くくり罠設置場所の選定方法!
ついに狩猟期が始まりましたね!猟期の関係上、フライングして書くこともできず、事後になってしまいすいません。既に、仕掛けてしまった方もいるかもしれませんが、猟期中通しての参考としていただければ幸いです。
前回までは罠の仕込み(埋め)まで紹介しました。
なので、早速ですが今回は埋めていた罠を掘り起こしから再開しますね。
前回罠を埋めた理由は、新品のワイヤーには金属光沢があるのですが、埋めるとくすみが発生して、ギラつきを軽減することができます。さらに、現場の土の匂いをつけることが出来るので、より獲物に悟られにくい罠に仕上がります。
ネットでは灯油に漬けるとか、木の皮と一緒に煮るとかありますが、街中の場合現実的ではないので、これが一番いい方法かなと思っています。
罠を回収したら、仕掛ける場所探しです。
ここで、いい仕掛け場所の見極め方3か条!
①車を止めるスペースが近くにあること。
獲物の搬出が楽+他の車の邪魔にならない(苦情対策)
②近くにきれいな川が流れていること。
牡丹鍋やの師匠曰く、おいしい肉にするためにはいかに早く獲物を冷やし、血抜きを徹底するかということなので、冷却・血抜き用として、水深50cm前後ある川は必須です!
③近所の畑に電気柵などがあること。
電気柵などがある=獲物が出現する地域であり=獣害に困っているため猟師はの存在はありがたい。
私はこの3つが揃った場所でしか仕掛けないことにしています。
このような場所を見つけることができたら、次はけもの道の探し方です。
まずは農道や林道と隣接する山林の入り口を散策しましょう。上記の条件がそろっていれば、必ず獣の往来する獣道があるはずです。写真じゃわかりにくいですが(写真中央)、頻繁に往来する場所では、草木が生えておらず、土がむき出しになっています。
そして、その藪の向こうに彼らの世界が広がっているわけです。
しかし、この獣道からは山に入らないでください!獣道の上には絶対に足を置かないこと!人が踏んだけもの道は、人間の匂いが残り獣の往来が途絶えてしまいます。
なので、けもの道から少し脇の藪からエントリーします。
このような人の通り道と獣の通り道の境目には、よくイバラが生えています。間違ってニギニギしないように要注意。この時に活躍するのが、モンベルのロガーサーマルジャケットと皮手袋です。イバラの棘からあなたを守ってくれることでしょう!
濃い藪を抜けたら、しばらくけもの道を辿ってみることをお勧めします。けもの道の判断は馴れとしか言いようがありませんが、葉っぱの向きが周囲とは明らかに異なっていたり、踏まれることによりフワフワしていない、草が生えていない等があります。この点に関しては観察を続けていくしかないですね。
そしてけもの道の上にも多くのヒントが隠されています。例えば、道沿いの木の側面に写真のような白い汚れがあった場合、イノシシが利用していることが推測されます。彼らは寄生虫を落とす単にヌタウチと言う泥浴びを行うため、このような痕跡が残ります。この泥の付着する高さから、獲物の大きさを知ることも可能になります。
他には糞も分かり易いヒントです。ウェッティなものほど新鮮で、よく使われるけもの道である証拠と言えます。
その他に、足跡もよく言われますが、よっぽど条件がそろわないときれいな足跡にならないため、私は参考程度にしか考えていませんね。
さぁ、通過する獣のイメージが持てたら遂に罠を仕掛ける場所を決めていきましょう。
私のやり方としては、なるべく人里からは離れたところ(とはいっても50~100m程度)から仕掛けていきます。なぜかというと、彼らにとって山の奥のほうは安全なため、比較的自由に動き回るので、多くのけもの道が発生します。しかし、人里に近づくと危険が増すため、できるだけ多くの個体が通っていて安全な場所を通ろうとするので、けもの道が集約されていきます。そのため人里近くのけもの道で仕掛けて捕ると、大元を断ってしまい彼らにとって大きな混乱をもたらすことに繋がります。なので、シーズン初期は奥の方、後期は手前の方に仕掛けたほうが、1つの山で長く安定して取ることが出来るようになります。(持論ですが・・・)
最後に仕掛けるけもの道が決まったら、ポイント決めに入ります。
ここではくくり罠と言うことで話を進めていますので、くくり罠を固定するためのアンカーがある場所でなければ仕掛けられません。直系10cm以上の木が罠の届く距離にある場所を見つけてください。ここで注意が必要なのが、植林地の杉などに括り付けると獣が暴れて気が傷つき、損害賠償などの事態に陥ることがあるため、明らかに林業がされている木は避けたほうがいいので、広葉樹の方が無難ですね。
ここから先は罠の設置になりますが、あまりにも長くなってしまうので、今回の記事はここまでで、次の"くくり罠設置のコツ"にて紹介したいと思います。