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【感想】ここはウォーターフォール市、アジャイル町

当時のまったく使えないオーストラリア人上司がひたすらアジャイル、アジャイルと言ってはや5年くらい経過(上司は何人も変わって今は南米人)、あいからずちっともアジャイルしてない組織なんだけど、今年はどうやら本気らしい。去年からアジャイル関係のトレーニングを社内で色々始まって、普及啓蒙活動は本格化して管理職の自分も”アジャイルなんてSW開発者向けの仕組みだろ、俺らサーバーエンジニア軍団には関係ないべ。”とか思ってたけど、そうでもないらしいので、自分もマジめにちょっと勉強してみるか。

と思ってまず購入してみた本。

SW開発に特化した話しではなくて、タイトルに”組織”と入っていたので買ってみた。小説仕立てなのも読みやすいかなと思って。

内容は情シス部門の社内システム運用チームに不本意ながら異動になった主人公が問題山積みの縦割りサイロな組織からアジャイルの考えを社外メンターから伝授してもらい、自分の組織に適用して組織改革をしていく、そして最後にはシステム開発部門、運用部門、サポート部門、ユーザーもみんなハッピー的な。

アジャイルの本なのにスクラムとかイテレーションとかプロダクトオーナーとかの用語が出てこない。スクラムというのはアジャイルのプラクティスの一つなので、スクラムしてなくてもアジャイルという事らしい。どっちかというとアジャイルを使ってDevOpsの実現みたいな話しかなぁ。組織の話しでアジャイル開発の本ではないし。開発と運用が一体となっていわゆる開発がいけてなくて、発生したバグ等を運用で対処したり、サポートチームがクレーム受けまくるのを防げる様な組織を作っていくみたいな話し。クロスファンクションという奴だ。まぁ自分も運用はお客様がするシステムで、もうこれSW的には治りませんから運用回避の手順書出しますから検収あげてくださいってお願いして何度も断られた身からすると、運用回避はいけませんよね。。

小説のストーリーの後に、かなりしっかりした解説ページがあって、考え方とか用語とかを丁寧に説明してくれる。

まぁバグやクレームのトラッキングに統一したトラッキングシステム使ってなかったり、Dailyのシンクアップもしてなかったり、ホワイトボードもなかったり、Slackの様なチャットツールもなかったり、かなり後進的な組織が舞台なんだけど、まぁそれなりに参考になるかな。

自分の会社はもうこの段階は過ぎてる気がするので、実際海外の開発組織が作った巨大なITインフラにのっかるアプリを構築するのがメインの現地法人の我々がどうアジャイルを取り入れていくかのヒントは得られなかった様な気がするけど、Be Agileという言葉は意識していきたいかなぁ。アジャイルを導入するのが目的になりがちなご時世で、アジャイルというのはツールやプロセスではなく、アジャイルになるものだと。あと一番おもしろいなと思ったのは説得戦略より納得戦略。何か新しい事や、やり方を変えようという時に、ついつい上司やお客さんを説得しようとしてしまうが、人は納得した事しか受け入れない。いわゆる腹落ちしないと人は決して動かない。ロジックで説得させようとしても、ダメで納得してもらうための方法を模索すべしと。

我々の業界でもお客さんが納得しない限り絶対アジャイルなやり方は導入できないので、お客さんがどう納得してくれるかだなぁ。

もう少し自分の組織やお客さんに適用するとどうなるのかは考えていかないといけませんなぁ。

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