言の葉譚<009>刈りたての干し草
張子の虎は思はぬ部所から綻びる。本稿は、かくあるべしをさにあらずと否された虚脱感、いや、平たく云えば、何々流の竹刀剣法がさり気無い街中の脇差遣いに一本取られた話、苦々しくも懐かしいわが若き日の苦渋譚だ。
わが留学時代の詳細はHP「梟の侘び住い」の「アメリカ苦学記」( https://wyess11.xsrv.jp/main/ikizama/ )をご参照頂くが、小生意気な若者が己れの浅学を思ひ知る経緯は、傍目には興味を唆らう。
ここで吾輩は己れを蛙に擬えて、ある経験談を明かしてをる。文法なら何でも来れと奢ってゐた井の中の蛙が、ごく些細な英語表現で大海を知る話、ぜひご笑読くだされ。
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