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2025年万博こそ、デザインを信じられる万博であってほしい。

「はじめて万博 最終号」の制作話も全く書けず、「はじめて万博展」の準備や在廊でバタバタしているうちに、なんと、2025年大阪・関西での万博開催が決定しました! びっくり。

これはね〜マズい。マズいですよ。こっからの7年間が、めちゃ大変。大変なのは決まってるもんね。熾烈なコンペ合戦が始まり、莫大なお金が動き、一時的な仕事が増える。たった半年間のイベントのために、お金も人も動く動く。

2020年東京五輪後に来るであろう経済の落ち込みを5年、延長できただけじゃん。とか、
カジノとセットなんでしょ、結局お金でしょ。とか、
SDGsの解決とか、嘘くさ〜。とか、
そんなことよりもっと逼迫した問題に税金使うべき。とか。

批判はあって当然だし、多様な業界の企業や人が関わる分、意見の対立もたくさん起こるでしょう。万博開催するからこそ発生する問題もいっぱいある。それでもやっぱり私は、批判や反対ではなく期待をしたい。

実は振り返ってみると、1970年の大阪万博も、2005年の愛知万博も、そして2020年東京五輪のロゴコンペ問題も。「デザイン」はなんだか負け気味だ。

「オリンピックと万博 ──巨大イベントのデザイン史」暮沢剛巳(著) によると、70年万博では個々のデザインは洗練されていたものの、イベント全体としてのデザインディレクションは上手くいったとは言えなかったそう。さらに私の愛読書「デザインのデザイン」原研哉(著)の中でも2005年愛知万博について「あったかもしれない万博」として当初の構想が語られているが、それは実現していない。(当初の構想はかなり緻密で知的で、エコ祭りみたいな実際の万博とは全然違った…!)

はっきり言ってしまえば、行政や経済界とデザインは相性が悪いのだろう。私たち下々の者にはわからない、大人の事情も多分にあると思うし。

それでも、2025年に大阪万博はやって来る。有名デザイナーでも、大手広告代理店の人間でも、なんでもない私だけれど。次こそはもっと「デザイン」や「アイディア」、平たくいうと「クリエイティブ」に期待して、信じてもらえる万博であってほしい。

過去から学び、同じ轍を踏まぬように。だって本来、課題解決はデザインの得意分野のはずだから。

最後に、「デザインのデザイン」第7章 あったかもしれない万博 より、今胸に刻んでおきたい言葉を引用します。

「核反対」とか「戦争反対」というような何かを反対するメッセージをつくることに僕は興味がない。デザインは何かを計画していく局面で機能するものであるからだ。環境の問題であれ、グローバリズムの弊害の問題であれ、どうすればそれが改善に向かうのか、一歩でも好ましい方向に進めるためには何をどうすればよいのか。そういうポジティブで具体的な局面に、ねばり強くデザインを機能させてみたいと考えている。


最後の最後に宣伝。せっかちな関西のクリエーターたちが、7年後のアイデアをいち早く提案している「はじめて万博展」、11/30まで開催中です。


「はじめて万博展」

開催期間:2018年11月21日(水)~11月30日(金)
開催時間:11:00~19:00
会場:STARRYWORKS inc. 1F(大阪府大阪市中央区谷町4丁目3−7)
料金:無料




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