Sexy Zoneさんのファンが羨ましい話
私は、Sexy Zoneと、Sexy Zoneのファンがうらやましい。
キラキラのステージの上でぴかぴかと光るスポットライトを浴びて、きらっきらの笑顔とピッカピカの愛を振りまいてくれる彼らは、まぶしくて仕方ない。
彼らが「君」と言えば、それは「私(あなた)」だし、「幸せ」と言えばそれは言葉通り「幸せ」なんだと思えるし、「大丈夫」と言われれば「大丈夫」なんだろうと思う。
それくらい、彼らはまっすぐだ。
メンバー全員が、異例と言ってもいい早さでデビューしたSexy Zone。
正直、それだけでとてもうらやましい。
デビューから数年経った今ですら、最年長が20代半ば。
全然今からでもなんでもできる。すごい。若いってすごい。
「何もせずに今の彼らがある訳じゃない」
「辛いこともあったし、今だって全部が全部幸せじゃない」
そういう意見はもっともで、確かに彼らのデビューしてからの日々は他のデビュー組と比べても波乱万丈だ。
ただ最近になって私は、「彼らはジャニーズJr.でいられなかったのかもしれない」と思うようになった。
メンバーの変動や、メンバー同士のいろんなこと。
先輩が主演の舞台というアウェー戦での戦い方や、ステージ上での立ち居振る舞い。
そういう他の先輩たちがJr.の頃に経験してきたことをデビューしてから経験し、その度に研磨されてきたんだなあと思う。
少年から青年へと変わっていく狭間でその時間を過ごしてきた彼らは、想像もつかないほどの荒波に揉まれてきたんだろう。
私が彼らはジャニーズJr.でいられなかったのではないかと考える理由のひとつに、年長2人の存在がある。
正直、お兄ちゃん2人は本当にJr.に向いていなかった。
本ッ当に Jr.に 向いてなかった
年々記憶が曖昧になっているからというのもあるけれど、彼らが誰かの後ろで踊っているのを見た記憶はあまりない。
ステージの2列目は、Jr.にとっては最前列。
でもあの2人にとってはそれが言葉通りの2列目でしかなかったからこそ、今があるんだろうなとも思う。
彼らは本当に目立つのが上手かったし、貪欲だった。
そして何より、2人揃うと誰にも負けないくらいの華があった。
とはいえJr.のテッペンを獲って引っ張っていくには入所も遅く、上も詰まっていた。ファンから受け入れられてない印象も、少なからずあった。
それならデビューさせてしまって違う場所で競わせようというのは、今なら納得出来る選択だと思う。
Jr.だった頃の彼らが頑張っていなかったとは言わないし、悔しい思いをしなかったとも思ってない。
けれど他のJr.のファンにとって2人は、本当に脅威だった。
そんな2人が入所から10年以上経った今、周りがどれだけ変わってもずっと変わらずに隣にいてくれることは、ひとつの救いだと思う。
あの頃、彼らの登場はまさに青天の霹靂だった。
あっという間にスターへの階段を駆け上っていったけれど、今もまだその途中にいるんだろう。
いつでも競い合うようにその階段を上り、たまにどちらかが息切れをすればもう片方が不敵に笑う。
けれど、顔を下げようとすれば腕を引き、拳を合わせたりする。
そんな姿が、私たちに果てのない夢を見せてくれる。
そしてもうひとつの理由は、年少2人の存在。
Jr.の中には、いつの時代も「グローバル枠」といわれるような存在がいる。
一時めちゃくちゃ推されてぴかぴかの衣装でマイクを持って歌わせてもらえるけれど、気付けばいつの間にか居なくなっている。
それが、私の中のグローバル枠の印象。
先を急ぐようなデビューは、そんな刹那的な存在になりえた末っ子を繋ぎ止めるためだったのかもしれない。
未来に無限の可能性を秘めている少年をあの箱庭のような事務所に留まらせることは、きっととても難しい。
これはもう一人の弟くんにも言えることで、当時静岡から新幹線で現場に通っていた彼を繋ぎ止めるというのも、デビューさせてしまう要因のひとつだったのかもしれない。
Jr.でいる期間が短いと、デビュー組のファンに知られる機会は極端に少ない。
本来であれば先輩のバックについて覚えてもらい、あわよくばいっしょに応援してもらうというのがセオリーだと思う。
それがほぼゼロに近い状態でデビュー組と肩を並べるというのは、途方もないことのように感じる。
じゃあJr.歴が長ければいいの?と言われれば一概にそうではないけれど、本当にSexy ZoneはJr.でいられない子達が集まったグループだったのかもしれない。と今なら思う。
華々しくデビューした後、色んな壁や試練にぶつかりながら前へ前へと進んできた彼らの輝きは、本当に、ほんとうに、まぶしい。
Sexy Zoneは今年、3月から全国ツアーを予定していた。
そのツアーは全公演が中止(現段階で振替公演未定)になってしまったけれど、Youtubeとジャニーズ事務所有料動画サイトで配信された「Johnny‘s World Happy LIVE with YOU」でも、その輝きは健在だった。
どちらの公演にも、Sexy Zone以外のファンでも知っているような曲や、ファンが不安を感じている今こそ聞きたい曲が、まるで宝箱のように詰め込まれていた。
「Cha-Cha-Cha チャンピオン」や「勝利の日まで」といった、バレーボールのテーマソングを中心に組まれたセットリストは暗い気持ちを少し拭ってくれた。
そんな曲たちと一緒にメンバーの口から繰り返される「ニッポン!ニッポン!」というお馴染みの掛け声に励まされたのは、きっと私だけではないと思う。
そして対称的に「MELODY」や「ぎゅっと」、「君だけForever」という、そっと寄り添ってくれるような曲が要所要所に散りばめられていたのも印象的だった。
やさしく微笑みながら歌い、「大丈夫だよ」「一緒にがんばろう」と話す彼らは、間違いなく「アイドル」そのものだった。
彼らはこの夏、8年間在籍していたレコード会社から「RUN」という新曲と共に新レーベルへと移籍を果たす。
Sexy Zoneの新章を彩る曲の初披露は、3月の下旬。
あのステージは今思い出しても鳥肌が立つほど、鬼気迫るものがあった。
メンバーの中島健人とKing&Princeの平野紫耀が主演を務めるドラマ「未満警察」のW主題歌でもあるその曲は、ドラマのテーマはもちろんだけれど、まるで今のSexy Zoneを表しているかのような歌詞が綴られている。
力強く歌われる
止まらないで 止まらないでよ
僕らはまだ始まったばかりさ
という言葉は、彼らに走り続けてほしいと願うファンの背中すらも押してくれるような気がする。
私は、Sexy Zoneと、Sexy Zoneのファンがうらやましい。
私にも、応援しているアイドルがいる。
その人は、私の世界でいちばん綺麗な人だ。
それと同じようにSexy Zoneと新たに出会い、ぴかぴかの宝石みたいな彼らを唯一と呼べる人たちが、うらやましくて堪らない。
今メンバー同士が笑いあい、ファンと同じ未来を見つめて「もっと高い場所に連れて行くよ」と約束してくれる。
それを信じさせてくれる。
それだけでファンという存在はなんとなく、自分を許せる気持ちになると思うのだ。