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人は誰しもが「老害」になるものなのか?

なぜ人は「老害」になるのか?

ふと考えたことがある。

「私たちも年を取ったら、同じように『老害』になるのか?」

「老害」という言葉は、今や当たり前のように使われる。

特に、変化を拒む年長者に対して使われることが多く、

  • 「自分が正しい」

  • 「変化を拒む」

  • 「若者の価値観を否定する」

といった特徴があるとされている。

でも、もしこれからの時代が
「変容し続けることが当たり前」になったとしたら?

「変わらない」ことが標準だった時代とは、違う未来が待っているのではないか?




変容し続ける社会を生きた世代は、変わり続ける老人になれるのか?

私たちはすでに、「変化が前提の社会」 に生きている。

テクノロジーは急速に進化し、価値観はどんどん変わる。
「昔のやり方が正しい」と言い続けることは、もはや通用しない。

つまり、これからの人生で経験するのは、
「変化に適応し続ける生き方」 であり、
そのまま年を取ると、従来の「老害」世代とは異なる価値観を持つ可能性がある。

でも、ここで一つの疑問が生まれる。

「人は年を取ると、本当に変化を受け入れにくくなるのか?」


脳の可塑性と環境の影響

科学的には、年を取ると脳の可塑性(変化する力)は低下すると言われている。
でも、「低下する」からといって「ゼロになる」わけではない。

変化を受け入れ続ける老人と、拒む老人の違いは何か?

私の祖母は、80歳を過ぎてもピアノを始めたり、新しいことに挑戦し続けている。

それだけでも十分に柔軟な人だと感じるけれど、
彼女の「柔軟性」が最もよく伝わるのは、世代間の対話のときだ。

私自身、年齢を重ねるにつれて、自分の考えが確立し、
社会の価値観の影響を受けるようになった。

高校・大学へ進む頃には、私が話す内容にも、
その時代ならではの価値観が自然と反映されるようになっていた。

そうした変化の中で、祖母との対話がどうなるか、
最初は少し気になっていた。

けれど、祖母は決して「昔はこうだった」と押しつけることはなかった。

「今の時代はそうなのね」
「それはおもしろいわね」

と、価値観の違いを拒絶せずに受け入れてくれたのだ。

世代が違っても、「興味を持ち続けること」 さえできれば、
こんなにもジェネレーションギャップを感じさせないのかと驚いた。

「老害」と呼ばれる人との決定的な違いは、
新しい価値観に対する姿勢 なのかもしれない。


変容を続けるために必要な環境とは?

「老害」は、ある日突然なるものではない。
若いうちから変容を習慣化していれば、高齢になっても変わり続けることができるのではないか。

つまり、変化を受け入れる柔軟性は、
シニアになってから努力するものではなく、若いうちから身につけるもの なのだ。

では、どんな環境が必要なのか?

☑︎ 変化に慣れ親しむ習慣を持つ
 → 新しい考えや技術に触れることを楽しむ姿勢を、小さい頃から当たり前にする。

☑︎ 「学びは一生続く」という文化をつくる
 → 学びは学生時代で終わるものではなく、どの世代でもアップデートが必要だという考えを根付かせる。

☑︎ 世代間の交流を当たり前にする
 → 若者と高齢者が対話する機会を増やし、世代ごとの価値観を互いに知る習慣を作る。

☑︎ 「変わらないことが安心」ではなく、「変わることが当たり前」にする
 → 変化を前向きに捉え、「新しいことを学ぶのが普通」という価値観を広める。

こうした環境があれば、年を取ってから無理に変わろうとするのではなく、
自然と「変わり続ける生き方」ができるようになる


未来の「老人像」は二極化する?

もし「変容し続ける社会」が実現したら、
私たちの世代が老人になったとき、次の2つのタイプに分かれるかもしれない。

🟢 変容し続ける老人
✅ 新しいことに挑戦する
✅ 若い世代の価値観も受け入れる
✅ 好奇心を持ち続ける

🔴 変容を止める老人
❌ 昔の価値観に固執する
❌ 学びをやめる
❌ 変化を拒絶する

環境が整えば、変容し続けることができるが、
逆に変化を拒む環境にいると、老害化してしまう。

私たちが「老害」にならないためには、
いかに 「変容し続ける老人」の割合を増やせるか がカギになる。


まとめ:「変容を前提とした社会」が老害をなくす

「老害」とは、個人の問題ではなく、環境の問題でもある。

変化を受け入れないのは、その人が
「変わらなくてもよかった」環境で生きてきたから。

でも、もし私たちが 「変容し続けることが普通の社会」 を作ることができたら?
今の「老害」とは全く違う、「進化し続ける老人」 が生まれるかもしれない。

そのためには、
☑︎ 学び続ける環境を整える
☑︎ 世代間の交流を活発にする
☑︎ 「変化が当たり前」という文化を作る

つまり、変容し続けることが、
世代間の対立を減らし、より豊かな社会を生む。

「そうなれば、やがて『老害』という概念は過去の遺物となるだろう。」

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