「人を中心に捉え、より良いかたちをつくる」デザインで、クライアントと共創する
マネーフォワードエックスカンパニー公式noteです。
今回も共創サービス本部のお取組みについてご紹介します!共創サービス紹介第2弾としては、共創サービス本部 チーフサービスデザイナーの佐々木さんより、共創サービス本部が提供しているデザイン支援について語ってもらいます。
共創サービス紹介第一弾の記事は、こちらよりご覧ください。
マネーフォワードエックスカンパニーの「共創サービス」において、私たちは広い意味でのデザインのアプローチによって、クライアントと共に課題解決に挑んでいます。
私たちは、「人を中心に捉え、より良いかたちをつくる」ことがデザインの力であり、社会やユーザーに価値を届けられると信じています。
今回は、自社SaaSやこれまでのサービス企画での経験をもとにした方法論(MFSD:Money Forward Service Design)を活用した、以下のようなプロジェクトの代表的な活動をご紹介します。
仮説づくりのためのワークショップ
仮説に基づいたプロトタイプ作成
現状課題の把握/プロトタイプの評価のためのリサーチ
1.仮説づくりのためのワークショップ
プロジェクトの初期では、仮説づくりのためのワークショップを半日〜一日程で行っています。
多様な関係者の視点を取り入れて、現状の課題、アイデアの仮説をつくることで、プロトタイプ作成へ向けてプロジェクトチームの認識を合わせます。
例えば、構想している金融サービスによってどのようなビジョンを目指したいのか、対象ユーザー/ステークホルダーにはどのような人がいるのか、現状のユーザー体験の中でどのような課題があるのかを視覚化します。
現状の事業課題、ユーザーの課題の仮説を踏まえて、どのような価値を提供できれば良いかを考えます。
そして、提供価値を実現するアイデアを幅広く展開し、事業/ユーザーへの影響度、実現可能性などの視点でアイデアを絞り込みます。
仮説づくりのワークショップでは、短期間でより良い仮説をつくるために、テーマに関わる社内外の知見を事前に集めてプロジェクトメンバーで共有することで、ベースとなる知識レベルを高めることを心掛けています。
例えば、自社SaaSで開発してきた領域やその対象ユーザーについてリサーチしてきた知見がある場合は、その情報を整理してワークショップのインプットに活用します。
また、会場設営、備品の使い方なども含めたナレッジを活用して、制約条件に応じてワークがしやすい場作りを心掛けています。
ワークショップに対して、クライアントの方々からは以下のような声をいただいています。
多様な視点で意見を共有できたことで、自分たちだけでは気づけない課題に気づけた
アイデア出しの環境が整えられており、提供価値からのアイデア展開の仕方が学びになった
2.仮説に基づいたプロトタイプ作成
ワークショップで展開したアイデアをもとに、ステークホルダーの要求、ユーザーにとっての魅力、使いやすさ、実現性などの評価の目的に合わせたプロトタイプをつくります。
プロトタイプでアイデアを視覚化することで、より具体的な問題点やアイデアの深掘りがしやすくなります。
例えば、初期段階のコンセプトを評価したい場合は、ユーザー体験のストーリーの文章、サービスの利用イメージを視覚化するストーリーボードをつくります。また、機能の使いやすさを評価したい場合は、いくつかのタスクの操作を体験できるUIプロトタイプをつくります。
特に初期段階のコンセプトを視覚化する際は、アイデアによってどのようにユーザーの体験が変わるのかを想像しやすくするために、ストーリーの構成要素(登場人物、状況、出来事、行動、心の声、言葉づかいなど)を考慮して生き生きとしたストーリーに落とし込むことを心掛けています。
プロトタイプ作成に対して、クライアントの方々からは以下のような声をいただいています。
仕様書のような文章ではなく、ユーザーの気持ちを文章にすることで、サービスの利用イメージが伝わりやすくなることがわかった
タイトなスケジュールの中、スピード感をもって高品質なプロトタイプを作成していただいた
3.現状課題の把握/プロトタイプの評価のためのリサーチ
現状の課題の仮説、作成したプロトタイプをもとに、対象ユーザーの現状の把握、検討したコンセプトやUIの使いやすさの評価のために、定性/定量のリサーチを行います。
例えば定性のリサーチでは、対象ユーザーのタイプごとに数名に対してインタビューをします。
インタビュー結果を分析し、対象ユーザーにとっての価値、ユーザーのタイプごとに求められる機能、操作における問題点などを明らかにします。
インタビューにはクライアントの方も同席して、一緒にお話をきくこともあります。
リサーチの成果を最大化するために、これまでの多様なリサーチの経験に基づいて、リサーチの目的、制約に応じて、問いの設定とアプローチ方法を検討しています。
また、マネーフォワードはVALUES(行動指針)の一つに、「User Focus」を掲げています。
ユーザーのリサーチにおいては、ユーザーの期待や想像を超えた価値を提供するために、リサーチ結果を多様なプロジェクトメンバーの視点で複眼的に分析し、新たな気づきや意味を共有したり、本質的な価値を導出することを心掛けています。
リサーチの活動に対して、クライアントの方々からは以下のような声をいただいています。
ユーザーのデモグラフィック情報だけでは、ターゲティングが難しいことを実感した
大量のデータから検討することも大事だが、ひとりのお客さまと向き合い、表情を見ながらお話を聞くことも重要だと気づいた
インタビュー結果を掘り下げることで、顧客の深層ニーズを把握するという活動が学びになった
おわりに
今回は、パートナー企業とサービスを共創していく流れの中で、代表的なものをご紹介しました。
実際のプロジェクトでは、状況に応じて柔軟に設計し、あらゆる場面で共創のためのワークショップ、プロトタイプ作成、リサーチ等の活動を行います。
私たちは、デザインの力で、個人、法人、全ての人のお金の課題を解決し、人生や事業をより前に進めていくためのお手伝いをしていきます。
共創サービスに興味をいだいていただき、何かの課題感を抱えている企業様がおられれば、以下よりお気軽にお問い合わせください。
また、マネーフォワードエックスカンパニーのデザイナーの活動やナレッジについての記事を集めたマガジンもあります。ぜひご覧ください。