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利潤よりも体面のほうが大事らしい

年齢の壁ってやつで求職活動がまったく捗らない状況に陥り、ようやく最近になって1社だけ兼業先を得た。本業と同業なのだが時給は半分以下での契約。働かないでぶらぶらしてばかりいるよりはましだろう…と思って始めた次第だ。だけど早くも…私の心中には暗雲がたちこめている。

数日前にきた一通のメール


私は私のやり方で仕事をやっている。それでちゃんと顧客満足を得ている(という自負がある)からだ。

数年来任せていただいている会社に関しては感謝しかない。
ただそこも — 時給こそ下がっていないが、展開規模を小さくしている煽りを容赦無く受けている。年収ベースで激減。あとは実際に、長らく一緒に働いていた方々の雇い止めもあった。

数日前に仕事を終えたばかりの兼業先。
送られてきたメールで早くも物言いがついた。資料を都度、事前に作って送ってこいというのだが…そんなことやってたらただでさえ安い時給をさらに薄めることを余儀なくされてしまうではないか。そこまで安売りしてほしいのか。

身バレしたくないので本業を明かすのはもう少しだけ待ってほしい。

まあ…フリーのインストラクター業、もしくは講師業とでも言っておけばいいだろうか。10年ほど前であれば履歴書と職務経歴書を提出すれば、業界内であればそれなりの条件で任せていただけるだけの経歴を積み上げてきた。ただ、年齢の壁ってやつがきた。いや私自身の奢りもきっとあるのだと考えたい。
能力うんぬんよりも、とにかく安く働く人材が欲しいと見える。

それだけならまだいい。安い時給で受けてはじめて思い知ったのだが、案件がうまく進みそうってところで「上長の意向に沿って」仕事をやれ!というたぐいの横槍が容赦なく入ってくることにマジで閉口している。私は顧客から満足され感謝されたいと思いながら仕事をしているだけなのだ。向こうの指示してくることひとつひとつが的はずれでもうね。

暴言吐いていいってのなら、いくらでも出てくるぞい。

そういやこの手のことって、サラリーマンの人たちの間ではよく言われていたことだったよな…と今更ながら思った。そういうことだったのだな。時給を安く請け負うほど面倒なことが増えるってどういうことなんだよ。弱ったなあ。

求職へ〝応募〟したのは私のほうだからなあ…


現状、かつては高給だった私の仕事のほうも〝価格破壊〟が起きて、運転手さんなどとまったく同じように時給相場がびっくりするほど安くなってしまった。

試験を受け相手さんの満足する結果を出し、その場で内定が出たようなものだったが…条件に関してものわかり良すぎてしまった。私のほうはそれこそ年単位で書類選考で落ちることが続いてすっかり自信をなくしていたし、面接に進むことのできたごくわずかな案件でも…出向いてみた会社の雰囲気が葬式みたいに暗かったり、明らかにワンマン経営者だったり、あるいは経歴を面白がって私を呼んでみただけってふうな面接官だったりで。

もう選り好みしてはいけない。借金がシャレにならないほど増えていく現状に甘んじていてはいけない。そろそろ年貢の納めどきだ…低条件でもやってみるかと思って応じてみたものの、やはりやめておいたほうが良さげだった雰囲気だ。

あのメール以来、心底イライラしている。まだイライラがおさまらない。
共働きでいまや私よりも稼いでいる(というよりはこの三年ほどの私の年収がパート就労をわずかに超えるぐらい…かろうじて所得税を課税されるぐらいにしかなってないからそうなってる)家内に対して、八つ当たりだけはしないよう細心の注意を払っている。本当に感謝している。

もうやめようかな…でもこのタイミングで私が外れると、顧客としてついた方に迷惑がかかる。その人との相性はそれほど悪くない。メールが届いた前日の仕事では「ああ、こんな感じでやっていけば成果が出そうだな」という好感触を得ていた。それだけに…私のやり方に有無を言わせず横槍を入れてきたことに憤っている。

経営者が味方でなく、せっかくの仕事なのにむしろ足を引っ張ってくれている。

安い案件には力量も出し惜しみすればいいのか


おそらく(たとえ儲からなくても)経営者の言うがままに働くロボットになればいいのだろう。いや、ロボットになるだけならまだましだ。向こうさんは、私の時間で「計画書」を書き「レジュメ」を作り、契約の時間内ずっとひたすら実演をしろとまで言ってきている(相手に何ができるかを目の前で見届けなくては、適切な指導などできるわけがないではないか)。

実演を見せろってのなら、ビデオコンテンツとかでもいいんだろうけどな。

コンテンツ制作が必要ならば、良心的な経営者にだったら協力する。実際、コロナ禍でそういうコンテンツづくりに協力したことがある(別の人は断ったのだが…いま思えばそれが正解だった)。結局はその経営者がとんでもない奴だということがあとでわかって退職し、さらにはサラリーマンと同程度の時間就業していたというのに(成果が出るのが楽しくて、サービス残業ってのでも平気だと思っていた)奴が雇用保険に入っていなかったという酷いオチが待ち構えていた。

人を見る目は大事だ

この時代、仕事が趣味って領域に達したなら「起業」という選択肢を考えるべきだ。ただこれには膨大なバイタリティーを要する。それと「適性」の問題もある。


現状、「話し合い」に応じる経営者・上長などいない



面倒くさいヤツの首は切ればいい。すげ替える首ならいくらでもある。

そういう物言いを嫌というほど見てきた。誰もが知る業界大手からは、実にひどい追い出され方もしたが…いまさら吠えてみても先方は時効だとのたまうだろう。

さまざまな中小を渡り歩いたが、上質なサービスを提供して儲けたい経営者なんてものはいない。「ただ経営者として君臨したい」だけの経営者(そしてその太鼓持ち)がなんと多いことか。ただそのためにやってきた努力には、リスペクトを払いたいとは思っている。

そのあたり…私はあまりにロマンチストすぎた。現実は現実だ。

食っていくには、たとえ意に沿わなくても働かなければならない。
ただ…同業で兼業すればするほど幻滅してしまうので、もう同業での兼業は金輪際やめようと思っている。でも…私のようなヘタレになにか務まる仕事なんて果たしてあるんだろうか。
このごろ暇があったら考えている。私にできることは何だろうかと。

50歳をすぎてから抱える問題としては、あまりにも遅すぎた。
ただ、遅すぎたといっても何も解決はしない。無い頭を懸命にしぼりながら向き合っている。物を書くのは好きだ。が…テクニカルライターとして通用するかどうかは別だ。何からはじめればいいものだか。ふう。

今年度で本業畳もうかなあ


本業離れたら、この業界のウラを暴露する人にでもなろうかなとか。
いや…そんなことしても、これっぽちも楽しくないだろう。過去にあったトラブルを切り売りしながら生きるのは、たぶんのちに後悔する。この業界はゲスだらけだけど、感謝している人もわずかながらいらっしゃる。そういう方々との思い出まで汚したくはないんだなあ。

ともあれ…私と似たような悩みを抱えてる人って、業界を問わず多い気がする。飲食業界だってそうだろうな。コロナ禍でいちばん振り回されたのは飲食業界だ。私と同じく、立ち上げる前まではロマンチストだったのに、現実がなあ…といったふうだろうな。

あとは震災関連で転居や廃業を余儀なくされた方々。
挙げていくともうキリがない。
私だけではない。わかってるなら私は、なおさら甘えたり逃げたりしてはいかん。
体力も気力もすっかり失せたけれど…まだ終わっていないし終われない。

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