ゲーム感想記事#4 メトロエクソダス
お疲れ様です。
軌跡シリーズ新作をポチったのはいいものの、予約タイミングが遅かったため配送が来週になると知り絶望している筆者です。
(10/22追記 投稿時には既に届いてクリアしています)
今回は前回の記事で紹介した『メトロリダックス』の続編にあたる『メトロ エクソダス』のプレイ感想記事になります。
本作について
前作同様、ドミトリー・グルホフスキー氏の著作『METRO2035』を原作とした一人用FPSゲームである。
日本版の販売元は前作と同じくスパイク・チュンソフト。
プレイ雑感
新要素の数々
今作では、昨今のゲーム事情に合わせてか様々な新要素が導入されている。フィールドで素材を回収してアイテムを作成するクラフト、任意タイミングでの銃器や装備のカスタマイズ(過去作ではガンショップでのみ有償カスタムが可能だった)など、今までのテイストを残しながらも大きく様変わりしている部分も多い。
プレイ中、いい部分も悪い部分も生み出してしまっているので賛否が分かれる要素だったなと感じた。
クラフト
探索型ゲームでは珍しくもなんともなくなったいつものやつ。
素材を拾って、組み合わせて、弾薬や回復薬を作るアレである。
今作でも取り入れられており、序盤の方でバックパックを作業台代わりにすることで基本いつでも作成可能になる。
治療キットや弾薬に加えてガスマスクのフィルターや投げナイフや火炎瓶といったサブウェポンも随時作成可能になっていく。要らないアイテムは分解して僅かな素材を得ることも可能。
ここまで書くと非常に便利そうだが、大きな落とし穴も同時に抱えている。
そう、クラフト前提の難易度である。
前作まではアイテムは基本拾得か追い剥ぎでの入手であり、道中立ち寄るセーフエリア(地下鉄駅)の露店で購入することも可能、といった塩梅だった。
今作では購入システムそのものが消滅してしまい、拾得できるアイテムも大半がクラフト素材である。
そのため、弾薬の入手手段が追い剥ぎメインになっており、不足する弾薬は適宜クラフトせざるを得ない状況が多くなった。
それはまだいい。問題はその他アイテムである。
ガスマスクのフィルターは拾得ポイントが少ないため一気に貴重品となり、治療キットに至ってはほぼ拾得不可能アイテムとなってしまった。
難易度を下げて遊んでいれば物資は多く手に入るが、難易度ノーマル相当で遊ぶとまぁ足りない。
今作では主人公アルチョムが虚弱体質になったのかHPが少なく、体感だが前作よりもあっさりくたばるため治療キットの消費も激しい。特に初見では回復した数秒後には瀕死、ということも少なくなかった。
その結果、治療キットをひたすら作成したしわ寄せでフィルターや弾薬を作成する素材が殆どない、という状況に多々陥った。中盤辺りから本当にしんどかった。
筆者が下手糞なのかゲーム側の調整不足なのかは分からないが、正直アイテム配置を何とかしてほしかった感はある。せめて直泥すれば……。
カスタム要素
まぁ前作から武器のカスタム自体はできたが、今作では武器パーツをその辺で拾ってくることで任意のタイミングでの換装が可能となった。
逆に言うと取得していないパーツは使えないという事なので、フィールド探索の重要性を大きく上げている要素と言っていいだろう。
また、フィールドの各所に設置されている作業台を使うことで、武器のメンテナンスやフラッシュライトなど各種装備の換装も可能となった。
武器のカスタムは前作と殆ど変わらない部分も多い。
グリップ(ストック)、マズル、スコープ、マガジン、レーザーサイトの項目が基本で、クロスボウは特殊項目が別途存在する。
それぞれで好きなパーツを使い、自分にとって使いやすい、或いは場面に応じたカスタマイズで以て状況を打破することが可能となっている。
その気になればリボルバーをスナイパーライフルとして過不足なく運用できるといえば、その自由度が伝わると思う。
しかしこれも欠点がいくつかある。
ひとつは入手していないパーツは使えないこと。
筆者はマジで見落としていたため、一周目ではAKのスコープがリフレックスサイトかx6しかない、みたいなバカの二択になっていた。ほんまにつらかった。
そしてもう一つは武器のメンテナンスが必要という部分だ。
何を思ったのか、今回の開発は武器に清掃の概念を持ち込んできた。
いや確かにリアル追及の面では素晴らしいのだが、これはシューターゲームである。普通に面倒な要素としか言いようがない。
これは上述の作業台でしか行えないため、こまめにやらないとかなりのデメリットを背負わされる。具体的には弾詰まり(ジャム)の頻発に始まり、最終的にその武器が使用不可になるというもの。
人によっては何回か武器をダメにしそうな要素である。筆者もボス戦でスナイパーライフルが詰まりまくって普通にキレた覚えがある。
なんでもリアル志向にすればよいというものではない典型例といえよう。
また、今回は武器以外もカスタム可能となっており、フィールドで拾得することでヘルメット及びガスマスク、フラッシュライト、ベスト(アイテムポーチ)、腕部(ブレーサー)ガジェットの変更が可能。
これもやはり拾っていなければ使えない事と、明らかに有用性に差があるものが存在するので、実際はあまり択が無い。
フラッシュライトは高輝度が一番使いやすく感じるし、ベストは弾薬ポーチの拡張、ブレーサーはコンパスが安定択だろう。
頭部は拡張フィルター(フィルター持続時間向上)、強化ヘルメット(防弾性能向上)、強化ガラス(ガスマスク耐久性向上)のいずれも有用なため、適宜使い分けたい。
ちなみにコンパスは前作までは標準装備だったため、ここ選択式になるのか……とやや残念な気持ちになった。
地上への進出
実は汚染された区域は今やそう多くなく、地上にも人類の生存圏がちゃんと存在していた。今まで存在が明らかにならなかったのは、特定の勢力が電波妨害して秘匿していたから。ちなみに主人公アルチョムの上官(義父)ミラー大佐はそのことについて知っていたが黙っていた。
……何の何の何!?
まぁ義父はまだ戦争は終わっていないと思っていた(吹き込まれていた)から仕方ないし、作中通してみれば結構お労しいお人なんだけども。
今作の冒頭で人類の生存圏を信じていたが故に狂人扱いされていたアルチョムも可哀想過ぎる。でも実際、輸血が必要なレベルでミュータントにボロカスにされてるのにも関わらず、懲りずに何回も地上に出るアルチョムは狂人扱いされても仕方がない。
結局、序盤で地上の生存者を秘密裏に抹殺していた勢力の妨害電波装置を破壊したうえで蒸気機関車を分捕って地上へと進出を果たす。
追手も爆殺したので当然元の生活に戻れる訳もなく、主人公一行はロシア各地を放浪し、安住の地を求めることとなる。
地上のロケーションは様々で、季節の変化と共にいくつかのステージを訪れる。湿地帯や砂漠、森林に囲まれた渓谷、戦争の爪痕が残る廃墟都市。
過去作では殆ど地下鉄で過ごすゲームだったため、ガスマスク無しで地上を散策できるのはそれだけで楽しい。勿論、過去作同様美麗なグラフィックは健在。
シナリオ分岐
今作も例によってエンディング分岐が存在する。
しかし前作までとは違い、分岐条件が緩い。というかまともにやっていたら普通にグッドエンド直行の可能性が高い。
前作までの様に『意識していないと辿り着けない』ものではないので、一周目でグッドエンドを見れるのは嬉しい……のだが。
問題はバッドエンドを見る条件が厳しいこと。
モラルに反するような行為を行って”カルマ値”を下げなければならないほか、敢えて仲間が死ぬような選択肢を取らなくてはならない。
これが結構なストレスで、シナリオ中「なるべく殺すな」みたいなことを言われても関係なしに見敵必殺せねばならない。
前作までならほぼほぼ心が痛まず実行可能だったが、今作ではそれぞれに事情があるせいで殺すのに気が引ける場面が多い。気にせずぶっ殺せるのは1ステージくらいのものである。
終わりに
一本のゲームとしては結構楽しめました。粗削りな部分はあれどオープンワールド風FPSとしての完成度はそれなり。でもメトロ続編として見ると、追加された要素の悉くがノイズとして作用している部分も多かった印象。
でも銃のカスタムに関しては本当に楽しかったです。ロマンと拘りを無限に感じる仕上がりでした。
なんかVR専用の新作がState of Playで発表されていたっぽいんですけど、筆者としては普通に新作タイトル出してほしいですね。気長に待ってます。
次回各記事は未定ですが、映画関連とかで書けたらいいなぁ。あとゲーム感想。
それでは。