シャープマスクの抽選販売終了に思うこと
つい先日、シャープからマスクの抽選販売終了を知らせるメールが届いた。今後はシャープのココロストアというサイトで常時買えるようになったという。
あれほど大騒ぎになったコロナ禍。そしてマスク不足。
そうそう。アベノマスクが送られてきたというのもあった。
賛否両論あったけれど…私自身はあれほど国民を馬鹿にした話はないと感じたし、現在もなお当時の違和感(政治不信)はぬぐえずにいる。
通勤で名古屋駅に行くことすら憚られた時期があった。まだ夜の10時になるかならないかぐらいの時間なのに、ほとんど人影のない名古屋駅コンコースをまのあたりにして背筋がゾクッとしたことを鮮明に覚えている。所用で乗った東海道新幹線「のぞみ」がガラガラだった。よほどのことが起こらない限り、二度と見ない光景なのではないだろうか。
コロナにかかったら死ぬ…みなが戦々恐々とし身構えて生きた時期があった。大袈裟なんかではない。志村けんさんが亡くなったとき、誰もが笑えなくなってしまった。今度は自分なのではないか…とも思った。東日本震災というにわかには信じ難い未曾有の天災に遭遇して10年ぐらいしか経ってないのに、またこんなことが起こるのかと思ってしまった。
そんな時期にはじまったシャープのマスク生産と抽選販売。
我が家のテレビはシャープ製だ。買った当時は「世界の亀山」というふれこみで、亀山工場(三重県)は液晶テレビの生産拠点として知れ渡り、亀山産というのはまさにブランドみたいなものだった。
結婚して中古マンションを買い、ともに生活をはじめたときに揃えた家電のひとつがこのテレビ。同時に買ったドラム式洗濯乾燥機はすでに二代目になっているが、テレビも冷蔵庫もエアコンも…いくぶん調子を崩しているもののいまだ現役。買い替えを促すために短命に作られているという噂はあったけれど…案外持ちこたえてくれている。そろそろ壊れてもおかしくないのだろうな。
失われた20年といわれる時期に、いわゆる白物家電といわれた電気製品やテレビなどを生産していたメーカーは相次いで経営不振に陥ってしまった。シャープも憂き目に遭った大手家電メーカーのひとつだが、コロナ禍のマスク不足の折にマスク生産を受け持つことになった。
私自身もシャープ製のマスクを切らさぬよう、抽選に当たるたびに在庫を点検して、残り少なくなるたびに律儀に買いつづけた。
今年(2024年)になってとうとうコロナに感染してしまった。かつては感染すると死を覚悟しなければならないと思わされていた時期もあったけれど、それほど重症化することなく治ってしまった。コロナ自体はそれほどしんどいものではなかった。むしろ40代半ばでかかったインフルエンザとかノロウイルスとかのほうがよほどしんどかったような気がしている。
ただ…コロナの後遺症っぽいだるさが実に長く続いている(というか正直なところ、これがコロナの後遺症なのか男性更年期障害なのかいまひとつよくわからないままなのだけれど)。
どうやらマスクの需要もひと段落したようだ。電車の車内を見渡しても、すっかりマスクでガードしている人は減ってしまった。職業柄、私はまだマスク着用を続けている。マスクを着けていないと口から頬にかけてどこかスカスカして肌寒く感じてしまうぐらいだ。真夏のマスクさえそれほど苦痛ではなくなってしまった。慣れというのはオソロシイものだなあ。
多めに買ってストックしていたシャープマスクもすべて使い切って、最近ではコンビニで調達することもしばしばというふうになってきた。物価高のきびしい時代を迎えてしまったが…やはりマスクは必需品だと考えている。
近いうちにまた箱で買おうかな…と思っている。
私の中ではやはり、シャープというのは格別な存在だ。すごく感謝している。