われた。
 生存のために残された道はただ一つ。人類もまたBuriedbornesの秘術を用いた無限の死体を戦わせる他にない。
 かくして死者と死者による救いも終わりもない不毛な戦争が始まった。

……というのが大まかな筋書き。でも本編でこうしたストーリー要素はあまり語られない。

(※前作『Buriedbornes』の続編ではあるけどゲームシステムが同じなだけで未プレイでも問題なく楽しめる)


死線をくぐり抜ける快感

 このゲームの特徴は「奥深いダンジョンハクスラ」が「コマンド選択式の簡単な操作」で遊べる点だ。

 冒険中の画面は基本的に2つで、入る部屋を選ぶか、使うスキルを選ぶだけ。ダンジョンは無数の部屋から構成されており、選択画面で左右の部屋どちらに入るかを選択できる。部屋の中に敵がいれば戦闘になるし、サブダンジョンやその他イベントが発生することもある。

 世界観はダークファンタジーな感じではあるものの、基本はハクスラなので冒険中は特に物語の展開がなく気楽に遊ぶことができる。取得できるステータスが毎回変わり、どれだけレベルを上げても死んだらレベル1になってやり直し(ただし死体の一部を引き継いで強化できる)という点はややローグライク風といえるだろうか。
 敵を倒し、レベルを上げ、プレイヤーを強化し、ダンジョン最深部のボスを目指すといういわば王道のゲーム構成である。


ダンジョン内


様々なイベント
戦闘はターン制で進行する。所有する5つの中から使いたいスキルを選ぶだけ



 このゲームの面白さはじりじりと難易度の上がるダンジョンを経験と思考を使って攻略していくその過程にある。
 敵どもをなぎ倒して得られた魔石(ダンジョン内で使える一時的通貨)で強いスキルや装備を集める、と書かれれば陳腐に感じられるだろうが、このゲームの本質は多種多様なスキルとステータスだ。
 基本の攻撃魔法を色々見ていこう。

物理属性で鋭い一撃を放つ「バックスタブ」


反射ダメージを与える電撃網を張る「サンダーワード」


自身にデバフを与えながら虚無属性で攻撃する「エルドリッチテンタクル」
(※虚無属性は基本属性の1つで祈りや呪いによる攻撃)

スキルのクールダウンが長いほど威力の上がる「ボディプレス」


シールドを張るほどダメージが向上する「衝撃波」


召喚魔法も盛りだくさん


基本のスキルは全162種類

 こんな感じでもうこんな大量にある中から5つに絞るなんて無理でしょ、と言いたくなるほど多くのスキルが存在し、それだけ戦術にも幅が生じる。

 筋力伸ばして物理でゴリ押しでも良し、自傷と反射でテクニカルに攻めても良し、召喚魔法でお手軽に戦うのも良しだ。また耐久型のスキル構成にしたいと思ったときも「回避率をぶち上げる」のと「シールドを大量に展開する」のでは構成が変わってくるだろう。プレイヤーの好みを再現できるだけのピースが本作には存在しており、自由に組み合わせて冒険することが可能だ。そういうの、好きでしょう?

 さらに、バーストゲージをためることで多くのスキルは第二の姿に一時的に進化する!例えば上の「バックスタブ」は「首はね」に変化し敵のHPゲージを問答無用で1つ削ることができるようになる。
 さらにさらに、上の「ボディプレス」のようにオルトモードと呼ばれる第三の姿に変化するようなものもあるから、1つのスキルの取捨選択でも重要な要素になる。

 プレイ中は改造ボード(いわゆるスキルツリー)と相談しながらスキルを選ぶことが大切で、スキルに使用回数制限があるから定期的に入れ替えたり回復させたりしないといけないし、勿論敵も様々なスキルを使ってくるからそれに対処するための戦術も必要で……と考えていくと奥の深い世界がダンジョンの闇に広がっていることに気づかされる。

 敵との一戦一戦に気が抜けず、息が詰まってしまいそうな緊張感は流行りのアクションやシミュレーション系のゲームから得られない感覚である。 それでも一歩ずつ足を進めボスを倒したときの安堵からは病みつきの快感が得られる。……実際多くのプレイヤーに時間泥棒と言わしめている。
 取っつきにくいように思われるかもしれないが3倍速モードもあり慣れればサクサク遊べる所はかなり好印象だった。



 結局スキルを拾い集める単調なゲームかと思いきやそうではなく、ビルドの方向性に強く関わってくるのが冒険者のステータスである。プレイヤーは生者でなくつぎはぎの死体に魂を埋め込んで作られた存在であるから、ダンジョンに入る前には毎回開始前に種族職業出自を決めることができる。

キャラクター作成画面

 それぞれが固有の特殊性能を宿しているのだが、これも色々と種類があり「種族」であれば人間、エルフ、フェアリー、幽霊など全20種。ぶっちゃけ使いやすいのとそうでないのと差はあるが、犬とか芋虫とかあるの見るとマジで生き残るためなら何でもありなんだという気分になる。職業と出自もなんかそんな感じ。でも「復讐」に燃える「犬」の「侍」が世界救うところとか見てみたい……よね?

 組み合わせによってできること・得意なビルドが変わってくるため、膨大なスキルと照らし合わせてその時々に応じたビルドを思い描き、勘案し、時には窮地に陥りながらなんとか冒険者を成長させる必要がある。「自身に合った最高のビルド」を探すというゲーム体験は間違いなく楽しい。

職業「吟遊詩人」(Lv.1)のステータス

製作者について

 普段ゲーム紹介などしない私がこのゲームを紹介しようと思ったきっかけは本作の制作者が積極的にユーザーの意見を取り入れ迅速に改善の対応を重ねているところである。

  Discordコミュニティはカテゴリー別にユーザーの実情を把握できるよう意識している姿勢が伝わるし、X公式アカウントでは質問に対して迅速に回答してくれる。この点は前作(Buriedbornes)のノウハウが存分に発揮されているといえるだろう。
 初期こそUIの不備や序盤の理不尽な難易度、エラーの頻発などあったが、リリースからこのnoteが公開される一か月の間にかなり遊びやすくなったと感じている。
 複雑な部分もある本作であるが、今後より洗練されることに期待でき、長期コンテンツとして応援したくなる。

 ちなみに制作は個人開発で行われており、グラフィックやローカリゼーションを別にすればほぼ1人でこのゲームは制作されたらしい(凄すぎる)。

「ぬっしー」の愛称で親しまれる製作者。日本人。

おわりに

 本作は2024/01/10にリリースされたばかりであり、リリース直後のバグ取りが終わった今後はどんどん追加要素のアプデが入るようである。
 また本作はゲームとしていつ手に取っても最大限に楽しんでもらえることを基盤に捉えているそう。期間限定イベントなどプレイ時間によって不利になるようなことはしないようなので安心できる(時間限定のダンジョンは存在しているのであくまで長期的な視点での話)。

 それからインストールする前の注意点として、本作の倫理観念と表現について述べたい。本作は「死体」をモチーフとしているため犬でも人間でも殺される、解体する等の点がありダメな人がいるかもしれない。ただそれは「死体を解体して報酬を獲得しました。」など文章で表示されるに留まっており実際に死体の画像を見せられるわけではない(ホラーゲームではない)。また所々に流血表現がありこちらは画像で表示される(上の画像の「首はね」のアイコンなど)。

何はともあれおすすめのゲーム。睡眠時間はちゃんと確保しよう。
『Buriedbornes2』はSteam、App Store、Google Playで無料配信中。

https://nussygame.com/bb2/about/
(公式HPサイト)



おまけ

 この先はゲーム紹介とは関係ないので読まなくても構わない。筆者がプレイ序盤でつまずいた点について書いておくのでこのnoteきっかけでインストールした方は読むと助けになるかもしれない。

〇 ダンジョン多すぎてどれから遊べばいいか分からん
→ワールドマップ画面右下のリストからダンジョンや施設の一覧を見ることができる。まずは一番上の「街道」から始めて、「洞窟」、「尖塔」……と進めるのがよい。

〇ユニオンどれがいいの
→ユニオンはアンロック型で一度加入したユニオンにいつでも戻れるしどれも重要な報酬を得られるので選ぶのはどれでもいい。 はじめは直観と雰囲気で選ぶのがゲーム体験として楽しいとは思うが、あえておすすめするなら種族「エルフ」や契約「防衛線」(契約「儲け話」とのコンボで装備を改良し続けられる)など強力な報酬のある「誓いの互助会」がよいかも。

〇スキル説明の「自身の筋力または魔力 150%」とかってなに
→実は毎回の使用ごとにランダムで選ばれるのではない。この例なら筋力と魔力のどちらか高い方のステータスを常に参照する。そのためステータスはまんべんなく伸ばすのでなく一つに集中させた方が強い。

〇スキル説明の「威力強化」ってなに
→上で述べた基礎ダメージに倍率でダメージを強化してくれる。本文で挙げた「エルドリッチテンタクル」であれば自身の狂気60%のとき、その50%(半分)の倍率が乗って威力1.3倍になる。狂気100%なら威力1.5倍。

〇耐久型の敵が一生回復/回避してきてつまらん
→戦闘画面のメニューから逃走することができる。混乱中などオート進行のときも使える。スキル使用回数を消費するので判断は早めに。

〇急にスキル残数が切れて負けたんだけど?クソゲー?
→初心者みんながつまずくところ。全てのスキル使用回数が0になると死亡する。「回数保護」のついた防具をつけるか状態異常耐性を上げてスキル回数を減らしてくる「石化」を防ぐ、またはサモン系のスキルで代わりに戦ってもらえば対策できる。

〇敵のHPスタックいちいち削るのめんどい
→ステータス「トドメ」を上げるとクリティカル時に確率で相手のHPスタックを削る。職業「執行者」は元からトドメ30%を所有しておりさらに削るスタックが倍になるのでお試しあれ。

Discordコミュニティや公式Xアカウントから他にも有益な情報が得られるのでチェックすべし。


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